【第6話】ライバル?仲間?初めての内定者懇親会

【第6話】ライバル?仲間?初めての内定者懇親会

WAKE UPストーリー第6話

実際の就活や仕事に使える知識やスキルをストーリーで学ぼう!

【WAKE UPストーリー】毎週金曜日更新中

今どきの大学生、林が紆余曲折を経て成長していく様子を描いた、就活生~新社会人のための、連載型スキルアップコンテンツ。

登場人物紹介(※クリックで拡大)

WAKE UPストーリー登場人物紹介02

 

皆さん、こんばんは。破天荒大学体育学科4年──
初めまして……。えっと、お嬢様大学日本文化研究学科4年──

 

こんなに大学ってあるのか……。

自分の学力で入れそうな東京の大学、というだけの理由で受験を決め、ろくに大学を調べなかった俺にとっては初めて聞く学校ばかりだった。

 

ひとつの会社でも、こんなにいろんな人が集まるもんなんだなあ……

 

会社とは、同じような人間が集まって作られているものだと思っていた。

よし、最初が肝心だ……。俺もしっかりとアピールできるように準備しておこう。

その時、

 

小島
こんばんは。私、小島哲也と申します。皆様と協力しながら、一日でも早く──

 

ひとりだけ異質だった。

大学名も言わず、そして発言するひとつひとつの言葉に自信があふれていた。

ただの懇親会だろう。

何で仕事や夢の話なんてするんだ。

少し気に障った。

 

その後、一通り学生たちのあいさつが終わり、人事部の部長から一言あった。

 

人事部長
このたびは、アオキ物産の内定者懇親会にご参加いただきありがとう。

これから私たちと一緒に会社の未来を創っていく仲間たちと、こうやって出会えたことに感謝しています。

そして、私自身も30年前、皆さんと同じ新入社員としてこの会社に入り、多くの同期と共に働いてきました。

同期というのは、楽しいことも、つらいことも分かち合える非常に大切な存在です。まずはお互い楽しんで、いい仲間を作っていきましょう。乾杯

 

一同「「「乾杯」」」

 

部長の声で始まった懇親会という名の飲み会。

しかし、お互いが距離を測り合っていて、話がうまく続かない。

俺の周りには4人いたが、何から話せばいいのかが分からず、当たり障りのない会話をしたあと、一般職か総合職か、とか、その程度の話しかしていなかった。

 

その後無言が続くそのテーブルの少し先に、会話が弾んでいるテーブルがあった。さっき目立っていた小島のテーブルだ。

 

小島
えっ!山下君も音楽好きなんだ!俺はさ──

 

小島はまるで初対面ではないように会話を振り、相手も笑顔になっている。

どんどん輪が広がっていくように、小島の机の周りには人が集まっていった。

リーダーシップについての勉強をしてきた俺には、ひとつ気づくことがあった。

小島の周囲との接し方だ。

自己紹介の時の自信満々な様子と打って変わって、優しさを感じるようなちょうどいい声のボリュームで、相手のひとつひとつの発言に対して反応をし、笑顔を忘れない。

 

これは……リーダーシップの動画で見たぞ。

リーダーは言語よりも非言語を意識する』というやつだ。

 

この場には、女性も男性もいる。それも全員ほぼ初対面だ。

そんな時は、発言の内容以上に、声の出し方や表情といった『非言語』の部分を意識するべきである……らしい。

 

そのことに気づいた時、俺のなかにあった先ほどの気に障る印象はすっかりなくなってしまった。

素直に『すごいやつなんだな』と感じた。

 

あの違和感のない様子はきっと、勉強して身についたものではなく、天性のものなんだと思った。

小島の場合は、リーダーとして必要なもののひとつを自然と備えているのだ。

話してみたい。

俺はそう思い、小島のいる席に近づき、話しかけようとした。

 

小島
あっ林君だよね。初めまして。俺、小島

 

先に話しかけられてしまった。

そして名前を覚えてくれている。少しうれしく思ってしまったことが悔しい。

ちなみに俺の自己紹介は、いろいろ考えた揚げ句、当たり障りのない普通のものに収まってしまった。

目立っていたわけでもないはずだから、もしかしてこいつ、全員の名前覚えてるのか……?

 

な、名前覚えてくれてたんだ。ありがとう。小島君ってさ、すごいよな。あんまり緊張とかしないの?
小島
いやいや、超苦手だけど、頑張ってる感じ。俺は就活始めたのも遅いし、ぶっちゃけみんなは相当勉強してきてるんだろうなって思ってさ、張り切ってるだけ

 

意外だ。

こういう人間はしっかりと学生生活を楽しみながらも、就活の準備は余裕を持ってやるもんだと思っていた。

 

そんな感じなの? 俺もかなり遅かったから、採用されたのは奇跡って今でも思ってるよ
小島
おー!じゃあ一緒じゃん。良かったわ、林みたいなやつがいて! あっ、ごめん、呼び捨て平気な人? 俺のことも呼び捨てでいいからさ!

 

『就活ピンチだった組』という共通点と、小島の親しみやすい雰囲気のおかげで会話は弾んだ。俺は、小島がほかの内定者から聞いた話を教えてもらうことにした。

周りがどんなことを考えているのかがどうしても気になったのだ。

 

内定者のみんな、どんな勉強してるとか言ってた?
小島
あー、さっき話してたやつらは、いろいろやってたみたいだよ。

聞いた話だと、中国語の勉強してる輸出部門希望のやつがいたり、学生時代にネットで月10万くらい稼いでたっていう広報希望のやつがいたり。

すごいよな。みんな

すげーな。みんな自分が配属されたい部署を意識して勉強してるんだな。小島はどこの事業部が希望なの?
小島
俺は営業部かな。あんまり海外のこととかは分からないし、特にこれがやりたいってのもないからさ。

それよりも俺、実力があれば上がれる!ってのが分かりやすいところのほうがいいんだよね。

頑張ってるのに、それが認められないのとか嫌じゃん

 

小島は小学校から大学までずっと野球部だったらしい。

高校時代は甲子園を目指してかなり真剣に取り組んでいたらしく、結局甲子園に出ることはできなかったが、大学では、1年生ながら部内ではトップクラスの実力で入部。

しかし、大学の部活は学年優先でレギュラーが決まるタイプで、試合に出られるようになったのは遅く、悔しい思いをしたんだとか。就活を始めるのが遅くなったのも、学年が上がり試合に出られるようになったため、ぎりぎりまで続けたかったから、という理由なんだそうだ。

 

そんな話をしているうちに、懇親会が終わりを迎えた。小島とは、その場で連絡先を交換し、今後もお互い情報交換をする約束をした。

別れたあと、すぐに小島からメッセージが来た。

 

KOJIMA
今日は楽しかったな。今度一緒に飯でも行こうぜ。あと、インターンってやる?

 

こいつは本当にできるやつだ。

というか、うちの会社ってインターンあるのか……?

 

 

インターンあるの?
KOJIMA
入社までの間いろんな部署を体験しながら働けるってやつ。案内来てたぞw 俺はやるつもり
俺もやってみようかな。いつから?
KOJIMA
来週らしい。明日人事の人に聞いてみなよ!定員もあるらしいから急げー

 

 

インターン、やろう。

俺は懇親会を通して、『課長になる』という目標を追う上でのライバルは小島だと感じていた。あいつがやるなら俺もやってやる。

小島は早く認められたいと思っているふしがあったが、目標とか、あるのだろうか……。

 

武田のことも尊敬していたが、またすごいと思えるやつに出会えた。

今までアルバイトなんかもしてきたが、尊敬できるというほどの気持ちを抱く人はいなかった。仕事が始まったら、もっといろんな人と出会って、そのたびに刺激を受けるんだろう。

 

俺は、『会社に入るって何かいいな』と感じるとともに、来たるべきインターンを想像してワクワクしながら家に帰った。

 

次回へつづく

【第7話】アルバイトではない。会社の目標って難しい

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