【第26話】武田悠斗にとっての企画職②再起!友人と負けん気と

【第26話】武田悠斗にとっての企画職②再起!友人と負けん気と
【第26話】武田悠斗にとっての企画職②再起!友人と負けん気と
実際の就活や仕事に使える知識やスキルをストーリーで学ぼう!

【WAKE UPストーリー】毎週金曜日更新中

今どきの新社会人林良介、佐藤綾子、武田悠斗の3人が紆余曲折を経て成長していく様子を描いた、就活生~新社会人のための連載型コンテンツ。

登場人物紹介(※クリックで拡大)

登場人物紹介

武田が仕事から家に帰ると、身に覚えのない荷物が届いていた。

不思議に思って見ると、差出人には林の名前があった。

荷物を開けてみて驚く。

そこにはOffice製品の使い方やハウツー本、パソコン初級者向けの学習ソフトなどがごっそり入っていた。

 

武田
あいつ、本当に約束守ってくれたんだ……

 

先日林と飲んだ日。

帰り際に林は、『パソコンに関する教材をすべてそろえてやる』と豪語していた。

期待してる、とは伝えたものの、本当に送ってくるとは思っていなかった。

まあ、ほとんどが林の使い古しではあるものの、有り難いことに変わりはない。

武田は早速林に電話した。

 

武田
荷物届いたよ、ありがとうな!
おー。約束だからな
武田
まさかほんとにくれると思わなかったよ
今までたくさん武田に助けてもらったしな。恩返しってことで
武田
はは、すべて返せたと思うなよ~

 

笑いながらも武田は涙が出そうだった。実は今日も、仕事がうまくいかないダメな1日だったのだ。

 

武田
俺、ちょっと本気で頑張ってみるわ
武田ならできるよ。必ず
武田
また適当なこと言いやがって
いや、俺の友達だからさ
武田
こないだまで就活でひいひいいってたやつのセリフかよ

 

武田はまたも感動して涙が零れ落ちそうになった。林の言葉に優しさを感じる。

 

武田
俺、なにがなんでも絶対に習得してみせる。ありがとうな!

 

電話を切ったあと、手早くシャワーを浴びた武田は早速教材を開く。

会社から支給されているパソコンと向き合い、ExcelやWordとにらめっこする。

 

武田
うーん、分からん……

 

武田は途中で諦めて、ベッドに横になった。

 

武田
勉強は苦手じゃないはずなんだけどなあ

 

このまま眠ってしまおうかとも考えたが『君見てるとイライラするんだわ』という岡崎の言葉を思い出し、なんだか腹が立って、再びパソコンの前に座り込んだ。

 

武田
今日は朝までパソコンの勉強する!

 

今夜はとことん集中して、少しでも上達しようと決めた。

 

そして翌朝――。

徹夜明けの朝は、日差しがより一層まぶしく感じた。

会社に向かう電車のなかではあくびを連発し、学生の時は全然平気だったのになあ、などと、卒業してから大して経っていないのに考える。

会社ではしゃきっとしようと考えていたが、我慢できずに出てきたあくびを必死にかみころす。

 

岡崎
おい、なんだよあくびなんかして。朝まで遊んでたのか?

 

この先輩はいつもタイミングの悪い時に近くを通る……。

努力している自負がある武田は我慢できなかった。

 

武田
違います。朝までパソコンの勉強してたんです! 遊んでたわけじゃありません! そんな言い方止めてください……
岡崎
まあ怒るなよ。それで、少しはいじれるようになったか?
武田
いや……それはまだ……全然
岡崎
はは、徹夜も無駄になったってわけか

 

笑いながら岡崎は去っていく。

武田の怒りは限界に近付いていた。だが、まだ折れない。爆発もしない。

絶対にパソコンを使いこなして見返してやる、そう決めた。

そして仕事を終えた帰り道、愚痴をこぼしたくなり、林に電話した。

女々しいとも思うが、仕方ないのだ。

 

もしもし?

林はすぐに電話に出てくれた。

 

武田
もう聞いてくれよ……。今日も先輩に嫌味言われた
マジか
武田
そうなんだよ。昨日、お前が送ってくれた荷物開けてさ。張り切って徹夜してみたわけよ
おう
武田
眠くてしょうがなかったけど表に出ないように頑張ったんだよ、これでも
うんうん
武田
そしたらちょうどあくび出そうなところを先輩に見られてさ……
うわあ……
武田
それで、できるようになったか、って聞かれたから、まだできてないって言ったんだよ。1日でできるわけないじゃんな?
まあな
武田
そしたら、徹夜は無駄だったみたいなこと言うんだよあの人!
はは、辛辣だな
武田
だろ? さすがにプライドが傷ついてさ。もうむかついたから今日も徹夜してやろうかと思って
いや……、そこは寝ろよ。仕事に影響出たらそれこそまた文句言われるぞ
武田
うっ……、まあなあ。あの人ならぼろくそに言いそうだわ
だろ? だからとりあえず今日は軽く勉強してちゃんと寝ろよ
武田
でもこんな調子じゃどれだけかかるか分かんないぞ
武田は俺より要領も頭もいいんだから、焦らずやれば平気だよ。頑張れ
武田
まあ確かにそれもそうか
普通は否定するんだよそこは! 事実だったとしても!
武田
おいおい、お前が言ったんじゃないか
自分で言うのはいいけど他人に言われるのは納得いかないんだよ!
武田
はは。まあ、話聞いてくれてありがとな。また連絡する
おう

 

やはり林としゃべると元気が出る。

ふと、友達はいいな、と考える。

自分の味方でいてくれる人間がひとりでもいてくれることのありがたみが身に染みて分かった。

林がまたなにかに迷ったり、傷ついたりした時には、とことん愚痴を聞いてやろう、と思った。

林との話通りしっかり寝た武田だが、その体調の良さに反比例して、会社に向かう足取りは重い。

なんといってもあの嫌味な先輩がいるのだ。

今日もストレス溜まるんだろうなあ……、などと考えながら席に着く。

今日も今日とて書類作成作業だ。

大してタイピングも速くないのに、腱鞘炎になるんじゃないか、などと考える。

ブラインドタッチもできない武田は、キーボードとディスプレイを交互に見ながら作業をしていた。

すると、すかさず岡崎がやってくる。

 

岡崎
勉強してるって言ってたわりには、ブラインドタッチもできないのか。先行き不安だなあ

 

もう武田も、この先輩に気を遣うのはやめることにしていた。

 

武田
いきなりなんでも完璧にできる人間なんていませんよ。いま、精一杯努力してる最中です
岡崎
へえ。じゃあ、その努力とやらが本当に実を結ぶのかどうか、楽しみに待ってるよ。その間も給料はもらうわけだから、早く頼むなー

 

武田もそんなことは分かっている。お荷物にはなりたくないのだ。

泣きたくなる気持ちを抑え、気持ちとは裏腹に笑ってみせる。

 

岡崎
あ? なに笑ってんだ?
武田
見くびらないでくださいよ、岡崎さん。1カ月以内に今の業務をスムーズにできるくらいにならなきゃ、潔く辞めますからご安心を
岡崎
そりゃあ、面白い。いまの言葉忘れるなよ。まだマーケティングのマの字も教えてないんだからな。辞められちゃ困る。うちはパソコン教室じゃないんだ
武田
大丈夫です。俺、吸収早いんで
岡崎
今のとこそうは見えないけどなー

 

昼休み、屋上に上がった武田は思い切り伸びをする。

 

武田
絶対にやり遂げるぞ

 

小さくつぶやく。

岡崎が驚いて悔しそうにする顔を想像したりしながら。

次回へつづく

武田悠斗にとっての企画職③

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