【第24話】佐藤綾子にとっての企画職④

【第24話】佐藤綾子にとっての企画職④
佐藤綾子にとっての企画職④
実際の就活や仕事に使える知識やスキルをストーリーで学ぼう!

【WAKE UPストーリー】毎週金曜日更新中

今どきの新社会人林良介、佐藤綾子、武田悠斗の3人が紆余曲折を経て成長していく様子を描いた、就活生~新社会人のための連載型コンテンツ。

登場人物紹介(※クリックで拡大)

綾子は、いままでにないほどやる気に燃えていた。

リョウと仲直りできたから、というのもある。プライベートも仕事もうまくいくのが一番だと、リョウとケンカをしたときに思った。

あのときは、本当に参っていた。情緒不安定だったし、いつも暗い気持ちで過ごしていた。

もう二度とあんな思いはしたくない。

綾子はいま、本気で仕事に向き合おうとしていた。

 

綾子
木村さん

 

綾子は廊下で前を歩いていた木村さんを呼び止めた。

 

木村
どうしたの? 佐藤さん。彼氏と仲直りでもした?
綾子
え! どうして分かるんですか!?
木村
だって、この前と表情が全然違うもん。明るい顔してる! 私の言った通り、電話して良かったでしょ?
綾子
はい! 向こうも悪いと思ってくれてたみたいで、すんなり仲直りできました。本当に良かったです
木村
あとは、仕事を頑張るのみね
綾子
はい! 企画職としてもっと輝きたいです!

 

綾子は威勢よく返事をした。これからどんどん企画を出そう。そういう意気込みも込めて。

綾子はまず、どんな企画を出したらいいのか試行錯誤した。実際にこれまで出た自社製品を何度も見直したり、あらゆるショップに顔を出したり、顧客がどんなものを手に取って購入しているのかまで観察した。

そうして試行錯誤するなかで、綾子はアロマディフューザーに目をつけた。

自分が落ち込んでいた時期に、少しでもリラックスできる時間があったら少しは気持ちが楽になったのに、と思ったからだ。

香りにもこだわり、リラックス効果がある柑橘系やラベンダー系の香りのあるアロマを合わせて企画してみた。

昼休み。

綾子は木村さんと一緒にランチに出かけた。

 

木村
どう? 企画は進んでる?
綾子
はい! 一応。まだ自信はないんですけど、アロマディフューザーがいいかなって
木村
どうしてそれがいいと思ったの?
綾子
自分がプライベートでも仕事でも悩んでいたときに、癒やしがなかったので……。で、香りだけでも楽しめたら違ったのかなあ、と思いまして

 

木村さんは少し考えて、発想は悪くないんだけどね、と続ける。

 

木村
アロマディフューザーってもう、自社製品として販売されちゃってるのよね。だから、かなり工夫しないと企画通すのは難しいんじゃないかなって正直思うんだ
綾子
はい。そのことも分かってます。自社製品についてはかなり調べましたから
木村
どういう風にするつもりなの?

 

綾子はフフッと笑った。

 

綾子
アロマディフューザーだけではなく、例えばコーヒーをつけたり、小さな香水をつけたりして、それをセットでプレゼントできるような形にする予定です。

もらった人が喜んでくれて、しかもリフレッシュできる。贈った側は相手に感謝と思いやりの心を持って、プレゼントできるような……。

テーマは人をいたわる心です!

木村
人をいたわる心?
綾子
はい。私思ったんです。この前落ち込んでいたときに、木村さんにも励まされたし、彼氏にも元気をもらったし、そういう『人を思いやった商品』が作りたいと思ったんです
木村
つまり、今回の商品は、自分用に買うというよりは贈り物として企画するってこと?
綾子
はい! そうです!

 

綾子は木村さんに満面の笑みを向けた。木村さんはそれを見てにこっと笑った。

 

木村
それはいいアイデアね!
綾子
本当ですか!?
木村
うん。かなりいいと思う。リラックスできる商品を集めてひとつにまとめて、それを大切に思っている人に贈るなんて、カップルとかに受けそうじゃない? 私だって欲しいもん!
綾子
私も欲しいです。彼氏からもらったらうれしいですよね
木村
うんうん、うれしい! わー私のことよく分かってるなって感心しちゃう
綾子
女心を分かってるというか、そんな感じですよね
木村
そうそう! まさにそれ! やっぱり、女は女心を分かってる人には弱いよねえ

 

私たちは笑った。自分でもいいアイデアだと思っていたからほめてもらえてうれしかった。

木村さんは初めて出した企画が通ったという強者だ。そんなすごい人に自分のアイデアをほめてもらえることは誇りだった。

それからは綾子にとって忙しい日々が始まった。プレゼン資料を作るのに何度も徹夜したし、何度も、商品化するにあたって、本当にこれでいいのか、と試行錯誤した。

たまには、弱気になったりもした。自分にはやっぱり企画職は向いていないのではないかと思うこともあった。そんなときはリョウに電話して励ましてもらった。

 

綾子
もしもし、リョウ?
綾子ー、元気か? 仕事頑張ってるか?
綾子
もう大変だよー。ひたすら眠い
少しは休まないと身体もたないぞ。いま綾子の商品企画は、買ったり、もらった人がリラックスできるものを作っているんだから、綾子がリラックスできなくてどうする!
綾子
だよねえ。でも私のいまの癒やしはリョウとの電話だよ。リョウの声聞いてると落ち着く
なんか照れるんだけど
綾子
うまくいくように祈ってて!
もちろんだよ! 俺も頑張る!
綾子
落ち着いたら会おうね。リョウに会いたい
俺も

 

電話を切ったあと、綾子は充実感に満ちた幸せな気持ちで再び企画書作りに打ち込むことができた。

そうして、綾子の地道な努力が実って、綾子のプレゼンは部署内で高評価を得ることができた。あとは実際に会議に出すだけとなった。

昼休み、綾子は缶コーヒーを買って屋上で一息ついていた。

 

木村
佐藤さん、初めてのプレゼン、どうだった?
綾子
すっごい緊張しましたー!

 

綾子は緊張の糸がぷつりと切れたように、椅子に座りこんだ。

 

木村
よく頑張ったね。偉いよ! 佐藤さんはよくやった! あとはどうなるかだね
綾子
いやー、通ってほしいなあ
木村
決まるといいね! あれだけ悩んで考えた商品だもんね
綾子
はい。私、今回初めて仕事が楽しいって思えました。自分の経験って、こうやって仕事に活かせるんですね! 

悩んでたことも寂しい思いをしたことも、いまこうやって商品企画としてアイデアを出せて本当に良かった。

人生で無駄なことなんて一つもないですね!

 

綾子は清々しい気持ちでいっぱいだった。そんな綾子の心を映し出すように空は快晴だった。雲ひとつない青空に、温暖な気候。すべてが綾子を癒やしてくれた。

 

木村
彼氏にこれだけ頑張ったこと、ほめてもらわないとね
綾子
はい!

 

綾子は、早くリョウに会いたくてたまらなかった。この青空をリョウも見てくれていたら、うれしいと思った。私たちはこの空の下、つながっている。つらくて、もどかしくて、悲しくて、もがいていても。たとえそれがどんなときでも――。

私とリョウはつながっている。

 

次回へつづく

【第25話】武田悠斗にとってのマーケティング職①

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