【第15話】新卒営業には必ずある!?営業職女性との運命の出会い

【第15話】新卒営業には必ずある!?営業職女性との運命の出会い

実際の就活や仕事に使える知識やスキルをストーリーで学ぼう!

【WAKE UPストーリー】毎週金曜日更新中

今どきの新社会人、林良介が紆余曲折を経て成長していく様子を描いた、就活生~新社会人のための連載型コンテンツ。

登場人物紹介(※クリックで拡大)

WAKE UPストーリー登場人物紹介

 

会社に保険営業の女性が来る。

何でも、俺たち新入社員、ひとりひとりと面談をするらしい。

俺は知らなかったが、新卒に対して、担当エリアの保険営業がセールスを行うというのはよくある話らしい。昼休みや仕事終わりの時間を狙って、うまく契約をとれるかが保険外交員の勝負というわけだ。

俺は同じ営業として、保険営業というものに興味がわいていた。

一体どんな営業方法で契約を取るんだろう……。

 

そして昼休み——。

俺は社内の面談スペースで保険営業の女性と対面していた。

 

橋本
どうも、はじめまして。橋本と申します

 

名刺には『橋本恵(はしもとめぐみ)』と記載されている。

 

初めまして。林と言います
橋本
林さんていうんですねえ。若くて明るそうで、素敵だわ

 

驚いた……。

営業の会話で容姿を褒めることなんてあるのか。

怒る人は怒るんじゃないだろうか。

橋本さんの見た目は50代前半くらいで、化粧はばっちりしている。

清潔感のあるスーツを着て、高すぎないヒールを履いている。

ぱっと見たところ、相手に不快感を与えない小綺麗な感じだ。

 

橋本
林さんは何か保険には入っているの?

 

橋本さんは椅子に着席するなり早速本題に入った。

口角をきゅっと上げてにこにこしている。作り笑いという感じもなく、本当に自然で悪い感じはしない。

 

いえ、保険には入っていなくて……。

そもそもどんなものに入ればいいのかもよく分からないですし

橋本
林さんはまだ若いけど、保険は若いうちから入っておくのが一番いいんですよ。

いつ病気や事故に遭うのかも分からないですしね

 

橋本さんは俺の目を見てゆっくりと話してきた。

 

橋本
例えばこの保険なんかはね、月々3000円で、もしも病気や怪我で入院することになったら、一日最大1万円まで保障してくれるの

 

橋本さんはパンフレットを見せながら、熱心に営業している。

確かにいつ病気や怪我をするか分からないし、保険には入っておいたほうがいいのかもしれない……。

なるほど、若いうちのほうが保険料も安いのか……。

 

橋本
それからね、先進医療特約の付いている保険がおすすめなの。

保険っていろいろ種類があるけど、今は先進医療特約をつけて契約する人が多くて。

普通の保険だと高度な技術のいる治療は保険金が出ないこともあるけど、先進医療特約をつけておけば、それを保障してくれるのよ。

入るなら絶対、先進医療特約も追加したほうがいいわよ

はあ……。そういうものなんですか。

うーん、でも今は健康ですし、どうしても必要とは思えないんですよね。

保険についても分からないですし

 

橋本さんは俺の言葉を聞いた後に、にっこり笑った。本当にどこまでも嫌味のない人だな、と思う。

 

橋本
分からなくて当然です。私たちはプロですから、少しでも分からないことがあったら何でも聞いてください
ちなみに橋本さんはどんな保険に入っているんですか?

 

俺は気になり聞いてみた。プロはどんな保険に入っているのだろうと、参考にしたかった。

 

橋本
私は貯蓄型の年金保険と医療保険に入っています。もちろん先進医療特約は付けてますよ

 

それから一呼吸置いて橋本さんは、

 

橋本
私は自分がいいと思った保険しかすすめません。

それが弊社の保険です。弊社ではお客様ひとりひとりに寄り添って、一緒に人生を歩む覚悟で仕事をしています。もちろん私個人もです。

お客様に万が一のことがあれば、即座に対応できるようにしてますし、適度に連絡を取り合って、いつでも保険の見直しや新たな保険の加入、解約なども話し合います。

私たちとお客様は、一緒に人生を歩んでいくパートナーみたいなものなんですよ

 

俺は橋本さんに圧倒されっぱなしだった。

自分も営業職だが、お客様と人生を歩むだとか、パートナーだとか、そんなこと考えたこともないし、もちろん口に出したこともない。

橋本さんは、黙りこんでいる俺に向かって、ふふふ、と笑いかけた。

 

橋本
こんなこといきなり言われても困っちゃいますよね。

ごめんなさい。ただ、あなたのように若くてかっこいい人がもしもの時に何かあった場合、やっぱり保険って大事だと思うの。

これから先、何が起こるか分からないし……。それに若いうちから加入しておけば保険料も安いしね。

これからやりたいことやかなえたい夢もたくさんあるでしょう?

 

面談スペースのテーブルをはさんで橋本さんと会話しているうちに、言葉のひとつひとつが信頼できるような気がしてくる。

普通だったらわざとらしくなるくらいの褒め言葉なのに、嫌味がなくて何だかうれしくなってくる。

営業として分析しながら聞いていなければ、加入してしまっていたかもしれない。

不快にならない言葉遣い、笑顔、本当に俺のことを思ってくれていると感じられる様子。

俺は橋本さんと会話していて、自分に足りないものが見えてきた。

自分に足りなかったのはこういうことか、とすら思える。橋本さんは営業の鑑(かがみ)だ。

 

俺、保険入ろうかな

 

つい口走ってしまった。

営業として分析しながらでも無駄だった。

 

橋本
あら、保険の重要性が分かったかしら? 嬉しいわ

 

橋本さんは、得意の笑顔を俺に向け、保険のさまざまなプランについての話を始めた。

翌日の昼休みにたまたま山田部長と一緒になり、開口一番『お前、保険入ったんだって?』と聞かれてしまった。

 

はい。昨日来た保険のおばちゃんが、それはもう何て言うか、すごくて、勢いで……
山田
うわさだと、あの人1カ月で契約10本取るって話だからな
え! 保険の契約で10本!?
山田
信じられないだろ。でも実際にそういう保険外交員もいるってことだ。

うわさだけどな。ここだけの話、俺もあのおばちゃんにはやられた……

山田部長もですか?

 

俺たちは顔を見合わせ笑いあった。橋本さん、本当にすごいよなあ、と。

 

山田
何か橋本さんから学べたことはあったか?
そうですね。相手への思いやり、ですかね。

実際のところ分からないですけど、俺のことを真剣に思って保険のプランを考えてくれてるって感じました

山田
そうだ。売り上げだけを考える営業じゃ成果は残せない。

ばれてないと思っていても、お客さんはよく見てるからな。

相手の立場に立って、自分に何ができるのか考えられるかどうかも、営業マンには大切な要素だ

ですね……

 

橋本恵、おそるべし。

俺は自分に活を入れるように、持っていた缶コーヒーを一気飲みした。

 

次回へつづく

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