【第12話】配属先希望…… 叶うかどうかは人事次第

【第12話】配属先希望…… 叶うかどうかは人事次第

実際の就活や仕事に使える知識やスキルをストーリーで学ぼう!

【WAKE UPストーリー】毎週金曜日更新中

今どきの新社会人、林良介が紆余曲折を経て成長していく様子を描いた、就活生~新社会人のための連載型コンテンツ。

登場人物紹介(※クリックで拡大)

WAKE UPストーリー登場人物紹介03

 

小島
なあ、配属先希望出した?

 

小島が聞いてきた。

 

いや、まだだな

 

俺は配属先について悩んでいた。

最近は営業職の人気は低下しているらしく、内定者のなかでも、営業職を希望する者は少なかったからだ。

インターンで味わった営業としての快感と、もともとあった営業へのイメージの狭間で苦しんでいた。

学生時代に目にした、忙しそうに重い鞄を持ちながら歩き回っているサラリーマン。

大変そうだな、と感じていた。

居酒屋でアルバイトをしていた時には、営業職と思われる人たちがクライアントの愚痴や営業数字への不満を話している姿も見ていて、

苦しそうだな、とも感じていた。

『営業職=大変+苦しい』

という公式が頭のなかで出来上がっていたのだ。

しかし一方で、インターンの最終日の快感も忘れられない。

もし安易に営業職を志望してしまって、大変さや苦しさがその快感を押しつぶしてしまわないかが不安だったのだ。

 

インターンのメンバーからは、

『林は営業職に向いてるよ!』

『1位なんだから、営業職でしょ!』

のような声ばかりをかけられ、完全に営業を志望すると思われているようだ。

『林が山田部長から営業に誘われている』

と、飲み会での笑い話が変なうわさになって広がっているらしい。

そのため同期には小島も含め、少し相談しづらい状況になってしまっているのだった。

 

希望の提出日は、明日に迫っている。

どうしようという焦りで、正直、午後の研修は集中できなかった。

15時になり少しの休憩のあいだ、ひとりで外に向かった。

 

あー……、俺はどんな仕事をするべきなのかなあ

 

空を見ながらつぶやき、携帯を見るとメッセージがきていた。

 

TAKEDA
仕事どう? 今日飯でも行こうよ

 

武田からだった。

一方通行のメッセージなんかは送り合っていたが、お互い内定が決まってから忙しくなり、まともな連絡を取るのは久々だった。

卒業式からそこまで時間があいていないのに、無性に会いたくなった。

行く、とだけ返すと

 

TAKEDA
いつものとこで、20時に

 

とすぐに返信がきた。

 

仕事の残り時間はあっという間だった。

先ほどまでは全く集中できなかった研修もしっかりと臨むことができるようになった。武田のおかげだ。

 

研修も終わり帰り支度をする。

明日配属先希望を出さなければいけない新卒メンバーは、このあと数人のグループで飲みに行くらしい。

俺も2つのグループから飲みに誘われたが断った。

 

俺は武田に相談がしたい。

今回アオキ物産に就職できたのも、武田が就活というきっかけを与えてくれたからだ。

 

少し時間が余りそうだったので、駅の地下にある本屋で、さまざまな職種についての本を読むことにした。

情報を自分で収集する癖がついたことは、就活を通して手に入れた長所だと感じていた。

しかし本を読むことでは答えは見つけられなかった。

待ち合わせの店に着き席に座ると、武田から少し遅れるという連絡がきていた。

 

みんな忙しいんだな

 

入社したばかりの段階でここまで終わる時間が違うことに驚きながら、早めに帰社できる自分の会社はいいな、としみじみと感じていた。

武田は約束の時間から15分ほど遅れてやってきた。

 

武田
よー元気?? スーツ似合ってんじゃん

 

武田は大学で会っていた時より、しっかりとしたイメージになっていた。

 

お、おう。てかこんな時間まで大変だな
武田
いやー、うちはこれでも早いほうだよ。すでにOJTも始まってるしな

 

武田が入社した会社は、人材関係の企業だ。

 

早いな。うちなんかまだ座学研修だよ
武田
座学研修ほとんどなかったからな、1日か2日くらいで終わったよ
すごいな。それでもう実務に入ってる感じ?
武田
まーうちもそんなに大きい会社じゃないからな。常にスピードを重視する感じだ
それならもう配属先も決まっている感じ?
武田
うちの場合は今年の新卒全員がマーケティング部門にいくっていう決まりなんだよね。林のところは?
うちは、営業か企画か、一応選べるんだよね
武田
ほー、もちろん営業だろ?
えっなんで?
武田
綾子から聞いてるよ。自慢げにさ、良介がインターンで一番になったんだよ!ってきてたからさ
何だよ。知ってたのかよ!
武田
ははは、今日はその話も聞きたくて来たんだよ。まずは飲む?
だな

 

この店は昼間はカフェだが、夜は大人向けのバーといった雰囲気だ。

しばらくすると、頼んだビールがきた。

 

久しぶりだな

 

二人でこうやって乾杯するのは、会社のメンバーと乾杯するのとは違った楽しさがある。

無理しなくてもいいし、とても落ち着く乾杯だった。

 

武田
んで、林は配属先どうするの?
それがさ、悩んでるんだよね
武田
どうせ、周りから色々言われてるんだろ
どうせってなんだよ。まーその通りなんだけどさ
武田
とりあえず、営業にしとけば?
なんで?
武田
そんな難しく考えなくたっていいじゃん。一生その仕事しかできないわけじゃないしな
そりゃそうだけどさ、やっぱ選択肢があると悩んじゃうんだよな
武田
まーなあ。今までお前、人生を左右する重大な決断なんてしてこなかっただろ
おい、ひどいぞその言い方。まー確かに大学も適当に選んだし、内定もひとつだったしな
武田
けど営業は経験しておくといいんじゃないか? 人材関係の会社に入ってわかるけど、営業職の求人数はやっぱり多い
そうなんだ。
武田
結構歴史のある会社だと、営業以外は昇格に時間がかかることもあるみたいだしな。営業は結果が見えやすいし
確かに、うちに凄い取締役がいるんだけど、若くてかっこいいんだよな。その人も営業出身だ
武田
だろう。俺も仕事では、BtoCビジネスは変化しやすいから、常に現場を意識しろって言われるんだけどさ。やっぱ営業だとクライアントと直接関われるからそれがやりやすいよな
確かにな
武田
そうだよ。まああんまり悩み過ぎるなよ。お前らしくない
営業って聞くとつらいってイメージが先行しちゃったり、俺なんか運で1位になっちゃった感があるからさらに構えちゃってさ
武田
運も才能のうちだよ。1位を目指して実現できたんだろ?
そりゃそうだよ。やるなら1位、あとできれば過去最高記録と思ったからさ。まー歴代1位の取締役には勝てなかったけどな
武田
それなら運じゃないな。お前が思って動いたからなれたんだよ。実力だ。営業できるんだよ。林は
そうなのかな
武田
絶対そうだ。お前と一番大学時代一緒にいたおれが保証する。それにさっき言ったように、営業はスキルも幅広いし、選択肢も増やしやすい。だからまずはやってみろよ
だな。頑張ってみるか!
武田
そうだ、その取締役を抜いてやれ!

 

俺は、素直に相談できる仲間がいることの大切さを知った。

会社ではやはりライバルとしての感覚や見栄もあるけど、学生時代の友人というのは楽だ。

 

気持ちも楽になり、新たな目標ができた俺は、酔っていたこともありいつの間にか武田の家に向かい寝てしまっていた。

朝起きると、机の上には、盛り上がって書いてしまった配属希望の書類があった。

 

名前:林良介

配属希望先:国内事業本部営業部

希望理由:日本の飲食店を支えたい。そして営業として、本当の意味で1位になる。

 

この配属希望書をみて、人事の人はどう思うのだろうか。

 

あとは人事次第か。

 

次回へつづく

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