新規顧客の獲得を考える時に重要なのが「テレアポ」。
飛び込み営業と比べ効率的に多くの営業先に話をすることができるテレアポは、メールマーケティングやWeb広告が普及した今でも多くの企業が力を入れています。
効率的に売り上げを作る、という点では非常に有効なテレアポですが、営業職として働く人のなかには、
「つらい」
「つまらない」
「精神的にきつい」
など、テレアポに対してネガティブな印象を持っている人も少なくないでしょう。
このような苦手意識を持つ人の多くは、テレアポでうまく結果を出すことができず、「できない」ということから「嫌い」になってしまっているのではないでしょうか。
そんな人に向けて今回は、営業において重要なテレアポで結果を出すコツをまとめていきたいと思います。
テレアポに重要な2つの要素

テレアポで結果を出すために大切なものは、
- リスト
- トーク
何と言ってもこの2つでしょう。
もちろん営業する上ではこのほかにも、会社の体制や商品やサービスの質、本人の性別や年齢など、関わってくる要素は多くあります。
しかし、「商品が悪い」「会社が悪い」と言っていては、営業職として結果を出しつづけることは難しいかもしれません。
営業リスト・トークスクリプトの作り方や注意点については過去にも、
「営業リストの作り方・便利なツール紹介」
「営業を助ける!トークスクリプトの作り方」
などでご紹介していますが、今回はそこからさらに掘り下げ、「トーク」の面をメインにテレアポで結果を出すための具体的なポイントについて解説していきたいと思います。
ゴールを意識して話す
最初に、自分のなかでしっかりとゴールを明確にしてから電話をかけるようにしましょう。
同じテレアポでも、「クロージング」を目標にするのか「訪問の約束を取りつける」ことを目標にするのかで、どのような内容をどこまで伝えるか、が変わります。
例えば、クロージングを目標とするのであれば、相手のネックや疑問点は電話のなかでしっかりと解消するべきです。
また、しっかりと商談できる時間を取ってもらえるのか、ということも重要です。
一方、訪問の約束を目標にする場合、相手のネックに対する解決策を具体的に説明し過ぎるのは良くないこともあります。
電話口で多くを伝えてしまうと、訪問する前に相手の聞きたいポイントがすべて解決され、直接会う価値を感じられなくなる可能性もあるからです。
新規のテレアポは数も大事
テレアポにおいて、トークやリストの質はもちろん重要です。しかし同様に、「数」も大切です。
これはただ単に、たくさんの営業先と商談できる、という理由だけではありません。
トークスクリプトやリストの質を向上させるためには、常に改善が求められます。
改善するためには、そのトークやリストを活用して「どのような結果」が出たか、ということをデータとしてまとめておく必要があります。
この改善を部署単位で行う場合は、多くのメンバーのデータを集計することが可能ですが、営業職が個人で改善していく場合には、自分の営業結果をデータ化する必要があります。
1日の営業件数を増やし、より早く多くのデータを集めることで、トークやリストのPDCAのスピードが上がり、結果としてより効率的な営業をするための近道になる可能性があるのです。
すべての相手で受注を取る!と気負いすぎない
企業によってはテレアポの時に、
「すべてのお客様を受注するつもりでかけろ!」
「とにかく粘れ!」
と言われるところもあるでしょう。
もちろんあきらめずに食らいつく精神は大切ですが、これに意識を取られ過ぎてしまうと、受注できない相手と長く話をしてしまい時間を無駄にしてしまったり、受注できないことを必要以上に悩んでしまい、体力も精神も消耗してしまったりする可能性もあります。
営業のやり方の良し悪しに関わらず、どうしても受注できない相手というのは存在します。
自分のなかで一定の基準を決め、そのような相手に時間を使い過ぎないように注意しましょう。
声のトーンを意識する
テレアポでは、表情や仕草を相手に伝えることはできません。「声」が最大の武器になるのです。
トークの内容だけでなく、声のトーンや大きさにも注意するようにしましょう。
テレアポではまず、「声のトーンを上げる」ということを意識しましょう。
普段の会話と同じトーンで話してしまうと、相手には意外と低く聞こえていることが多く、「暗い営業」というイメージを持たれてしまうこともあります。
かと言って、元気よく話すことは大切ですが、大きな声を出せばいいというものではありません。
相手の状況や性格に合わせ、適度なボリュームで話すようにしましょう。
こういったことを練習するには、録音した電話越しの声を自分で聞いてみるといいでしょう。
簡潔に話す
「言われなくても意識している」と思う人も多いでしょう。
しかし、営業においてはあまり伝えたくないことや説明が難しいことは多くあります。
そんな時あいまいな伝え方や回りくどい伝え方をせずに、要点を簡潔に伝えられている営業パーソンは意外と少ないものです。
また、相手に理解してもらおうと思うあまり、詳しく話し過ぎてしまうというのは、駆け出しの営業のころに経験した人も多いことでしょう。
商品やサービスのメリットを分かりやすく伝えるときはもちろんのこと、デメリットを伝える際にも長く話し過ぎないことで、自信を持っている印象が与えられ、些細な内容として認識してもらえる可能性もあります。
質問・断りに対しての切り返しを用意する
テレアポの場合、基本的に営業先の担当者はまだこちらの商品やサービスに対する興味も薄く、また自らの業務中なのであまり時間をかけられない、もしくはかけたくないと思っているはずです。
そんな状態で、質問への返答につまってしまったり、その返答が分かりづらかったりすることは悪影響でしかありません。
トークスクリプト作成の際には、必ずFAQを作成するようにして、あらかじめどんな質問がありそうか、そしてそれにどう答えるかを事前に想定しておきましょう。
また、質問だけでなく、断りに対しての切り返しも重要です。
想定される断りのフレーズをまとめ、それに対してどう切り返すかを用意しておくことで、話を続けられる可能性が高くなります。
主観的な意見よりも客観的な事実を
「この商品はすごいんです!」
「すごくかっこいいですよね!」
など、主観的なイメージは個人によって異なるため、メリットを大きく見せる時には使いやすい表現です。
しかし、営業先の相手は営業側の主観的な意見よりも客観的な事実を重視します。
営業側が必要以上に主観的な意見を強調して伝えてしまうと、胡散臭い印象を与えてしまうリスクも考えられます。
例えば、「安い」というメリットを伝えたいのであれば、「すごく安いですよね」という主観的な言葉ではなく、他社商品と価格を比較した表を見せ、客観的に価格の違いを提示しましょう。
自信を持って営業する
自信を持つとひと口に言っても、具体的な行動はさまざまです。
テレアポにおいて自信を表現するためには、
- 下手に出過ぎない、お願いしない
- 「あっ」や「あのー」など、不要な言葉をなくす
などの例が挙げられます。
とくにテレアポを始めたばかりのころは、必要以上に申し訳なさそうにしてしまったり、商談の際にも下手からお願いするスタンスで話してしまったりというケースが多くなりがちです。
「いい商品を売っている」と思ってもらいたいのであれば、下手に出過ぎないようにしましょう。
また、自分でも気づかないうちに発してしまうことが多い、「あっ」や「あのー」などの言葉もできる限りなくすよう注意しましょう。
前述の「簡潔に話す」というところにもつながりますが、伝えたい内容の邪魔をしてしまいますし、自信がないように思われてしまう可能性もあります。