エンジニアとしてソフトウェアやシステム、WEBサイトなどを作っている人は、自分の企画が採用された経験を持っていますか。
「エンジニアは技術職だから、企画はできなくてもいい」
そう考えている人もいると思いますが、少数ながら企画ができるエンジニアは存在します。
そして、企画もできるエンジニアは、ベンチャーを始めとした少人数企業の増加などの背景から需要が高まっているとされており、そういった能力の有無を重要視している企業も多くあります。
今回は、これからエンジニアとしてさらなる活躍を目指す人に向けて、「なぜ企画もできるエンジニアが重要視されているか」や「エンジニアが企画職として活躍していく方法」について詳しく解説していきます。
企画職とエンジニアの関係性
基本的に企画の仕事では、「どんな商品・サービスを開発するのか」や「どうやって広告・宣伝を効率よく行うか」を考えていきます。
企画が採用されたらリリースに向けて動き出しますが、多くの場合にはエンジニアなどの技術職が作業を進めます。
そのため、企画職からエンジニアへ仕事が依頼される仕組みがほとんどです。
一部の企業には、企画に対するアイデアを出せるエンジニアが在籍しており、明確に部署を分けていても企画職がエンジニアの意見を会社に提案することもあります。
基本的に「実現したいことを提案する」のが「企画職」、「それを実現する」のが「エンジニア」であると言えるでしょう。では、本来アイデアを提案するはずのないエンジニアが企画を出すことにどんな重要性があるのか解説していきます。
企画もできるエンジニアの重要性
近年では広告の領域において、インターネットを活用する場は非常に多くなっています。
広告企画などでは、企画職がターゲットや広告の概要を提案し、それをエンジニアがWEBサイトやランディングページ、広告バナーで実現する、ということが多いでしょう。
この「ターゲットや広告の概要の提案」という部分から請け負えるエンジニアがいれば、企画職とエンジニアのやり取りにかかる時間や、人材の削減にも役に立ちます。
また、企業の広告管理のシステム化や、業務効率化システムなどの提案をエンジニアが行えることから、エンジニアにしか生み出せないアイデアもあるとされています。
では、現代におけるエンジニアが企画に携わることの重要性について詳しく見ていきましょう。
生産性の向上に役立つ
企画職が提案する内容のなかには、会社に在籍するエンジニアでは実装が難しい場合があります。
社内のリソースでは技術的に実現が難しい企画などは、技術部門が検討し、実現可能な範囲に収められるようにする、外注する、などの調整が必要になります。
そのような工程が必要になると、予算が余計にかかってしまう、リリースするまで時間がかかってしまう、などのリスクが考えられます。
エンジニアが企画を行うことは、「実現可能なものなのか」「どの程度の工数がかかるのか」などを事前にある程度想定できることにもなり、時間や予算の削減に大いに役立ちます。
技術部門が実際の作業をする際にも、実際の作業内容を具体的にほかのエンジニアに伝達しやすいため、生産性の向上にも役立つでしょう。
商品クオリティーの向上に役立つ
作業効率が上がり、エンジニアの生産性が向上すると、空いた時間に技術力の向上を目指すことが可能となります。
また、エンジニアが企画を行うことで社内の技術力を最大限に活用したサービスを開発することにも役立ちます。
一般的な企画職だと技術的な知識に精通していないことも多く、「実現可能なこと」が分からずに無難な企画になってしまう時もあるでしょう。
エンジニアが企画をすることで社内のリソースを活かしきり、これまで以上にクオリティーの高い商品を生み出すことにもつながります。
企画もできるエンジニアになるために大切なポイント
エンジニアが企画を行う場合、その強みは「理想を現実にする手段を知っていること」、弱みは「手段に縛られて現実に走ってしまうこと」にあります。
実現できることばかりを追い求めて、夢や理想を描けなくなってしまい退屈な企画が出来上がってしまうこともあるでしょう。
また、「こんな企画をしました!」とエンジニアが急に提案しても、それをすんなり受け入れてくれる企業は多くありません。
では、エンジニアが企画を提案し、採用してもらうためにはどんなことが大切なのでしょう?
ここからは、「企画もできるエンジニアになるために大切なポイント」を解説していきます。
上司の仕事を請け負えるようにする
いきなり企画を任されるエンジニアはまずいません。まずは第一歩として、企画会議に呼ばれる方法を考えましょう。
周囲にアイデアを話す、企画会議に参加したい旨を上司に伝えるなど、周りへのアピールはもちろん重要です。しかし、それだけでは不十分です。
可能であれば上司や先輩の業務をできる限り引き受けるようにしましょう。
企業において、「自分の仕事を丸投げできる部下がほしい」と考えている上司は多いはずです。それを満たせば企画の情報も集まるうえ、その仕事が認められれば、仕事を一層早く手離すために会議に呼ばれる可能性も高まります。
「会議に出たい」と主張する現場の技術職は今でも多くないため、アピールをしていくことが好意的に受け取られる場合も多いでしょう。
「顧客のニーズ」を把握する
「自分はこんなことがしたい!」ということだけを主張しても、その企画が多くの人に受け入れられることはないでしょう。
それが顧客の抱える課題を解決するものでなければ企画は採用されません。
初めから企画職として働く場合、ニーズの把握やマーケットのリサーチは早めの段階で学べることが多いですが、エンジニアの場合はそうはいきません。
まずは徹底的に「顧客のニーズ」を理解することが大切です。
そのため、初めのうちはできる限り多くの顧客と会って話をするようにしましょう。
顧客によっては技術職が直接話をしてくれることで信頼してくれることもあります。
また、顧客と普段コミュニケーションを取っている営業側からしても、間に立ってエンジニアに要望を伝える必要がなくなるため、技術者が直接顧客とやり取りをしてくれるのは喜ばしいはずです。
「新規顧客といきなり会うのは難しい……」という時も、まずは営業パーソンから顧客の課題を聞き、解決策を考えていくようにしましょう。
そういったことを繰り返していくうちに「直接会った方が早い」となり、客先に同行できる可能性も高まります。
「プレゼン力」を鍛える
さまざまな努力をして企画を提案できる環境が整えられても、社内やクライアントにその魅力を伝えられなければ実際にプロジェクトは動きません。
重要なのは、「予算や人材をかけるだけの価値があることを理論的に伝える」ことです。
これだけの利益が具体的に見込める、こんな最先端技術を盛り込める、新しいターゲットにリーチできる、など、企画の魅力とその根拠をしっかりとアピールしていきます。
また、魅力的なプレゼンをするためには、「相手がやりたいこと」をしっかりと把握しておくことも大切です。
自社やクライアントが目指すところを正確に察知して、それに沿った企画を出すのです。
そこからそのニーズを満たす企画を考え、リリースまでの工程を順序立てて説明し、それに必要な期間を盛り込んでプレゼンを行っていきます。
一般的な企画職よりも、技術的な部分での深い話ができるため、工程や期間、どんなことが実現できるか、などのイメージも根拠を持って相手に伝えることができるはずです。