知っているだけで差が出るマーケティングの基礎知識『4P』とは?

知っているだけで差が出るマーケティングの基礎知識『4P』とは?

「マーケティング」と聞くと、常に数字やデータとにらめっこしている…というイメージを持たれる方も少なくないかもしれません。確かにそのようなデータの分析もマーケティングには違いありませんが、それはごく一部でしかありません。
では他の大多数の部分は何かというと、分析していたデータをもとに仮説を立て、自社の商品を販売するための作戦を立てることなのです。

そして、さまざまなマーケティング手法の中でも「4P戦略」は古くから用いられている最もメジャーなマーケティング手法のひとつです。
4Pとは、製品を意味するプロダクト(Product)、価格を意味するプライス(Price)、流通を意味するプレイス(Place)、販促を意味するプロモーション(Promotion)、それぞれの頭文字を指しています。

企業を経営していくためには売上をあげなければいけません。売上をあげるためには、顧客に商品を販売します。
その顧客とはいったいどのような人たちなのかを明確にし、ターゲット層を絞り込んでいくために役立つのが4P戦略です。

なぜターゲット層を絞り込む必要があるか?という疑問が出るかと思いますが、例えば高級志向の人が廉価版の商品に興味を持つ…ということはあまりないでしょうし、逆に年収400万円程度の人に都心のタワーマンションをアピールしても、現実味がないために関心を持てない、ということもあるでしょう。
近年のヒット商品はターゲット層を明確に設定している商品のほうが成功している、という状況を見ても、有効な手段であるといえます。

この記事の内容はWAKE UPの授業動画で公開中です

目次

ステップ1:プロダクト(製品)を分析して、商品の強みや特長を見つける方法とは?

新商品を販売する際に、他社にはない強みや特長があれば、それを全面に押し出すことで顧客の興味を引くことができ、市場への導入も容易になります。
それでは、どのようなものが製品の強みや特長として市場に捉えられるのでしょうか。

二つのアプローチ方法を使って強みや特徴を見つける方法とは?

市場にはすでに数え切れないほどの商品が存在しています。そのため、製品が完成した後に、すでに市場に流通している商品に対しての明確な強みや特徴を見つけるとなると、難しく感じてしまうと思います。
だからといって、顧客に既存の商品の類似品と思われてしまっては、せっかくの商品も購入してもらうことには繋がりません。
実は、強みや特長を見つけるためには、二つのアプローチ方法があります。

既存の商品に対する強みや特徴が開発時に盛り込まれている。

まず一つ目は、製品の開発段階から意図的に強みや特徴を盛り込んで制作することです。
最初から強みや特徴を作ることを前提としているので、この方法は最も簡単で分かりやすいと思います。
ただ、開発から販売までの間に市場の環境が変化してしまい、せっかくの強みや特徴がなくなってしまう可能性もあるので気をつけなければなりません。

強みや特徴はベネフィットに落とし込んで伝えることで戦略になる

開発時に製品の強みや特徴を盛り込む方法では、すでに強みや特徴が明確なので、そのまま顧客や消費者に伝えるのが良いでしょう。
しかし、単純に製品を「従来品よりも○○」などと売り込んでも、顧客や消費者はピンと来ません。なぜなら多くの場合が、その従来品で満足しているため、魅力を感じないからです。
大切なのは「従来品よりも○○だから~~できる」という、その製品がもたらすベネフィットをしっかりと伝えることです。

商品の販売時に“後付け”で強みや特徴を足す

製品が持つ独自の強みや特徴がないという声も少なからず聞こえてくるのですが、それは間違いです。
確かに市場にある他社の製品と比較した場合、たとえ「小型・軽量化した」「性能が上がった」「省エネになる」と言っても、消費者はあまり大きな差ではないと感じるかもしれません。
そのような場合には、もう一つの方法である「製品を商品として販売する際に付加価値をつける」ということを検討してみる価値があります。

「製品=もの」の販売から「商品=もの+サービス・付加価値」の販売に転換できるか

製品を市場で販売する前に競合の状況を調査することが何よりも重要になります。価格面だけでなくサービスや付加価値も含めた全てにおいてです。
消費者はこれまで以上に商品を買った後の状況の変化や、商品そのものに対するアフターサービスを重視する傾向が強くなっています。
もし競合が「製品=商品」で市場のシェアを築いているのであれば、それを奪う余地は十分にあると言えるでしょう。

事前に差別化した企業と後から付加価値をつけて差別化した企業の成功例は?

強みや特徴を作るということは、市場に存在している既存の商品との差別化を図るということですが、そのことがもたらす効果がどれほど大きいものかも含めて、それぞれの場合の成功例を挙げてみたいと思います。

【実例①】製品の特徴を前面に押し出した「Apple」の新商品戦略

iPhoneやiPadなどの製品を代表として、革新的な技術とアイデアで確固たる地位を築いているAppleですが、それらの商品が私達の生活面に大きな変化をもたらしていることはご存知のとおりです。
ここまでの大ヒット商品を生み出した要因として頻繁にあげられるのが、故スティーブ・ジョブズ氏の新商品発表時のプレゼン力といわれています。ジョブズ氏が「商品の強みが持つ特徴がユーザーにもたらす変化」という視点で常にプレゼンを行っていたことで、消費者や顧客に魅力がわかりやすく伝わり、圧倒的なシェアを築く一因になりました。

【実例②】高級車というカテゴリーの中で可能な限りの付加価値をつけた「レクサス」の戦略

レクサスが登場する前までの国内における高級車市場は、ベンツやBMWなどの輸入者が大半を占める状況でした。それらの車が高性能であることは言うまでもないのですが、輸入車であるがゆえの修理や故障、メンテナンス時の欠点もありました。
そこでレクサスは、レクサスオーナーカードの提示により所有者のみが受けられるアフターサービスを拡充させることで、明確な差別化を図り高級車市場での地位を確立することに成功しています。

競合との差別化が分かりやすいほど購入に繋がりやすい

製品の差別化にはこれまで述べたように二つのパターンが存在します。
つまり「製品が完成するまでの段階で違いを盛り込むのか」「製品が完成したあと商品として顧客が購入する際に付加価値をつけるのか」です。
そしてそのどちらの場合でも、購入することによって顧客の生活において大小に関わらず明確な変化がもたらされることを、顧客自身に認識してもらうことが、特徴や強みになっていくのです。

ステップ2:プライス(価格)を分析して、商品価格を決定する方法とは?

商品の価格を決定することは、市場競争の中で最も頭を悩ませることのひとつでしょう。
単純に価格戦略のみで市場に参入してしまえば、競合との値下げなどによる価格競争は必至で、利益を上げるどころか薄利多売をこなすための生産コストが事業そのものを圧迫してくることも考えられます。

価格競争を避けることができれば、利益や商品価値も下がらずに済む

そもそも値段だけに頼らずに商品価格を決定する方法はあるのでしょうか。
実はある調査結果に、顧客や消費者は、値引きよりも購入する際のポイントプログラムに魅力を感じることが多い、というものがあります。実際にあなたも「ポイント○倍」といったキャンペーンなどが商品購入の決め手となった経験があるのではないでしょうか。
また、市場での不要な価格競争に陥らないことも、価格戦略では必須となってきます。
ここからは値段に頼らない価格設定の方法と、市場で自社の商品よりも安価な価格で競合が参入してきた際の対処法の実例をご紹介していきます。

商品価値=価格だけではない。そこに含まれるサービスも重要視される

ステップ1のプロダクトの章でも少し触れましたが、顧客や消費者は単純に値段だけで高い安いを判断しているのではありません。その値段に含まれているサービスなども加味した「お得感」で判断しているのです。
ということは、いかにお得感を演出することができるのかが、値段に頼らない価格設定の方法であると言えるでしょう。
では、その「お得感」はどのようにすれば顧客や消費者に伝わるのでしょうか。

顧客に対して「商品以外の何を与えられるのか」が価格競争で優位に進める方法

まず言うまでもないことですが、競合が提供している商品の市場価格は徹底的に調べましょう。それをせずに優位に進めることは不可能です。
競合の調査を行った後、おおよその市場価格が割り出せますので、次にその商品を購入する顧客に対してできるサービスがないかを検討していきます。
たとえば、掃除機であれば紙パック、カミソリであればクリームなど、商品を利用する際の付随消耗品などをサービスとして盛り込むこと。また先程挙げたポイントプログラムなども有効な手段でしょう。
これらを盛り込むことができれば、競合より多少値段が高くなったとしてもお得感を演出することができ、顧客の商品購入につなげられます。

競合との価格競争に巻き込まれずに自社の顧客を守る方法はあるのか?

価格戦略の中でもう一つ考えるべき項目として、「不要な価格競争に巻き込まれない」というものがあります。
例えば、現在の自社が築いている市場に対して、競合が優位な価格などで参入してきた場合です。ここで安易に自社も値下げをして同調してしまえば、この章の冒頭でも挙げたように利益は目減りして生産コストを圧迫するだけになってしまいます。
かと言ってそのまま放置していれば、自社の顧客は安い競合に奪われてしまうでしょう。
そのような場合に有効な戦略とはどのようなものでしょうか。

市場を細分化していくことで価格競争を避けることもできる

ここで非常にトリッキーな方法ですが、同時に効果の大きい手法を一つご紹介します。
それは競合の商品と同じ価格帯において、既存の自社商品の廉価版のブランドや商品を立ち上げるというものです。
つまりそれまでの自社商品はそのまま提供しつつ、他社が参入してきた価格が安い市場を、別の商品を販売する機会と捉えて性能や容量を落とした商品を新たに製作して参入していくというものです。
この手法をとれば既存商品の市場を守りつつ、競合他社との競争市場でも遅れを取るという事態にもなりにくくなります。

お得感をうまく演出している企業と価格競争を避けて成功している企業の実例とは?

お得感の演出や人気ブランドなどの立ち上げにより価格競争を避ける方法を挙げましたが、実際にどれほどの効果があるのかを「松屋」と「ファーストリテイリング」を例に見てみたいと思います。

【実例①】大手牛丼チェーン「吉野家」に対抗する「松屋」の価格戦略

大手牛丼チェーン店のシェア1位であった吉野家に対して、松屋は非常にわかりやすい価格戦略を用いて対抗する、という構図が長年続いて来ました。
松屋の牛丼並盛の価格は吉野家よりも10円高いのですが、味噌汁がサービスで付いてきます。現在吉野家で味噌汁が60円で提供されていることを考えれば、牛丼の値段が高くてもお得感があるので松屋を選ぶ、という顧客も多いでしょう。
これを価格を上げることでの販売機会の損失と捉えるのか、サービスの向上と捉えるのかの判断は分かれるかもしれませんが、価格戦略の成功例と言えるのは間違いないでしょう。

【実例②】「ファーストリテイリング」はなぜ「ユニクロ」と「GU」という2つのブランドを持ったのか

ファストファッション業界の先駆け、かつ代表ともいえる「ユニクロ」ですが、2000年代の半ば頃からH&Mやフォーエバー21などの海外のファストファッション企業による日本進出が相次ぎ、業界での競争は熾烈なものとなりました。
国内では確固たる地位を築いていたユニクロですが、海外発の企業はより安い値段でファッション性も高く、ターゲット層も比較的若い年齢に絞られていたこともあり、それらの企業に対抗する必要性が出てきました。
そこで同じように20代から30代にターゲットを絞り、より廉価な商品を提供するブランドとして「GU」を立ち上げることで、既存のユニクロの市場を守りつつ新たな競争市場への参入にも成功しました。

商品価格は「製品+サービス」が原則で、不要な競争は避けるに越したことはない

ご紹介した二つの手法は、不要な値下げ競争を避けることができるとともに、市場におけるブランド価値と顧客を保つ効果がある、ということがわかるかと思います。
販売されている商品に対して、顧客や消費者は、値段だけを見て判断しているわけではありません。
価格戦略の面においては商品価値を保ち続けることが、市場競争を優位に進めていく上で重要なことです。

ステップ3:プレイス(流通)を分析して、販売チャネルを判断する方法とは?

「販売チャネル」という言葉を聞いて何を思い浮かべますか?
一口で販売チャネルと言っても、例えば実店舗での販売であったり、ネット販売であったりと、様々あると思います。販売エリアについても、日本全国で販売するのか、地域を限定して販売するのかなどもあるでしょう。
ではそれらの販売先候補のすべてで商品の販売をすることは本当に良いことなのでしょうか。
ここでは販売手法やエリア戦略などのプレイス戦略について、より効果的に販路を拡大するための方法を見ていきます。

実店舗での販売でもネット販売でも、購入見込み客の想定は必須事項である

実際に新商品の販売をする場合には、既存の商品と同様のチャネルを用いて販売することが多いと思います。また、近年ではより手軽に販路を確保できるという理由から、ネット販売を主軸とするケースも多いでしょう。
しかし、安易に決定してしまえば、消費者需要がある市場に効果的なアプローチができません。
では、どのような手法をとれば最も効率良く販売チャネルを選定できるのでしょうか。

実店舗での販売は、商圏の設定とそこに住む消費者の傾向を詳細に分析して想定する

実店舗での販売を考える場合には、まずその地域に存在する消費者や顧客を分析する必要があります。
つまり顧客自身の所得平均や行動範囲なども含めた商圏の設定です。
店舗販売であればまず顧客に来店してもらうことが何よりも重要になるので、実際にどのくらいの数の来店が見込めるのか、その中から商品の購入につながる顧客はどのくらいいるのかなどを予測しておかなければいけません。

詳細な分析を基にした「購入する候補となる消費者」が多いほど有効なチャネルとなる

既存の店舗での販売を考えているのであれば、その店舗に来店する消費者や顧客のデータはすでに存在してますので、それを利用するのが有効です。
もし新店舗などであれば、商圏の設定や住民の地域性などを想定してデータを集める必要があります。
ここで重要な点は、集めたデータに該当するすべての人が商品を購入する可能性があるということは絶対にないということです。車を持っていない人にカー用品は売れませんし、小麦アレルギーの人にパンは売れません。
しかしそれらはデータを細分化していくことで、非購入者を避けた購入見込み客のデータとなり精度は高まります。
販売エリアにおけるチャネル戦略はデータ細分化が鍵となります。

ネット販売の方が商品競争は実店舗よりも激しいという現実

一方でネット販売の場合は、消費者や顧客が来店しないと売り上げにならないという制約がないこともあり、いっけん優位にも見えますが、実はそれは大きな落とし穴です。
というのも、現在ではネット上で自社の商品を消費者に見つけてもらうこと自体が困難な状況で、最大手のAmazonや楽天市場を見るだけでも相当数の商品が販売されていることからもわかるでしょう。
しかし購入見込みのあるターゲット層を分析した結果、それでもなお実店舗での販売よりもネット販売の方がより販売チャネルとして適していると判断される場合もあります。

消費者自身がネット販売を望む商品であれば、実店舗での販売以上の効果がある

では、ネット販売の方が実店舗での販売よりも適している場合とはどのような状況なのでしょうか。
それは消費者や顧客が実店舗での販売を望まない場合です。商品を買ったことを誰にも知られたくないという場合や、商品自体が大きい・重いなどの理由で持ち帰ることが負担になる場合などです。
ただし後者の場合は、高価な商品であれば実際に自分の目で確認して試したいという欲求のほうが大きくなりますので、必ずしもネット販売が適しているとは限りません。

ターゲット層を細分化してチャネルを決定し顧客を掴んだ実例は?

販売チャネルを決定する場合に最も分かりやすい考え方が、既に顧客や見込み客がいるところに、その客が望む方法で商品を提供する、というものです。
この考え方がわかりやすい「すき家」と「スカルプD」の例を見ていきたいと思います。

【実例①】大手牛丼チェーン「吉野家」に対抗する「すき家」の流通戦略

ステップ2のプライスの項目で吉野家に対抗する松屋の戦略を見ましたが、もうひとつの大手牛丼チェーンであるすき家は当初流通戦略によって吉野家と松屋に対抗していました。
その戦略は松屋と吉野家が駅前の出店がメインであったことに対して、すき家は主要道路沿いなどに無料駐車場を完備した店舗をメインにしたというものです。これは、車での来店客をメインターゲットとした戦略で、車社会である地方にとっては特に有効な戦略とも言えます。
また、車での来店ということでターゲット層を他の二社の「単身男性層」から「ファミリー層」にまで拡大できたことも新たな販売チャネル層を開拓した成功例と言えるでしょう。

【実例②】悩み事は誰にも知られず改善したいという心理を突いた「スカルプD」の流通戦略

悩み事は少なからず誰にでもあると思うのですが、特に自分の身体的な悩みというのは他人の目が気になるものです。これはプライドや自尊心が高い人ほど強くなる傾向があり、できることならその悩みを誰にも知られたくないものです。
薄毛もそのような悩みの一つですが、スカルプDはその心理をもうまくついていて、実店舗で販売することでユーザー自身が「薄毛に悩んでいることが周囲の人に気付かれてしまう」というリスクが起きないようにするために、ネット販売をしています。
これにより購入者の匿名性も守られることが、大ヒットにつながった要因の一つになっています。

ターゲット層がどうやって商品を購入することを望んでいるかに沿ってチャネルを開拓する

商品を販売する際には、誰がその商品を購入するのかを事前にしっかりと想定するだけでなく、そのターゲット像をより具体的に描くことが成功のコツになります。
販売チャネルを的確に絞り込むことが出来れば、新たなターゲット層の開拓や顧客の定着などのメリットにつながることもあるので、うまく活かしていきたい項目です。

ステップ4:プロモーション(販促)を分析して、効果的にアピールする方法とは?

プロモーションと聞くと、真っ先にメディアを使った広告宣伝が思い浮かぶことでしょう。
しかし、販促の手法という意味ではメディアに頼ることがすべてではありません。もしメディアを使うとしても、タイミングや手法を間違えれば、その効果も半減してしまう恐れもあります。
ですので、プロモーションについて分析することは、自社の規模にかかわらず有用なことです。

販促活動は企業によって様々なので、予算の規模は関係ない

そもそもプロモーションとは費用がかかるもの、という先入観があれば、その意識はすぐに取り払う必要があります。どのような商品も、消費者に知ってもらえなければ売れないからです。販促の中で広告が大きな効果をもたらすということは事実なのですが、それ以外にも様々な手法があるからです。
広告に予算がかけられる場合とかけられない場合で、販促戦略は大きく異なってくるのです。

広告費用があればメディアや Web に投資する効果は大きい

販促にかける予算が十分に確保できるのであれば、しっかりとした広告宣伝の計画を立てることが重要です。ほとんどの商品の場合1年を通してみれば販売計画にも繁忙期と閑散期があるので、それに合わせた広告戦略が重要になってきます。
また、メディアの剪定という面でも、テレビや雑誌 Web などのメディアが無数にあるので、ターゲット層に最も効率よくアピールできる媒体を選ぶ必要があります。

不特定多数への広告から、特定のターゲットへの広告に変化している

最近ではマスメディアでの広告宣伝よりも Web を用いた広告がより重視される傾向にあります。また、メディアと現実の両面での PR などクロスメディアによる展開や意図的に口コミを起こす方法など多様化しています。
しかし、これは安易に広告をすれば反響が得られるというものではありません。
しっかりとしたターゲット層の想定を行った上で、その消費者や顧客がとる行動の先に自社の広告があるという状況が理想的なものとなります。

たとえ広告のための予算がなくても販促活動はできる

もし、広告宣伝を行うための十分な予算が取れない場合でも、販促活動が全くできないということはありえません。
なぜなら、販促活動を行うためには少なからず費用がかかるというのは、広告会社が自社の利益を得るために用いる営業の手段に他ならないからです。
実際に広告会社に頼ることなく、自社の工夫で販促を行っている企業は数多くあります。

消費者や顧客と接点を持つことが販促活動となる

例えば路面店などの実際の店舗では、黒板などに手書きで商品の PR をしていたり、あるいは飲食店であれば、おすすめのメニューを書いていたりするものを見かけたことがあるでしょう。これは実際に来店する可能性がある方に向けた立派な販促活動だと言えます。
また、ホームページを持っている会社であれば、ブログやメルマガなどで情報の発信をすることもできますし、自社の社員を使って駅前で商品のサンプリングを行うなど少ないコストでもできる販促活動はいくつもあります。

広告予算が取れる場合と取れない場合の販促活動の実例とは?

広告宣伝にかける予算の大小にかかわらず販促活動ができるということを挙げましたが、参考にしたいケースとして「リクルート」と「磯丸水産」それぞれの実例をご紹介します。

【実例①】メディアとリアルの力を存分に利用する「リクルート」の広告戦略

求人情報誌や不動産情報誌など、数々の情報媒体を運営するリクルートはその広告戦略も非常に特徴的なものとして有名です。広告宣伝はもちろんその媒体ごとに行われるのですが、その業界ごとの繁忙期に合わせてメディアで大量に広告を投下します。
これに向けてはまず、情報を掲載する企業に対して無料施策などを行い掲載数の担保をしておきます。そして広告の露出に合わせて街頭サンプリングなどを合わせて行うことにより、自社媒体のユーザー数向上を図り掲載企業への反響や問い合わせが入りやすいという状況を意図的に作っています。
結果、掲載企業の広告費用対効果も向上するので継続掲載にも繋げやすくなります。

【実例②】特徴的な外観と24時間営業を武器に成長した「磯丸水産」

逆に広告宣伝費用をほとんどかけずに成功した例が、24時間営業の居酒屋チェーンとして有名な磯丸水産です。
派手で特徴的な外観が目を引き、それだけで宣伝効果になったのはもちろんですがもう一つ24時間営業という、たとえそれがお客さんではなく店員であっても常にお店が開いていて誰かがいるという状況は、目の前を通る人にとっては大きなインパクトがあると同時に興味をそそります。
営業していることそのものが販売促進になり、来店の機会を提供しているというのは極めて効果的な方法と言えるでしょう。

プロモーションは明確なターゲット像に向けられる必要がある

プロモーションを行う上で極めて大切なことは、消費者や顧客になり得る人に対してどのような手段を取ることが最も効果的なのかを判断することです。商圏が限られている場合には全国規模での広告宣伝はコストの方が大きくなってしまいます。
ターゲット像の選定とアプローチ手段をそれぞれ別のものとして捉えて、最も効率的な方法を探すことが重要です。

ステップ5:4P分析を用いて、他社よりも優位に商品を販売していくためには?

ここまで「プロダクト(製品)」「プライス(価格)」「プレイス(流通)」「プロモーション(販促)」というそれぞれの項目ごとの戦略や、具体例などを見てきました。
しかし、実際に4P戦略を用いる場合にはそれぞれの項目同士が深く結びついています。

4P戦略は組み合わせて利用することで、効果は大きくなる

例えば、ある新商品を販売しようとする場合、まずは全項目に共通する事項としてターゲット層の選定を行います。
これがもし高級志向の顧客に向けたプロダクトであれば、市場でのプライスは他社よりも高くなります。商品のプレイスは当然高所得者が多く住むエリアの店舗となりますし、高級志向の人が好む媒体でのプロモーションが有効になるという具合です。
このことに関しては実際の例を見ながら分析した方がより分かりやすいでしょう。
例として、ハンバーガー業界におけるマクドナルドとモスバーガーの違いと、新聞業界でも特異なポジションにある日本経済新聞についてそれぞれ見ていきたいと思います。

【実例①】細分化されたハンバーガー市場における「マクドナルド」と「モスバーガー」の違い

マクドナルドとモスバーガーは、同じハンバーガー業界でありながらも、ターゲット層に明確な違いがあることで、それぞれが別の戦略を採用しています。

ファミリー層へのセット商品販売で顧客単価の向上を狙うマクドナルド

マクドナルドのターゲット層がファミリー層であることは、メニューに子供向けの「ハッピーセット」があることからも証明されていると思います。
価格設定はサイドメニューとドリンクを合わせたセット販売が前提となっており、メニュー表記もセット価格が大きく記載されています。出店場所はロードサイドのドライブスルーで利用する客や、大規模商業施設のテナント出演などがメインとなっています。
テレビCMなどの販促面も、子供向け番組ではハッピーセットのおもちゃをPRし、他の番組では期間限定商品のPRをするなどと使い分けています。

高級志向の顧客へ高単価商品を販売するモスバーガー

いっぽう、モスバーガーではターゲット層を味や素材にこだわる高級志向の大人としています。この時点でメニューでマクドナルドとは明確な差別化があります。
味や素材にこだわるというコンセプトは、価格設定が高いことも高級志向の顧客には当然のことと前向きに捉えられており、出展場所もテナント費用が高い大規模商業施設である必要もありません。販促面でもターゲット層を大人に設定しているので、子供向け商品との使い分けなどをする必要性自体がなく、コストを抑えることができます。
このように、いっけんハンバーガー業界という同じ括りで競合していそうなマクドナルドとモスバーガーなのですが、ターゲット層に明確な違いがあるおかげで直接的な競合関係にあるとは言い難い状況にあるともいえます。

【実例②】「日経新聞」の4P戦略はターゲット層の選定から始まっている

日経新聞の場合も、モスバーガーと状況は似ていると言えます。
新聞業界には朝日・読売・毎日の大手3社だけでなく、各地に地方新聞もあり、スポーツ新聞なども発刊されているので競合は非常に多いと言えるでしょう。
その中で「国内の経済情報に特化した新聞」という商品の特性を生かして私とは差別化を図っています。
価格設定は専門紙ということもあり、大手三紙よりも高く設定されていて、これは日経新聞を読んでいるという所有欲や優越感を満たす役割も担っています。
またテレビ CM などの販促面では「日経新聞を読んでいる」ということがステータスになるといった趣旨の内容にしており、この点でも差別化を図っています。

ハンバーガー業界でのケースや、日経新聞のケースのどちらにおいても言えることは、まずターゲット層を明確にしていて、そこに最も適した商品を開発し、価格・流通・販促を最適化していることです。
このことはこれまでに挙げた四つのキーの各項目における実例からも見て取れると思います。

まとめ:4P分析を用いた戦略立案で、販売活動はもっと楽になる!

「プロダクト(製品)」「プライス(価格)」「プレイス(流通)」「プロモーション(販促)」と、マーケティング戦略で頻繁に用いられる4P戦略について詳細な分析方法や使い方、実例などを見てきました。
これらにより自社が販売する商品のターゲット層に合わせた4P戦略を取ることが、いかに重要で効果的なのかということもご紹介できたと思います。

マーケティングと聞くと難しい数字に関することばかりだと思われがちですが実際はそうではありません。
4P戦略のような状況分析などをうまく使いこなして、ぜひ商品の販売に役立ててみてください 。

この記事の内容はWAKE UPの授業動画で公開中です

あなたのキャリアをつくる授業が2000本見放題!

CTA-IMAGE

WAKE UP(ウェイクアップ)は明日から役立つビジネススキルがすぐに学べる、社会人のためのオンライン学習サービス。

  • スキルアップして、仕事ができる人になりたい
  • 同僚に差をつけてキャリアアップしたい
  • ビジネス本よりもコスパ良く効率よくレベルアップしたい

そんなすべてのビジネスパーソンを、応援します。


今なら30日間無料でお試しいただけます

ビジネススキルカテゴリの最新記事