今さら人に聞けないマーケティングの基礎知識『3C』とは?

今さら人に聞けないマーケティングの基礎知識『3C』とは?

マーケティングとは、商品を販売していく上で行う市場分析戦略のトータル的な呼称です。企業もしくは個人で事業を展開していくためには、商品やサービスを販売して利益を上げるという経済活動を行っていく必要があります。
しかしながら、やみくもに商品やサービスを売り込もうとしても、結果は出ず時間とコストを無駄にしてしまったという話も頻繁に耳にします。
このような無駄を極力避け利益を最大化していくためにも、事前に考えられる限りの市場分析を行いそれに基づいた行動戦略を計画し実行していく必要があります。

3C戦略とは、マーケティングを行っていく上では基礎ともいえる戦略の一つです。
顧客を意味する「カスタマー(Customer)」、競合を意味する「コンペティター(Competitor)」、自社を意味する「カンパニー(Company)」のそれぞれの頭文字を取ったもので、主にポジショニング分析をする際に用いられます。

経済活動の大原則は、自社の商品やサービスを顧客が買うことによって成立します。
しかし物が溢れる現代の日本においては、生活していく中で必要不可欠な商品やサービスと言えるものは少なく、生活が今よりも便利になったり豊かになったりすることが目的となる商品やサービスがほとんどです。
マーケティングにおける3C分析は、自社の商品やサービスに対してすでに顧客が所有しているものよりも魅力を感じてくれる人達を探し出し、その周辺に存在する自社商品と同類の商品やサービスを扱う他社よりも優れている点を探し出す作業と言えます。

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目次

ステップ1:カスタマー(顧客)を分析して購買層を判断する方法とは?

現在ほど物が溢れていなかった数十年前には、あらゆる商品に対しての需要が高かったこともあり、顧客の目に触れることが重要な状況で「数打てば当たる」ということもありました。
しかし長く続く不況で消費は落ち込み、さらには供給過多とも言える現在では顧客に対して的確なアプローチをしなければ、買ってもらうことはおろか見向きもされないこともあり得ます。

どのような人たちが自社の商品を買おうとするのかを見極める

顧客が商品を購入する際の判断基準は、主に価格面と品質面によると言えます。その商品がもたらす価値が、商品の価格相応もしくは安いと判断された場合にのみその商品の購入につながります。
ですので、カスタマーを分析するには価格面と品質面の両方からアプローチする必要があります。

価格面から見たカスタマー分析の方法とは?

市場にはあらゆる商品があり、それぞれに対しての適正価格が存在します。
これは、たとえ自社で独自開発した商品であっても、価格面では市場に存在する類似品や同様の機能を持った商品に影響を受けてしまいます。
価格面から顧客を分析するためには、その商品の市場価格の平均値という基準を設け、メインとなっている購買層はその基準よりも高い方を好むのか安い方を好むのかそれとも平均値に近いから購入しているのかなどを見ていきます。

価格面から見たカスタマー分析によってどのような判断ができるのか?

市場で購入される商品の価格は、顧客自身の所得に影響を受けている部分も大きいといえます。例えば5万円の自転車は給料が月20万円の人にとっては高額に感じ、購入を躊躇するかもしれませんが、給料が月50万円の人が同様に感じるとは限りません。
価格面で顧客を分析していくことは、自社の商品がどの所得層から支持されているのかを判断する材料になります。

品質面から見たカスタマー分析の方法とは?

商品の品質といえば、一般的に言えば素材や機能のみが重視されがちですが、アフターケアや耐久性なども含めてその商品を構成するあらゆる要素から分析する必要があります。また、その商品があることによって顧客自身によってもたらされる価値やベネフィットの部分で判断していく必要があります。
「この商品は○○なので」ではなく「顧客は商品の○○という機能があるから」という視点で考えなければいけないということです。

品質面から見たカスタマー分析によってどのような判断ができるのか?

品質面を分析していくことで、顧客が商品のどのような点に対して魅力を感じて購入に至ったのかという購買心理を探ることにもつながります。
また、一般的には品質が良くなれば価格も高くなるので、品質と価格の整合性を保つことに役立つといった面もあります。

市場で行われているカスタマー分析の成功例

それでは具体的な成功事例から、カスタマー分析をどのように行えばよいのかという事例をご紹介します。

価格面から見たカスタマー分析の成功例

眼鏡販売という市場で2010年前後から店舗数や認知度を増やした「Zoff」「JINS」「眼鏡市場」の3ブランドは、市場顧客に対する価格面でのアプローチで成功した企業と言えるでしょう。
これまでは眼鏡に対して「3~5万円する高価なもの」というイメージがありましたが、その三社は5000円均一価格の商品を提供するという衝撃的な取り組みで、衰退産業と見なされていた眼鏡産業に大きな変革を与えました。

品質面から見たカスタマー分析の成功例

ダイソンの掃除機は「従来型の掃除機では経年使用により吸引力が落ちる」という点に不満を持つ顧客の存在に目をつけ、CMのコピーでも利用されていた『吸引力の落ちないただ1つの掃除機』として販売されました。
これは、顧客が抱える問題を品質面などで解決できれば、多少価格が高くても市場があるという代表例と言えるでしょう。

カスタマー分析をすることは市場を選定することにも使える

とある商品を購入する層には一定の傾向が現れてきます。
通常であれば販売をしていく中でデータを集計して分析するのでしょうが、それを逆手にとって事前にターゲット層を絞り込んだ上で販売していくという手法も極めて有効なものと言えます。
カスタマー分析をすることは、どのような顧客層をターゲットにするかという面で重要な役割を果たします。

ステップ2:コンペティター(競合)を分析して競争を優位に進める方法とは?

どのような市場においても競争原理が働いている以上、企業規模に関わらず競合する会社は少なからず存在します。
そして顧客が持つ資源、金銭的な面だけでなく商品を購入する機会なども含めたものが限られている以上、自社の商品に対して競合よりもいかに魅力を感じてもらえるかが購入を左右する大きな鍵になります。

ライバルを正確に把握する必要がある

どれだけ優れた機能がある商品でも、それが他社の商品が持つ機能と同等であれば、競争を優位に進めるためには別の面からアプローチしていかなければ厳しいでしょう。
自社の商品を選んでもらうためには、商品が持つ魅力を顧客に正しくアピールする必要があります。

他社に対しての強みを活かした販売戦略を立てる

自社の商品と他社の商品をそれぞれ細かく分析し、優れている点、つまり「強み」を探します。その強みは顧客から見れば他社にない魅力と感じるので、購入にもつながりやすくなります。
ここでは参考までに「品質」「価格」「流通」「認知度」という4つを例にそれぞれの項目の中でも特にどのような点を分析するべきかを挙げていきます。

品質

既存の製品と比較して、自社の商品が優れている面をあらゆる角度から探していきます。
品質と言うと機能や性能を中心に考えられがちなのですが、顧客が購入を判断する際には、デザインを重視する人もいれば商品に対する保証の有無やアフターサービスを重視するといった人もいます。
どんなに細かい点でも良いので、客観的に見て優れていると判断できる点があれば、それは強みになる可能性を秘めています。

価格

ステップ1のカスタマーの項目でも触れましたが、市場価格に対して自社の商品が高いのか安いのか同程度なのかを比較します。
他社商品よりももし高いか同程度であれば単純に値引きするのも一つの手法ですが、複数購入による値引き、他商品とのセット販売、サンプル品や付随品のプレゼントなど、お得感を伝えるなどの手法も検討できます。
また最近多いポイント還元なども価格戦略に分類されます。

流通

流通に関しては「どこに」住んでいる顧客に、「どうやって」販売するのか、という販売チャンネルを考える必要があります。
これには、工場への配送の都合上、地域により商品の取り扱い先が少ないなどの成約が出てくることもあるかもしれません。
しかしそのような場合でも、たとえインターネットの直接販売のみでも、「○○でのみ限定販売」と逆手にとることで貴重性を演出して強みに変化させることもできます。

認知度

一般的に商品の購入に際しては、顧客自身がその商品に関することを事前に知っているかが大きく関わってきます。消費者の心理として、知らない商品を買う不安よりも、知っている商品を買う安心の方を好むのは当然です。
しかしここにも、年齢層・性別・地域差などの項目で細かく分類していくと認知度に差が出てきます。
認知度が高い層や地域ほどメインターゲットにすべき強みであることが多いのでしっかりと見極める必要があります。

他社の戦略を把握して独自戦略を狙う例

例えば、先程挙げた流通における販売チャンネルに関しては、駅前店とロードサイド店では同業種かつ同じような商品価格品揃えであっても、来店する客層が違うため共存できるケースも多く存在します。

立地が違えば客層が異なるという例

これは有名な例なのでご存知の方も多いとは思いますが家電量販店のビックカメラやヨドバシカメラは主要ターミナル駅周辺への出店が多いのに対し、ヤマダ電機は当初は地方の大通り沿いなどへの出店がメインでした。

複数の分析を組み合わせて新たな市場を発見した例

牛丼チェーンのすき家は、販売チャンネルと顧客の要素を組み合わせて全く新しい市場を開拓することに成功しています。
先行していた吉野家や松屋は駅からの徒歩圏内に出店することが多く、店内もカウンターのみの営業、メイン顧客はサラリーマンや学生などの男性でした。
そこへすき家は郊外の大通り沿いや、大型商業施設の近くなどに出店し、店内にテーブル席を設けターゲットをファミリー層としたのです。すき家のこの戦略は大きく受けて現在では吉野家をも凌ぐリーディングカンパニーになっています。

コンペティターを分析することで戦略の幅が広がる

孫子の言葉に「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」というものがあります。
競合を分析して研究するからこそ、強みを武器に戦うことも出来ますし、争いを避けてまっさらな市場を開拓し独自性を発揮することも可能になるのです。

ステップ3:カンパニー(自社)を分析してポジショニングを確立する方法とは?

市場でポジショニングを確立することができれば、商品の販売を楽に行うことが可能になります。それは顧客一人一人からの信頼を得ているのと同時に、他社よりも優れている、魅力的であると認識されているからです。
またその市場において確固たる地位を築いてしまえば、競合が参入する余地もほとんどなくなるので事実上の独占状況ということもありえます。

顧客・競合からそれぞれどのように見られたいのか?

理想のポジショニングというものはしっかりとした計画の中で構築されていきます。
というのも、一朝一夕でできるものではなく、しっかりとした年月をかけて顧客や競合に認識されていくものだからです。また、そのポジションも各段階で異なってくるので、道筋を描いておくことは重要なのです。

顧客からどのような存在と認識されたいのか?

段階別に考えると、最初の段階は「認知してもらう」ところから始まります。そこから競合と比較して「選ばれる存在」になり、最終的には商品のリピートはもちろん、自社のファンになってもらい、他の商品なども購入してもらえる存在になることが理想です。

競合からどのような存在と認識されたいのか?

段階別に見ていくと、顧客の場合と同じく競合として認知されることがスタートなのですが、そこから一歩進むと自社の商品やキャンペーンなどを意識した競争の激化という段階に入ります。
その後、自社が競合に対して圧倒的に優位を築いていれば競合は撤退したり傘下に入ったりもしくは協力会社になるなど市場を独占する機会が訪れることもあります。

現状では顧客・競合からそれぞれどのように見られているのか?

これまで理想と計画性を持つことが重要だと説明しましたが、現時点でのポジションを認識しておかなければ、計画を実行することはできません。
自社が置かれている状況を把握することは、計画を実行していくにあたり極めて重要なことです。

顧客からどのような存在と認識されたいのか?

ポジショニング計画の中で、現在どの段階にいるかを把握します。
もちろん、商品の販売当初から熱心に購入してくれているというファンの方もいるでしょうが、大部分の顧客の意見や市場からの評価をもとに冷静に判断しなければなりません。
もし偏った判断をすれば、間違った施策などをしてしまい顧客が離れていく可能性もあります。

競合からどのような存在と認識されたいのか?

競合がどのように見ているかは、競合自身が取る商品戦略から推測することが可能です。
例えば、自社商品と同じような商品を低価格で販売してきたりした場合には、自社の市場シェアを奪いに来ていると判断できますが、上位互換や下位互換の商品を販売してきた場合は競争を避けている場合も考えられます。

顧客・競合それぞれに対する分析で理想と現実のギャップをなくす

理想のポジションに対しての現状がもし計画通りであれば、そのまま邁進していけば良いのですが、そこにギャップが存在しているのであれば、少なからず修正を加えていく必要があります。
ポジションを確立することは顧客に対しても競合に対しても唯一無二の存在になることであり、ひいてはブランディング戦略の際の基礎にもなります。
自社を分析するということはそれだけメリットも大きいのです。

ポジショニングが成功しブランディングにつながった例とは?

あらゆるジャンルにリーダーと呼べるブランドは存在しているのですが、その中でも最も成功している企業の一つが Apple でしょう。
テクノロジーの分野において常に革新的な技術によって生活スタイルそのものを提案するというポジションは「アップル信者」とまで呼ばれる熱狂的なファンを生み出し、他の企業の追随を許さない唯一無二のポジションとなっています。

カンパニー(自社)分析を基に計画立案することの必要性

私たち個人が成長していこうとする際に、自己分析が必要であるのと同じように、企業も成長していくためには自社を分析することが不可欠です。
現在位置を確認して成長計画と照らし合わせながら、着実にポジションを築き固めていくことが、理想的な市場からの認知につながります。

ステップ4:3Cを用いたマーケティングミックスの手法とは?

マーケティング戦略を立てる場合は4P戦略という製品を意味する「プロダクト(Product)」、価格を意味する「プライス(Price)」、その名の通りの「プロモーション(Promotion)」、流通を意味する「プレイス(Place)」を中心に考えられるのですが、それぞれの項目を細分化すると全てにおいて3Cの要素が存在しています。
それらの要素を組み合わせることで、ポジショニングの構築につなげていきます。

マーケティングミックスの実例

コーヒー業界ではシアトル系のコーヒーに続く新しい波としてサードウェーブコーヒーという業態が話題となっています。
サードウェーブコーヒーとは、新しいビジネスとカルチャーが一つになって確立している時代、コーヒーの生産地への配慮や価値などが注目されるようになり、コーヒーがカップに運ばれるまでのトレーサビリティ、豆の素材や入れ方など各々の工程にこだわるスペシャルティコーヒーが注目されています。
昔ながらの喫茶店やシアトル系のコーヒー店と顧客需要という面では競合するのですが、4Pマーケティングミックスを用いることで独自のポジションを確立することに成功している良い例と言えるでしょう。では、それぞれに対してどのような戦略がとられたのでしょうか。
サードウェーブコーヒーの代表でもあるブルーボトルコーヒーを取り上げて見ていきたいと思います。

カスタマーに対し「プロダクト」「プロモーション」「プレイス」でターゲット層を明確にする

顧客に対するアプローチ戦略では、ターゲット層を明確に設定しています。
それを簡潔に言い表すと「強いこだわりを持っていて、そのためには多少の出費や労力は惜しまない層」です。そのため、プロダクトに対するこだわりを前面に出してプロモーションしています。それが見事に的中し Instagram などで広まり大人気となりました。
また、1号点が都内の中心地ではなく清澄白河というマイナーな地域であったことも貴重性があり逆に興味を引いたポイントです。

コンペティターに対し「プロダクト」「プライス」「プレイス」で独自性を出す

店内の作りはシアトル系と同じようなオシャレな雰囲気で、喫茶店と同じようにコーヒー豆にこだわり、ペーパードリップした「プロダクト」をサーブするという、競合が持つ特徴を出すことで新たな価値を生み出し独自性を築いています。
また「プライス」は今日よりも若干高めに設定されていますが、これも「プロダクト」の商品価値を高め高級志向を演出するという役割を担っています。

カンパニーを演出するために「プロダクト」「プロモーション」「プレイス」を利用する

ブルーボトルコーヒーの第1号店が出店したのは清澄白河ですが、これも戦略上で大きな役割を果たしています。というのも、清澄白河は都内でも有数のコーヒー豆の焙煎を行う店舗が集中している地域なのです。
コーヒーの素材、「プロダクト」にこだわるというイメージを作るためにこれ以上の適した「プレイス」はないでしょう。
コーヒーが好きな人が集まる街に店舗を出すので、「プロモーション」においても大々的に広告をしなくても口コミで拡散し、話題になったところでメディアが取材してくれ一般の顧客にも広がり集客に繋がって、ブランドが形成されていくという構図が見えます。

販売計画を立てる上で3Cを使う意義

ブルーボトルコーヒーの例を見ても、3Cを使うことで「ターゲット顧客の明確化」「競合との差別化」「ブランドの構築」といった戦略に活かせることが分かると思います。
これらの全ての項目がオープンする前の段階でしっかりと確立されていたことが、成功の要因とも言えるでしょう。

3C戦略を利用する場合の注意点とは

ステップ4では3Cを用いたマーケティングミックスの手法を、実例を参考に見てきました。
ここで注意しなければならないことがあるのですが、ターゲットとする顧客が変われば多くの場合で競合も変わってきます。
また自社の商品ごとに顧客の層も違ってくる場合も多くあります。そして競合によっては、自社の戦略変更が余儀なくされることもあります。
つまり3Cは全て相互関係の中で成り立っているのです 。

まとめ:3Cはポジショニング分析やブランディング戦略のフレームワークとしても使える

マーケティング戦略においての3Cを利用した場合にもたらされるメリットとして、カスタマーを明確にすることで商品を販売しやすくなること、コンペティターを分析することで強みを生かす戦略やブルーオーシャン戦略が可能になること、カンパニーを理解することでポジション構築につなげていく方法などを見てきました。
そして、それぞれが相互に作用し合っているからこそ、カンパニーのポジション分析にはカスタマーとコンペティターの要素が重要になることも挙げています。
3Cは商品の発売時だけでなく様々なタイミングで分析していくことで、より強固なブランディング戦略の基礎を作ることができます。

是非あなたが扱っている商品や、あなたの会社も3Cで分析してみてください 。

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