【第1話】俺、働く必要ありますか?サラリーマンとかめんどくさい

【第1話】俺、働く必要ありますか?サラリーマンとかめんどくさい

 

実際の就活や仕事に使える知識やスキルをストーリーで学ぼう!

【WAKE UPストーリー】毎週金曜日更新中

今どきの大学生、林が紆余曲折を経て成長していく様子を描いた、就活生~新社会人のための、連載型スキルアップコンテンツ。

登場人物紹介(※クリックで拡大)

 

たけだー。今日授業終わったら、飯食いに行かね?
武田
あー、ごめん。今日午後から面接入ってんだよ
また就活かよ。最近バンドの練習も来ねーし。もう解散だな。俺ら
武田
そう言うなって。俺だって就活したくてしてるわけじゃねーし、地元には帰りたくないから、こっちで仕事見つけないと親もうるさいんだわ
俺だって親からは面接行けって言われてるけどさぁ。俺には夢があるんだ
武田
夢??
今は言えねーよ。言ったら叶わないだろ

 

こんなとりとめのない会話をしている俺と武田。

武田に出会ったのは、大学入学後のオリエンテーションの時だった。
最初は訛りがきつくて何を言っているのかも分からない時があった。本人もどうやら気にしていたらしく、あまりあいつがクラスの人間と話しているところを見たことはなかった。

ただ、武田はもともと地元では、かなり人気のバンドを組んでいたらしい。
その自信や、音楽が好きだという主張が体からフツフツとあふれ出ている。クラスでも異質な存在だった。もしかすると、武田が訛りを気にして話さなかったのではなく、周囲が近寄れなかったのかもしれない。

武田はかなりの自由人だ。

急に1カ月いなくなったと思ったら、インドで沐浴しているという連絡がきたり、夜中に急に呼び出されて行ってみたら、知り合いでもない人たちと10人以上で飲んでいたり、というようなことだってあった。

 

俺は、武田にあこがれていたのかもしれない。
自分の芯は決して曲げない。そして、自分が気になったことへの探求心。何よりも自由。
こんなやつになりたい。と心のどこかで思いながらこの3年を過ごしていた。

ただ、そんな武田も、いつのまにか型にはまってしまった。

就職なんて絶対しないで世界を飛び回るだろうと思っていたのに。

本当は俺に夢なんてない。バンドも軽い趣味程度だ。さっきの話はただの言い訳だ。夢と言えば許される気がした。誰に許してもらいたいわけでもないが。

なんとなく過ごして、気付いたら3年。      
それは武田も同じだと思っていた。
何も残してこなかったけど、毎日が楽しく充実感だってあった。

あー、ちょっと前までは純粋に楽しめたのになあ。そんな回想にふけっていると、

 

武田
言えよ。夢は口にしないと叶わないぜ
俺の考えとは違うな
武田
ハハ。まあいいけどさ。最近面接でよく聞かれんだよ。会社に入ってからの目標とか夢は? って

 

武田と話していても最近苦しくなるのは、就活という現実を突きつけられるからだ。

 

なんて答えてんの?
武田
んっ? まずは新卒でトップになることです。って答えてるわ

 

……驚いた。

こんなこと言うやつだっけ。最近まで一緒にバイトして、飲んで寝てを繰り返していたやつが。

 

お前、そんな上昇志向だったっけ?

 

思わずきつい口調で問いかける。

 

武田
いや、そんなことねーよ。自由に世界旅行とか行ける身分になりたいだけ

 

意味が分からない。就職するんだろ。自由なんてなくなるに決まってる。

 

武田
林さ、俺は、すっごいお金持ちになりたいとか、某IT系の社長みたいに、高級車乗り回して、いい女連れ回してっていう生活がしたいわけじゃないんだよ。それでも、まあ、俺らって生きていくためには、お金が必要みたいなんだよな
けどさ、生活費ぐらい今でもなんとかなってんじゃん。それなら好きなことやりながら飯食ってけたほうが楽しいだろ
武田
そりゃなあ。短期ならそうだよ?20代までとか。けど、俺はもっと歳とってからも、自由に生きたいんだよ。この前、大人になるとかかるお金、って記事を読んだんだけどさ、大体生涯でかかる生活費っていくらだと思う?
んー、まあ、3億くらい?
武田
おー、さすがだな。大体2億7千万らしいのよ。そして、だ。
今受けてる会社の初任給なんて30万もいかないんだよ。そう考えると、もし給料上がんなかったら、90年かけてやっと生活費が稼げるってことだろ。こりゃ地獄だなって思ったんだよね。だから俺は出来るだけいい企業に就職して、とにかく早く2億7千万稼いで、自由になりたい
なるほどな……

 

武田がここまでいろいろ考えて動いていたなんて、知らなかった。
俺は、自分の親父が目的もなく働いているように見えて、社会人って窮屈そうだな、働きたくないな、と思っていた。
でも実際は違ったのかもしれない。
親父も、生きていくために、俺たち家族を守るために、無理して働いていたのかもしれない。

 

けどさ、武田。お前どうやって会社とか選んでんの?俺どこも興味わかないんだけど

 

俺が就活の話題を振ったことに、自分でも驚いた。

今まで、できるだけ就活の話題には触れないようにしていたはずなのに。

 

武田
あー、俺はさっきも言った通り、早く昇格して早くいい給料もらってリタイアしたいから、スピードとか結果主義みたいな会社ばっか選んでる
なんかブラック企業っぽいな
武田
そう言うなって。普通の会社も結構あるんだぜ。仕事内容も新しいことやってたり、出張で東南アジアとかにも行けそうだし
そうか……。けど、俺はお前みたいに趣味らしい趣味もないし、平々凡々と過ごしていきたいわ
武田
そういう生き方もあるよな。仕事って考えるとめっちゃ重いものとか、嫌だなーと思うけど、生き方を考えて仕事選びすれば、少しは気が楽になるかもしれねえよ、一回キャリアプランとか考えたら?
キャリアプラン??
武田
簡単に言っちゃうと、どんな役職に就いて、どのくらいの年収にしていくか、みたいなことを考えていくもんだな。最近ではJOBキャリアって言って、どんな仕事に就くかっていうことも結構重要になってるらしいぜ
へー、JOBキャリアねえ……もし働くなら、大企業がいいとか有名な会社ならいいって俺は思っちゃうけどね。まー気が向いたら調べてみるわ
武田
おう。じゃあ、そろそろ面接の準備しなきゃいけないから行くわ。来週の月曜なら面接ないし、久々に飯行こうぜ
おっ、いいね。んじゃとりあえず頑張って来いよー、就活生さん
武田
おう、頑張ってくるわ!

 

皮肉を込めて言ったつもりが、あんなに爽やかに返されると完全に拍子抜けだ。

ただ、心の中で『俺も就活をしなきゃな』となんとなく感じていたものが、より鮮明になった気がする。まだ動く気にはなれないけど。
ちょっと調べていこう。

しかし、この気付きの遅さが後悔につながることを、当時の俺はまだ知らなかった。

 

次回へつづく   

【第2話】俺って誰?俺が俺を一番わかっていなかった件

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