MBAでは教えてくれない、本当に大切な「リーダーシップ」とは

MBAでは教えてくれない、本当に大切な「リーダーシップ」とは

ビジネススクールで教えるMBA(Master of Business Administration)とは、経営学修士と呼ばれ、経営学の大学院修士課程を修了すると与えられる栄誉ある称号です。

欧米では、大手企業CEOの約4割がMBA取得者と言われており、ビジネスパーソンにとって必要な思考やスキルを身につけるために有効な学問であり、資格です。

日本でも一時期、多くのビジネスパーソンがMBAの取得に挑戦し、大手企業では上級管理職に会社から高額な学費を出してでも取得させたい資格として、MBAブームと言われたこともありました。

私の場合、日々のビジネスはこれまでの経験をベースにそれなりにできていたので、MBAに対して憧れこそありましたが、どこか遠い世界の資格でした。

しかし、今のビジネスを立ち上げることにした50歳の時、それまでの経験だけでは不安に思い、思い切ってMBAに挑戦することにしたのです。

今から13年前のことになります。

結果として、私にとって大学院でのMBAの経験は、とても刺激的な2年間であり、ビジネスを進めてゆく上で、大変役立つ学びが沢山あった貴重なものとなりました。

MBAの批判

2006年にカナダ・マギル大学デソータル経営大学院のヘンリー・ミンツバーグがMBAの批判とも思える『MBAが会社を滅ぼす : マネジャーの正しい育て方』(原題 “Managers Not MBAs”)という題名の本を出版しました。

当時としてはMBAブームに警鐘をならすような刺激的な題名でしたので大きな反響を呼びました。

私も読みましたが、MBAが役に立つ、立たない、悪いと言っているわけではなく、MBAで行っていることをどう実際のビジネスに活かしていけるか、そんなことを考えさせられるヒントが多々ありました。

例えば、

「マネジメント教育は、現役マネジャーが現場に属した状態で行うべきだ」

「本人の経験をもとにしたフィードバック型のカリキュラムであるか」

「理論はあくまで本人が経験したことを省察し、後に再構成するために活用する」

という主張などです。

一般的にビジネススクールでは、フレームワークを使ってビジネスの状況分析をし、ケーススタディを使って様々なビジネスシーンにおける戦略策定や意思決定を行います。

しかし、これらは教室の中で行う疑似体験にすぎません。

MBAに限らず、理論や事例で学んだことを実際に試してみて、そこで得た経験から内省し、さらに経験を積み上げてゆかなければ学んだ経験は無駄になります。

MBAで学ぶ経験学習

「経験学習理論」という考え方がありますが、MBAのような高度なビジネススキルであっても、現場でその理論を自分のスキルとして身につけるためには、この考え方が有効です。

何らかの経験をした時、その経験が良かったのか悪かったかをふり返ることが必要です。

これを「省察(内省)」といいます。経験から、失敗したり、目標とする結果にならなかったり、上手くできなかった原因を探り、どうすればよかったのかを振り返ります。

一般的にはこれを「反省」と言います。

しかし省察は、成功したり、目標が達成できたりした時こそ、なぜ上手くできたのか振り返ることです。

この反省だけでなく、成功も含めた省察を行うことが大事なのです。

例えば、「何がいけなかった」だけでなく、「次はどうすれば良いのか」。

また、「何が成功した」だけではなく、「この成功は次に続けられないのか」など、この省察によって自分の考え方を多様な視点から振り返ることができます。

このように「経験」し、「省察」したら次のサイクルとして、「コツをつかむ」ということを考えます。

「概念化」とも言いますが、自分なりの「考え方」を考えるということです。

ここまで考えれば最後は実行することで、経験学習理論はサイクルとして一巡します。

つまり、「経験」して「省察」し「コツを考え」「実行」したら、この経験からのサイクルを繰り返しながら学んでゆくというプロセスになります。

成長するビジネスパーソンの学び

MBAでどんなに素晴らしい学びや気づきがあっても、ここで得た知見を実務に活かすことができなければ、学びは無駄になります。

MBAで知識は得られても、その知識を活かすためには、実際のビジネスの中で、実行し、振り返り、コツを活かし、新たな経験を繰り返すことで成長してゆけます。

さらに、これからの社会では、人が考えなくてもAIやロボットがビジネスシーンで人間の代わりに考えてくれるようになってゆくことが予測されます。

従って、何も考えなければ人間の考える能力は退化してしまいます。

先ほどの経験学習で述べたように、人間は、経験から得たことを、自分のモノに変える力を持ち、自分で成長できる力を持っています。

このような自己成長する思考が重要です。

今こそ、リーダーは自分で考え、判断し、行動する力が必要なのです。

誰かの判断で動くのではなく、自分の判断で動けるリーダーになることが必要です。

優れたリーダーとなるための、さらなる学び

確かに、売り上げと利益を上げている企業は、ビジネスを成功させていると言われます。

否定はできません。しかし、売り上げや利益を上げることだけをMBAで教えているわけではありません。

ビジネスの継続、何よりもリーダーとして、人として成功するための思考や意識に特化した、人間形成の教育を重視する方向もでてきています。

優れたリーダーになるためには、ある程度の知識と実践が必要です。

ところがこれからの3年、5年、10年とビジネスが進化する速度は、今までとは比べものにならないほど、はるかに速い速度で成長することが推察されます。

リーダーとしての経験が長さではなく、その意志があれば、リーダーシップを誰でも身につけることが可能になります。

5回にわたって3年後のリーダーシップを考えてきましたが、自身の考え方次第でだれもが成功するリーダーシップを発揮できます。

是非ともビジネスで成功して下さい。

 

 

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近未来を見据えたリーダーシップ第1~5回

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下山博志

日本マクドナルドで32年間勤務。企業内大学を含む全社の人材育成の責任者となり、13万人を擁する幅広い従業員層に対する人材育成の仕組みを浸透させ、『2003年度日本能率協会人材開発優秀企業賞本賞』を受賞。

全世界共通の教育戦略プロジェクトにはアジア地域代表として参加した。

2004年に退社後、人材開発の総合プロデュースを行う株式会社人財ラボを創業。

上場大手企業から中小企業まで幅広く、人事・教育に関する戦略を支援し、企業内大学構築、リーダーシップ開発、マネジメント能力育成などの提供を行っている。

世界最大規模の人材開発非営利組織ASTD(現ATD)日本支部設立に寄与し、ATDインターナショナルメンバーネットワーク・ジャパン副代表ほか、熊本大学大学院教授システム学非常勤講師、NPO法人日本イーラーニングコンソシアム理事、神奈川県総合教育センター顧問アドバイザーなども務める。

2013年からは、システム開発を行う株式会社創新ラボの会長も兼任し、教育とICTの融合を図るラーニングテクノロジーを推進している。

早稲田大学大学院技術経営学(MOT)修士 

主な著書

著作

 

監修

共著

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