保険料が高い方が得!?厚生年金保険料の計算の仕方を知ろう

保険料が高い方が得!?厚生年金保険料の計算の仕方を知ろう

月々の給与から控除される厚生年金保険料について、「本当に年金がもらえるかどうかもわからないのに高すぎる!」と不満に思っている方もいるかもしれませんね。

でも、実は厚生年金は、いざというときのセーフティネットとしてとても優秀なものなんです。

保険料が決まる仕組みや、どういうときに役立つものなのかについてご説明します。

厚生年金保険料の計算の仕方

厚生年金保険料は、所得税のように毎月引かれる金額が変わるわけではありません。一体どのように決まっているのでしょうか?

給与

給与から引かれる厚生年金保険料は、標準報酬月額に保険料率をかけることで求められます。

厚生年金の標準報酬月額とは、毎月支払われる給与額を1から31までの等級に区切ったものです。

たとえば、給与額が20万円の場合は、14等級(195,000円~210,000円)に該当します。

賞与(ボーナス)

賞与にかかる社会保険料を求めるときは、賞与額の千円未満を切り捨てて標準賞与額を求めます

この標準賞与額に、その年の厚生年金保険料率(2018年現在は18.3%です。事業主と社員が折半して負担することになっているので、社員の負担分は9.15%となります)をかけることで、賞与の厚生年金保険料が決まります。

つまり、賞与が50万円だったら、差し引かれる厚生年金保険料は45,750円ということになります。

なお、「賞与」とは、支払回数が年に3回以下のものを指します。年に4回以上支払われた場合は「報酬」とみなされて、合計額を月々の給与に上乗せして社会保険料の計算を行います。

退職金

退職金には、厚生年金保険料はかかりません。退職金は、月々の給与や賞与に比べて高額になることもありますから、保険料がかからないというのは嬉しいですね。

退職金については、所得税も大幅に減税される制度になっているので、それほど大きな控除をされずに受け取ることができるのです。

厚生年金保険料を決める「標準報酬月額」の定め方

厚生年金保険料の計算をする基礎となる標準報酬月額は、毎年1回の「定時決定」と、基本給や手当などの毎月必ず支払われる賃金の額が変わった時に行われる「随時改定」によって決まります。

4、5、6月の給与で決まる定時決定

定時決定は、4、5、6月の3か月間の給与の平均額から標準報酬月額を求める方法です。

これには、基本給や手当などの固定賃金と、残業代などの変動賃金、通勤費が含まれます。ただし、半年分などを一括で支給されている通勤費については、ひと月分をそれぞれの月の給与に加算します。仮に4、5、6月以外の月に通勤費がまとめて支給された場合も同様です。

一方、営業交通費など、仕事で使ったお金の清算金額などは含みません。また、4、5、6月の間に賞与が支給された場合でも、賞与額は含まずに計算します。

たとえば、4月に支給された給料が23万円、5月が21万円、6月が24万円で、3か月分の通勤定期代として別途2万5千円支給されている人は、(23万円+21万円+24万円+2万5千円)÷3=23万5千円となります。この場合の標準報酬月額は24万円(16等級)です。

(参考)厚生年金保険料額表(平成29年9月分~)[PDF]

定時決定で決まった新しい標準報酬月額は、9月分の厚生年金保険料から適用されることになります。

なおこのほか、社員の同意があれば、1年間の平均で定時決定のときの標準報酬月額を求める「年間平均」という方法をとることもできます。会社から同意を求められたら、メリットがあるのかどうか説明をよく聞いて検討しましょう。

固定給が変わった時の随時改定

定時決定は、原則として毎年すべての社員に対して行われるものですが、随時改定は固定的な賃金が変わったときにだけ行われます

たとえば、基本給毎月支払われる手当通勤費などです。こういった項目の支給額に変更があって、なおかつ標準報酬月額の等級が2等級以上変わる場合に、随時改定が行われます。

2等級以上変わるかどうかの判断は、固定給だけでなく残業代なども含めて行われます。ただし、固定的な賃金が上がったのに等級が下がる場合や、固定的な賃金が下がったのに等級が上がる場合は随時改定は行われません。

随時改定では、固定的賃金が変わった月から3か月の平均か、年間平均によって標準報酬月額を決めます(年間平均を利用する場合は、一定の要件を満たした上で社員の同意を得る必要があります)。この場合の保険料は、固定的賃金が変わった4か月目から変更されます。

また、4、5、6月のいずれかに固定的賃金が変更になって随時改定をすることになった方(7、8、9月に随時改定の結果が反映されることになる方)は、定時決定の対象外で、随時改定だけが行われます。

厚生年金保険料は高くなると得!?

定時決定や随時改定で厚生年金保険料が高くなると、「保険料が上がってしまった」と不満に感じる方もいるかもしれません。しかし、厚生年金保険料が高いことで得られるメリットもあります。

将来もらえる年金額が増える

将来の年金額は、「標準報酬月額」と「標準賞与額」の平均に、経年によって変わった貨幣価値の調整を加えて決まります。つまり、標準報酬月額が高ければ、それだけもらえる厚生年金額も高額になるということです。

もしもの時の保障が手厚い

厚生年金保険料を払うことでもらえる年金は、老齢年金だけではありません。障がい者になってしまったときの「障害年金」や、万が一のときに遺族に支払われる「遺族年金」にも、「障害厚生年金」や「遺族厚生年金」があり、国民年金だけに加入している場合よりも手厚い給付が受けられます。

障害年金や遺族年金がいくらもらえるかも、標準報酬月額の平均によって決まります。そのため、厚生年金保険料を多く納めている人の方が、受け取れる年金が高額になるのです。

休職したら厚生年金保険料はどうなる?

会社に長く勤めていると、いろいろな理由で休職することもあります。そのようなときは、厚生年金保険料はどうなってしまうのでしょうか? 休職中は収入が減ってしまいますから、厚生年金保険料についての不安を感じる方もいるでしょう。どういう制度になっているのか、あらかじめ知っておきましょう。

傷病休暇を取得した場合は支払う必要がある

病気や怪我で傷病休暇を取得した場合でも、厚生年金保険料は免除になりません。休業前の金額を継続して支払うことになります。

産休・育休中は支払う必要なし

産休や育休で仕事を休んでる間は、厚生年金保険料が免除されます

そのため、産休中、育休中に支払われる出産手当金や育児休業給付金から厚生年金保険料が控除されることはありません。

また、産休中や育休中にボーナスが支給された場合も、厚生年金保険料はかかりません。将来年金をもらうときも、この免除期間は「保険料を納めていた期間」として扱ってもらえるので、とてもお得な制度です。

この免除制度は、会社が日本年金機構に届出を出すことで受けられます。社員自身が手続きをする必要はありませんから安心してください。逆に、「育休中なのに社会保険料が控除された!」というときは、会社に問い合わせてみましょう。

ただし、その月の給与から差し引かれている厚生年金保険料が「前月分」の可能性もあります。

たとえば3月3日から産休に入った場合、3月分の厚生年金保険料から免除されることになりますが、3月に支給される給与からは、2月分の厚生年金保険料が控除される可能性があるということです(その月の厚生年金保険料をいつの給与で控除するかは、会社によって異なります)。

まとめ

毎月多額の厚生年金保険料を払うのが嫌だという方もいるかもしれませんが、厚生年金制度は、もしものときの備えとしても役立ってくれるものです。安心して働いていくためのセーフティネットでもあるので、前向きに考えるようにしましょう!

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