「社員は会社に貢献しなければならない」
このような言葉は日本社会でよく聞きますが、「会社に貢献する」とはどのようなことを指すのでしょうか?
多くの人が、分かっているようで分かっていないのが、この「会社に貢献する」ということの意味です。
今回は、個人が会社に貢献するというのは、具体的にどのような内容を指すのか、ということについてまとめました。
ただ働くだけでは会社に貢献しているとは言えない
日々、与えられた仕事をこなして定時に帰宅。そして、次の日、また仕事へ――。
「働いているんだから会社に貢献してるでしょ?」
このように考えている人もいるかもしれませんが、ただ働いている、というだけでは必ずしも貢献度が高いとは言えないでしょう。
個人が会社へ貢献するということを真剣に考えるならば、それだけではなく「プラスα」を意識する必要があります。
利益を上げることが会社に貢献するひとつの方法である
では、具体的に会社に貢献する、というのは、どのようなことを指すのでしょうか?
これに関してはさまざまな意見があると思いますが、大きなポイントのひとつとして“利益を出す”ということがあります。
どんなに真面目に働いていても、従業員が利益を出せなければ、会社を存続させていくことはできません。
利益を上げるということは、会社へ貢献することにそのまま直結する行為のひとつなのです。
経費を削減することも貢献につながる
利益を出すことが会社への貢献になる、ということが分かっていても、誰もがそう簡単に利益を増やすことはできませんよね?
「会社に貢献するためには売り上げを伸ばさなければいけない。どうしよう、どうしよう……」
このように悩んでいる人は、それ以外のことにも目を向けてみましょう。
利益を上げるための手段は、売り上げを増やすことだけではありません。
一度、経営者側の視点に立って考えてみましょう。
どんなに売り上げが良くても、それ以上に経費がかさんでしまったら”利益を上げている”とは言えません。
会社にとって重要なのは、経費や税金などを差し引いた“純利益”です。
「今月は200万円の売り上げを出しましたよ!」と言っても、経費で190万円を使っていれば、残る利益は10万円。
そこからさらに給与を差し引くとなると、収支はマイナスになってしまう可能性もあります。
つまり、利益を出すためには、売り上げを伸ばすだけでなく、必要経費を抑えるという点も重要になるのです。
経費を抑えるためのさまざまな方法
「経費を抑える」ということを会社規模で考えると、個人でできることの範囲は狭いように感じる人も多いでしょう。
しかし、経費を抑える、というのは何も大規模なことばかりではありません。
身近なことから考えていきましょう。
とくに、会社に入ったばかりの頃は仕事を覚えるだけで精一杯の時期もあるでしょう。
そのような時は、小さなことで経費を抑えることが大切です。
例えば、定時で仕事を終わらせるように努めてみる。
日本社会では、いまだに根性論というものが根強く残っており「残業する = 仕事を頑張っている」という評価をする企業も多いのが現状です。
しかし、残業して頑張ることは、本当に会社に貢献していることになるのでしょうか?
残業代が出る企業の場合、社員が残業することはいいことばかりではありません。
残業代は通常よりも賃金が上乗せされることがほとんどですし、オフィスを使用する場合は、電気代もかかってしまいます。
とくに、冷暖房にかかる費用は少なくありません。
資源エネルギー庁の推計では、オフィスの電気代の内訳の約50%が空調だと言われています。
さらに、照明やOA機器などの電気代もプラスされます。
もしもあなたがオフィスにひとり残り、冷暖房が利いたオフィスで何時間も残業をすると、たったひとりのためにたくさんの電気代がかかってしまうのです。
定時に帰宅する、というのは残業代がかからないこと以外にも、電気代を節約することにもつながります。
結果として、会社の経費を抑えることにつながるのです。
初心を忘れず、細かいことに気を配ることが大切
「定時までにきちんと仕事を終える」
「電気をこまめに消す」
「オフィスを使用しての残業はしない」
入社して間もない頃は、このような基本的なこともしっかりと意識していますよね。
しかし、仕事に慣れていくにつれ、時間や規律に対しての考えが緩んでしまう傾向があります。
「ゆっくり残業しながら仕事を終わらせよう」
「電気代ぐらいいいだろう」
「会社で働いているんだから、会社の設備を使うのは当たり前」
このような精神は本人だけでなく、周囲の人にも伝染していきます。社員全員が、会社の経費を気にせず使い始めるとどうなってしまうでしょうか?
その会社はどんなに売り上げが良くても、いずれは厳しい状況に陥ってしまうでしょう。
会社に貢献するというのは、利益を上げることも大切なのですが、”初心を忘れないでいる”ということも大切なのです。
例えば、経費以外の面でも
- 元気よく挨拶をする
- 上司とコミュニケーションをとる努力をする(相談をするなど)
- 早く仕事を覚えようと、ひとつひとつの業務を一生懸命する
- 成長したいという気持ちを常に持つ
- 注目されるような存在になれるよう業務に励む
- 入社した時の喜びや感謝を忘れない
上記のようなことは、最初は当たり前に思えても、入社から2年、3年と経つにつれ忘れてしまいがちです。
入社した頃は「同期のなかで一番になりたい!」というような野望をあなたも持っていたのではないでしょうか?
それが、仕事に慣れていくことで「給料さえもらえればいいや」というような考えになってしまう人もいるでしょう。
会社への感謝の気持ちはどうでしょうか? 面接で受かった時の喜びを忘れていませんか?
「会社へ貢献するためにはどうすればいいのだろう?」
このように悩んだ時は初心を思い出しましょう。
初心を忘れずに行動していれば、あなたの働きはきっと会社への貢献に結びついていくはずです。
この記事が、会社への貢献について見直すきっかけになることを願っています。