リーダーはぶれるほうがいい!?これからのリーダーに求められる能力とは

リーダーはぶれるほうがいい!?これからのリーダーに求められる能力とは

普段の言動や行動がぶれがちなリーダーは部下の反感を買いやすいもの。

ですが、ビジネスを取り巻く環境がめまぐるしく変わり続ける現代において困難な選択を迫られたとき、果たしてリーダーは頑なにぶれずにいるべきなのでしょうか?

 

このテーマを取り上げたのは、ハーバードビジネスレビューに掲載された「リーダーは二者択一の発想を捨てよ」という論文(2017年5月)がきっかけでした。

今回はこの論文のテーマである、リーダーの「選択」について考えてみたいと思います。

意思決定から見えてくる、ふたつのリーダータイプ

意思決定から見えてくる、ふたつのリーダータイプ

さてリーダーは、ぶれるのか、ぶれないものなのか。

リーダーの立場であるあなたはどちらでしょうか? あなたの上司であるリーダーはぶれていますか、いませんか?

 

ここで考えたいことは、リーダーの意思決定についてです。

リーダーの仕事は常に意思決定をすることです。

そして、リーダーとしての責任や立場が高くなればなるほど、意思決定の難しさは増していきます。

さらに、リーダーは様々な状況の中で、自分の能力があろうがなかろうが、自分で判断をしなくてはなりません。

しかし、それぞれの状況の中で困難な判断を迫られる時、全てのリーダーが何のためらいも無く判断しているわけではないはずです。

私が見てきた優れたリーダーの多くは、重要な判断を迫られた時、自分が判断した内容について自信を持っており、必ず成功すると考えていました。

しかし、残念ながらその判断が間違っており、後で失敗に気づいたということも聞いてきました。

私自身の経験では、このような失敗例のほうが、むしろ多かったことが事実です。

 

さて、このように判断した結果が間違っていたと気づいたあとの対応で、リーダーは二つのタイプに分かれます。

一つのタイプは、失敗してもすぐに切り替え、また次のステップに挑戦するリーダー。

もう一つのタイプは、失敗して、後悔だけを残してしまうリーダーです。

後者のタイプは、また同じような失敗を繰り返してしまうかもしれません。

なぜならば、このような思考のリーダーは、「自分の判断は正しかった。失敗の原因は他にある」と思い込んでいる場合が多いからです。

 

つまり自らの判断や、意思決定については ある意味『ぶれない考え方を持っているリーダー』でもあるわけです。

困難な選択肢を迫られるとき、リーダーが大切にすべきこと

リーダーは、意思決定の場において何らかの判断基準を持って選択をしています。

その判断基準があるのか、ないのかによって、ぶれるかぶれないかの違いが生じます。

 

リーダーの行う選択についても考えてみます。

リーダーは日々沢山の意思決定をしているということは、それだけ沢山の選択も迫られています。

その中には判断の難しい場合も含まれています。

 

例えば、「どのタイミングで判断すべきか」という問題です。

今起こっている課題について、今すぐ判断しないと、後では間に合わなくなる可能性があればすぐに判断できます。

しかし、今行なっても、後で行なっても将来の状況変化に予測が付かない場合は、判断に迷います。

 

また、「既存ビジネスか」あるいは「新規ビジネスか」という選択もあります。

今まで行なってきたビジネスモデルの課題に取り組み、より優れたモデルに成長させるのか、あるいは、今までとは異なる新たなビジネスや戦略に取り組むべきなのかという選択もあります。

 

あるいは、「短期目標」か「長期目標」かという選択もあります。

一例ですが、近年予算を決めない企業が出てきました。

決められた予算の範囲で、しっかりと管理すると、経費管理が計画的に実行できるという利点があります。

一方で、状況変化や、環境変化が起こっても、予算時の予算に縛られて、予算内で施行する事に力を入れるあまり、予算内で使い切ることに目がいき過ぎて、必要な削減や投資判断のタイミングを逃すことがあります。

今の時代は、環境変化が激しくて、計画的な予算自体が変革のスピードを遅くしてしまうということから、予算管理のあり方を変えている企業が増えてきました。

予算管理を行うべきか、無くすべきかではなく、予算管理の効果を得るためには、この予算は、短期的に管理すべきか、長期的に管理すべきかの判断が必要だということです。

 

さらに「既存の商品」を大事にするべきか、「新商品」なのかという判断も難しい判断になることがあります。

長年販売してきた商品やサービスをこれからも継続するべきか、あるいは新たな商品開発をするべきなのか。

時代の変化に対応して、当然顧客ニーズは変化することが想定されます。

だからと言って、伝統ある商品を変えるべきかどうかは難しい判断です。

日本は、100年以上継続している企業が世界で最も多い国です。長寿企業の中には、何百年も同じ品質とサービスを継承しているからこそ存続している企業も少なくありません。

 

他にも、「安定」か「変化」かの選択であれば、ビジネスにおいては状況に応じて変化させることが当然であるという考えを否定することはできませんが、同時に良いビジネスには「安定」した成長が見られます。

「顧客」を取るのか「従業員」かであれば、顧客第一主義であるという会社もあれば、顧客に最高のサービスを提供するために、従業員第一主義を唱える企業も存在します。

これからのリーダーに求められる「andの選択」

これからのリーダーに求められる「andの選択」

このような、相反する判断を迫られる様々な状況において、リーダーはどのような選択を取るべきか。

これについてハーバードビジネスの論文で、「リーダーは二者択一の発想を捨てよ」と主張し、それを「ぶれるリーダーであれ」と表現しています。

リーダーは二者から一つを選択する(orの選択)のではなく、両方を選択しろとまとめています。

両方を選択するためには、両立(andの選択)させることが必要だとしています。

どちらかを選択しなくてはならないような、リーダーが直面するリーダーシップのパラドックスにおいて、リーダーは選択ではなく両立するにはどうすれば良いのかを考えて、意思決定することが必要であるとしています。

これはリーダーにとって大きなチャレンジです。

しかし、チャレンジにヒントがあるとすれば、それは、AかBかの選択に迷った時、AでもないBでもない、Cという選択肢を探すことです。

 

これからの時代、益々多様性の高い時代になります。

色々な考え方が存在し、あらゆるシーンで考え方ややり方の違いが表面化するようになります。

対立構造も起こりやすくなります。

リーダーは、様々な選択の場において、あえて今までとは異なる=ぶれる選択肢を加えても良いと考えます。

 

<第5回へつづく>

 

 icon-play-circle さらに詳しい内容はWAKE UPの動画で公開中!

近未来を見据えたリーダーシップ第1~5回

 icon-pencil-square 著者プロフィール


下山博志

日本マクドナルドで32年間勤務。企業内大学を含む全社の人材育成の責任者となり、13万人を擁する幅広い従業員層に対する人材育成の仕組みを浸透させ、『2003年度日本能率協会人材開発優秀企業賞本賞』を受賞。

全世界共通の教育戦略プロジェクトにはアジア地域代表として参加した。

2004年に退社後、人材開発の総合プロデュースを行う株式会社人財ラボを創業。

上場大手企業から中小企業まで幅広く、人事・教育に関する戦略を支援し、企業内大学構築、リーダーシップ開発、マネジメント能力育成などの提供を行っている。

世界最大規模の人材開発非営利組織ASTD(現ATD)日本支部設立に寄与し、ATDインターナショナルメンバーネットワーク・ジャパン副代表ほか、熊本大学大学院教授システム学非常勤講師、NPO法人日本イーラーニングコンソシアム理事、神奈川県総合教育センター顧問アドバイザーなども務める。

2013年からは、システム開発を行う株式会社創新ラボの会長も兼任し、教育とICTの融合を図るラーニングテクノロジーを推進している。

早稲田大学大学院技術経営学(MOT)修士 

 

主な著書


著作

 

監修

共著

あなたのキャリアをつくる授業が2000本見放題!

CTA-IMAGE

WAKE UP(ウェイクアップ)は明日から役立つビジネススキルがすぐに学べる、社会人のためのオンライン学習サービス。

  • スキルアップして、仕事ができる人になりたい
  • 同僚に差をつけてキャリアアップしたい
  • ビジネス本よりもコスパ良く効率よくレベルアップしたい

そんなすべてのビジネスパーソンを、応援します。


今なら30日間無料でお試しいただけます

キャリアアップカテゴリの最新記事