恒常化とする残業に休日出勤、横行するパワハラやセクハラに「もしかしてブラック企業じゃないか…」と不安に思っていませんか?
入社前はアットホームな会社の雰囲気に、優しくて人当たりの良い社員がたくさんいて、これから明るい社会人生活が始まると夢みていたと思います。ところが、蓋を開けてみたら怒号が飛び交うブラック企業で落ち込んでいることでしょう。
けれど、会社も最初からブラック企業だと知られてしまっては誰も入社してくれなくなってしまうので、実に巧妙な手口を使ってだまそうとします。
この記事では、過剰労働にセクハラやパワハラなどタイプ別に見る、ブラック企業に共通する9つの特徴について解説します。
就職氷河期とくらべて売りて市場の今、働き手が会社を選ぶ立場になり、キャリアの選択肢が広がったぶん失敗する可能性も大きくなっています。
これから、就職や転職活動をする学生や社会人の方はブラック企業をしっかりと見極めて、後悔しないビジネスライフを過ごしてください。
時間労働や過剰なノルマで社員を徹底的に働かせる「使い捨て型」
一つ目のタイプが、社員を使い捨ての駒として扱うブラック企業です。
それでは、それらを見抜くためのポイントを見ていきましょう。
給与・年収求人広告の掲載が途切れない
求人広告の掲載が途切れないということは、常に人材が不足しているということです。
企業が急成長を遂げ続けているような特異な場合を除いて、退職していく社員が途切れないか、あるいは、評判が悪いために応募者が集まらないかのいずれか、あるいはその両方の事情が生じているものと推測されます。
短期間で退職しようと思って入社する人はほとんどいませんから、社員が勤め先をかえざるを得ないほど追い詰められていると考えるのが自然です。
離職率の高さや残業時間の少なさを、やたらと強調してくる
提示された低い離職率、短い残業時間の数字が正しい統計数値であればよいのですが、異常にこうした数字を強調する場合や、①で前述したように常時、求人広告が掲載されているなど矛盾を感じる場合、ウラが隠されている可能性を疑うべきです。
また、残業時間について、ブラック企業に限らず日本の多くの会社で、カウントされる残業時間は企業側が認識している残業時間、すなわち残業代が支払われた時間の総和であることがほとんどであり、サービス残業が多い場合は、実際の残業時間を表していないことも珍しくありません。
ただし、離職率の低さや残業時間の少なさの情報が真実である場合、本当に働きやすい会社である可能性もありますので、他のチェック項目も踏まえて見定めてください。
夢とか希望とか情熱とかいう、情緒的な言葉を連呼する
説明会や面接等の場で、夢・希望・情熱という言葉を連呼して自社の存在の正当性や重要性を説く場合も要注意です。
従業員をある種の洗脳によってコントロールして、思考停止に陥れ、使えるだけ使って、使い切ったら即交換すればよいという姿勢の表れかもしれないからです。
夢や希望や情熱は会社から言われたから持つものではなく、業務の中で自ら見出すものです。
社員をたくさん採用し、必要な人材だけ残して辞めさせる「選択型」
初任給や基本給の水準が極端に高い
横並び=安心という意識が根強い日本において、より高額な報酬を新入社員に与えたり、基本給の水準が同業他社に比べて極端に高い場合、何かウラがあるのかもしれないと想像するべきです。
そのような高待遇を約束しなければ必要な人材が確保できない、辞めていってしまう、あるいは、残業時間が膨大でその影響で給与額が上昇しただけ、などの事情があるかもしれません。
実態は契約社員なのに、「正社員」と呼称する
契約社員と正社員の一般的な違いは、将来の雇用が保証されているかどうか、また、給与面を含めた福利厚生のレベルです。
正社員と比較して、待遇面で相当程度劣ることの多い契約社員を正社員と呼称している状態は、もしかしたら社員軽視の姿勢の表れかもしれません。
質問の機会があれば、「正社員の定義はどのように置いているか」と質問を投げてみるといいかもしれません。
セクハラやパワハラを放置している「無秩序型」
業務内容の説明がぼんやりとしている
業務内容の説明に、抽象的な表現が多く、ぼんやりとしている印象を持ったときは要注意です。
具体的な記述をすると、反社会性が浮き彫りになったり、過酷な労働環境を想起させたりするなどの企業側の都合で、意図的に説明を曖昧なものに留めている可能性が高いからです。
通常、会社説明会や広報ツールでの業務内容の説明は、オーディエンスや視聴者にできるだけ具体的なイメージを持ってもらうことを目的としています。
それにもかかわらず、抽象的な説明に終始する場合は、何か別の思惑があるのではないかと疑ってみるのが妥当です。
アットホームな雰囲気の社風を、やたらと強調してくる
アットホームな雰囲気の極端な強調や、ホームページの写真に採用されている社員全員の顔が、不自然なまでの満面の笑みである場合、違和感を覚えるべきです。
業績に関する定量的な情報開示が一切ない
上場会社でなかったり、会社規模が大きくなかったりする場合、必ずしも業績などの財務情報を公開する義務はありませんが、会社説明会など、会社の広報を行う場合に、かたくなに定量情報を隠すような雰囲気を感じたら、何かウラがあるかもしれないと警戒するべきです。
社長や管理職の言っていることと、現場社員の言っていることが食い違う
例えば、社長が「あなたは内定です」と言ったのに、直後に人事担当者が「最終面接の合否判定は後日連絡します」と伝えてくるようなケースです。
このような事態は、ワンマン企業の典型です。組織としての意思決定より、社長のその場の思いつきが優先されてしまう状態を見た場合は、要注意です。
以上、ブラック企業をタイプ別に分類し、それを見抜くポイントを挙げてみましたが、いかがだったでしょうか。
これから就職活動に臨む皆さんは、これらのチェックポイントを頭の片隅に置きながら会社と対峙すると、いろいろと気付けることがあるかもしれません。