現役バーテンダーが解説。初心者におすすめのウイスキーとは?

現役バーテンダーが解説。初心者におすすめのウイスキーとは?

筆者は恵比寿でバーテンダーとして働いているのですが、お客様から

「バーに行ってウイスキーを飲んでみたいけれど、何を頼めばよいかわからない」

「家で手軽に飲めるウイスキーを探している」

といった質問をよくされます。

そこで今回のコラムでは、ウイスキー初心者に向けて、種類や特徴、おすすめの銘柄などをできるだけわかりやすく紹介・解説していきます。

スコッチ?シングルモルト?ウイスキーってどんなお酒なの?

PublicDomainPictures / Pixabay

ウイスキーとは大麦やライ麦などの穀物を使った蒸留酒のことで、産地は大きくわけて

  • スコッチ(スコットランド)
  • アイリッシュ(アイルランド)
  • ジャパニーズ(日本)
  • アメリカン(アメリカ)
  • カナディアン(カナダ)

に分類されます。

上記の5つを総称して「5大ウイスキー」といいます。素材や作り方はやや違うものの、基本はほぼ同じだと考えておいて問題ありません。

ちなみによく「シングルモルト」「ブレンデッド」といった言葉も聞かれますが、シングルモルトは「単一の蒸留所で作られたモルトウイスキーを瓶詰めしたもの」です。

ブレンデッドは複数の蒸留所のモルトウイスキーと、グレーンウイスキー(とうもろこしなどを原材料としたウイスキー)を混合したものを指します。

また「ヴァテッドモルト」というモルトもありますが、これは複数の蒸留所のモルトウイスキーを混ぜたもので、現在はブレンデッドとほぼ同じ意味合いです。

それでは、5大ウイスキーの特徴を以下で解説していきます。

スコッチ

スコッチ(スコッチ・ウイスキー)は、スコットランドで製造されるウイスキーを指します。

スコットランド内には100を超える蒸留所が存在し、地域によってさまざまな個性をもった一本が生産されています。地域の分類方法はいくつかあるのですが、今回は6地域にわけて解説していきます。

ハイランド

スコットランドの北側に位置し、半分以上の面積を占める地域がハイランドです。

味の特徴も多種多様で「これだ」というのは難しいのですが、甘みがある銘柄が多いため比較的飲みやすく、日本人にとっても馴染みやすい味わいです。

現在、現行品で入手できるハイランドのウイスキーで初心者におすすめなのが「クライヌリッシュ」。ややスパイシーですが飲みやすく、ハイボールにしても非常にさわやかです。

スペイサイド

スペイサイドはスコットランドの北東にあり、ハイランドの一地方としても扱われることがある地域です。

面積こそ狭いものの、マッカラングレンリベットなど、有名な蒸留所が点在していることで知られています。

スペイサイドウイスキーの特徴は、さまざまな果実や花が入り混じったような華やかな香りと、複雑ながらもバランスのとれた味わいです。

飲みやすい銘柄も多いので、初心者の方はスペイサイドから入るのもよいでしょう。

初心者におすすめの銘柄としては、世界でもっとも有名なスコッチウイスキーのひとつ「ザ・グレンリベット」です。バランスがよく、いい意味で控えめなテイストです。

機会があれば「ザ・グレンリベット ナデューラ」も試してみてください。素晴らしいお酒です。

ローランド

ローランドはハイランドの南に位置する地方です。かつてはウイスキーの一大産地として栄えていましたが、今でも操業しているのは数箇所ほど。蒸留所の数こそ少ないですが、粒ぞろいで味わい深いモルトが揃っています。

味の特徴としては軽やかでまろやか。かなり飲みやすい印象です。

初心者におすすめの銘柄は「グレンキンチー」。ライトですが甘さと辛さのバランスに優れ、食事にもよく合います。ハイボールにすると、甘みがグッと立ち上がりますよ。

アイラ

ハイランドとローランドの西に位置し、ヘブリディーズ諸島に浮かぶ島がアイラ島です。

「正露丸のニオイ、味」と呼ばれるヨード臭と、ピート(泥炭)からもたらされるスモーキーさが特長です。

かなりパンチが効いているので好みは別れますが、飲み続けることでクセになってしまうような、不思議な力をもった銘柄が多く、たくさんのファンを魅了し続けています。

アイラモルトを初心者におすすめする場合は、まずは「ボウモア」からが多いかとは思いますが、個人的には「ラガヴーリン」がイチオシです。

舌の上でコロコロと転がるようなオイリーさとスモーキーさは、ぜひともストレートで試してみてください。

キャンベルタウン

キャンベルタウンはハイランドの南西、キンタイア半島の先端にある街で、現在可動している蒸留所はローランドと同じく数軒ほど。人口も5,000人足らずの小さな地域ですが、スコッチを語るうえでは無視できない存在です。

潮風のような風味が特長で、豊かな香りが鼻を通り抜けていきます。

キャンベルタウンモルトでまず試していただきたいのが「スプリングバンク」。

豊かに香るバニラ香に、キャンベルタウン特有の潮っぽさが混ざり合った上品な風味となっています。

単体で飲んでも美味しいですが、魚介類を使った食事と合わせるのもおすすめです。

アイランズ

アイランズは、スコットランド領に浮かぶスカイ島、オークニー諸島、ジュラ島、マル島、アラン島にある6箇所の蒸留所を指します。

多くの場合、ハイランドに含まれますが、今回は別で扱います。蒸留所の個性が強く「アイランズは○○」といった特徴はありません。

アイランズモルトのなかでも、初心者におすすめなのが「ハイランドパーク」。ドライで甘みがあり、ややスモーキーでバランスのとれた一本です。

アイリッシュ

アイリッシュウイスキーは、アイルランドで生産されるウイスキーです。スコッチやバーボンと比べるとやや知名度は劣るものの、香りや味は負けていません。

スコッチウイスキーとの大きな違いとして、アイリッシュウイスキーでは蒸留を2回、3回とおこなうことで、穀物感のあるライトな風味を実現しています

またピートはほとんど使われないので、より口当たりが軽く、飲みやすくなっています。

アイリッシュウイスキーのおすすめは「ブッシュミルズ」ですが、スタンダート品よりも「ブッシュミルズ ブラックブッシュ」または「ブッシュミルズ シングルモルト 10年」がイチオシです。

前者はシェリー樽由来の甘みと華やかさがあり、後者はバニラ香や蜂蜜感も混ざり、より味わい深くなっています。

アメリカン

アメリカンウイスキーは、文字通りアメリカで生産されるウイスキーです。

バーボンコーンモルトライホイート、またはテネシーウイスキーなどに分類されますが、初心者の方はバーボン、ライ、テネシーウイスキーの違いを覚えておけば問題ありません。

バーボンは原料のとうもろこしが51%を占めるウイスキーです。ライは麦が51%、製法はともに内側を焦がした新樽で熟成させます。

そして、バーボンのなかでもテネシー州で作られ、熟成前にサトウカエデの木炭でろ過したものをテネシーウイスキーと呼びます

バーボンと聞くと強くて飲みづらそうなお酒をイメージする方も少なくないでしょうが、飲みやすい銘柄も数多くありますので、ぜひチャレンジしてみてください。

アメリカンウイスキーのおすすめは「エヴァン・ウィリアムス」。赤、白、黒などのラベルがありますが、赤ラベル(12年)がよいでしょう。

アルコール度数は50.5%と高めですが、甘さが前面に出るため、まろやかで飲みやすくなっています。ゆっくりとロックで、またはソーダ割りにしても美味しいですよ。

カナディアン

カナディアンウイスキーは、カナダで作られるウイスキーです。

5大産地のなかではあまり取りあげられませんが、飲みやすさはナンバーワン。まさに初心者向けのウイスキーが揃っています。もちろん、ウイスキー好きのなかにも、好んで飲む方はたくさんいます。

また、いい意味で個性がないため、カクテルのベースに使われることも多々あります。カナディアンウイスキーを飲みつつ、合間にカクテルを頼めば2倍3倍と楽しめることでしょう。

カナディアンウイスキーのおすすめは「クラウンローヤル」。とにかく飲みやすいのでストレート、ロックと飲み方を問いません。安価な点も魅力的で、総じて初心者向けのウイスキーだといえるでしょう。

ジャパニーズ

皆さんご存知、日本のウイスキーです。2009年ごろからのハイボールブームや、連続テレビ小説『マッサン』などですっかり有名になりました。

あまりに人気が出すぎたため「山崎」や「」、「白州」などは相次いで終売になり、値段も高騰し続けています。

日本のウイスキーは安価に手に入るものも多くありますが、初心者だからこそ最初の一杯は美味しいお酒を飲んでほしいものです。

「山崎」、「白州」なら12年、「響」であれば17年あたりであれば、まだ置いてあるバーもあります。3本とも飲みやすく、バランスのとれた銘柄ですので、ぜひともお試しください。

ロック?ハイボール?初心者のおすすめの飲み方は?

ウイスキーの飲み方としては、ざっと挙げてみただけでも以下のスタイルがあります。

  • ストレート(そのまま。ウイスキーの味がいちばんわかりやすい)
  • ロック(氷を入れて飲む。氷が溶けてくるにつれ味や香りが変わるので面白い)
  • ソーダ割り(いわゆるハイボール。飲みやすくなり、お酒によってはより美味しくなることも)
  • 水割り(ソーダ割りと同じ。水割りのほうが美味しいウイスキーもある)
  • ハーフロック(ロックスタイルに水を加えたもの。ロックよりはまろやかになる)
  • トワイスアップ(ストレートに水を加えたもの。まろやかになり、香りが広がるものも)

など、飲み方はさまざまですが、結論から言ってしまえば正解はありません。自分が飲みたいスタイルを選ぶのがいちばんです。

強いておすすめを挙げるならば、最初はストレートで。「強いかな?」と感じたらロックに切り替えましょう。トワイスアップにするのも可です。

また1杯目はハイボールにして、次からロックやストレートに切り替えるのもおすすめです。味も薄目から濃い目になりますので、香りや味がわからなくなることがありません。

バーに行ったときの頼み方のコツは「知ったかぶりをしない」

ウイスキーだけでなく、お酒全般をバーで頼むときのコツとして「知ったかぶり」は絶対にやめましょう。

もちろん、自分が好きなお酒を、好きな飲み方で注文するのは自由です。しかし、わからないときは素直におすすめを聞いたり、どんな味や香りなのかを聞いてみるとバーテンダー側もコミュニケーションがとりやすく、サービスもしやすくなります。

何よりも、お酒の席でうんちくを語るほどモテないことはありません。今回紹介した知識を知っていたとしても、ベラベラと喋らないのがモテる秘訣ですし、お店に好かれるコツです。

また、おすすめを出してもらったときは、ぜひバーテンダーに感想を伝えてあげてください。「美味しい」でも「不味い」でも構いません。そうしていただけると、次にお出しする銘柄の参考になります。

まとめ

今回は、初心者向けのコラムとして、ウイスキーの種類や産地、味の特徴やおすすめの銘柄などを解説してきました。

少々長くなってしまいましたが、意外と覚えることは多くありません。最初のうちは5大ウイスキーがどのようなものかを知っている程度でじゅうぶんです。

ウイスキーは蒸留所によって大きく味が違います。また現行品とオールドボトルでも、ほんとうに味が違います。

モノによっては鳥肌が立つほど美味しい1杯もあるので、ぜひ自分好みの1本を探してみてください。

ウイスキー選びに迷ったときは本記事を参考に、いろいろとお試しいただければ幸いです。

 

1983年生まれ東京都在住。フリーランスグラフィックデザイナー・ライターとして活動するかたわら、音楽バーの店長も務める。音楽・映画・ファッション・酒類全般などに造詣が深く、日々さまざまな業種の方を相手にしているため、コミュニケーションや働き方関連の話題も得意。

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