就職活動を控えている学生のほとんどはさまざまな悩みを抱えていると思います。
その中でも、学歴にコンプレックスのある就活生の多くは企業の”学歴フィルター”の存在に不安を感じているのではないでしょうか?
SNSやネットで”学歴フィルター”を検索してみると、
「行きたい企業の説明会が常に満席状態」
「大手企業の書類選考が全く通らない」
「面接官に全然相手してもらえない」
といったような記事やコメントがたくさんでてきて、さらに不安をかきたてられますよね。
信じたくないと思われますが、記事やコメントにあるように学歴フィルターは現に存在します。
けれど、学歴フィルターがあるからといって行きたい企業の就職を諦めてはいけません。
この授業では、就活における学歴フィルターの実態とその突破方法について解説します。
学歴フィルターを事前に回避し、直面しても動じずに対処する能力を身につけることができます。
学歴フィルターは本当に存在するの?
結論から言って、存在します。
その存在を公に認めることは避けられていますが、大手企業のほとんどが学歴によるフィルターをいずれかの選考過程において何らかの形で採用しています。
企業が学歴フィルターによる選別を行うのは、大きく分けて、下記の3つの局面です。
学歴フィルターが用いられるタイミング:書類選考
大手の人気企業にもなれば、1万人以上の学生がエントリーシート(以下、ES)を送付します。
企業は1万人の志望学生から届くESを全て読んでいると思いますか?
隅から隅まで読んでもらえない学生が相当数いるであろうことは、想像に難くありません。
具体的に、最後まで読んでもらえない学生のESはどのようなものかというと、
- 学生のスペック(主に学歴)が要求水準に達していない
- 文字数が極端に少ない、文字が汚い(手書きの場合)
- 要点が分かりにくい
などが代表例です。
学歴フィルターが用いられるタイミング:会社説明会予約
人気のある企業では、あっという間に席が埋まってしまう会社説明会。
会社説明会でも学歴フィルターによる選別が行われます。
有名な事実ですが、企業は説明会の席数について、大学名で枠を設けています。
つまり、純粋な先着順ではないのです。
したがって、一見満席に見えても、それはあなたの大学の枠が満席になっているだけかもしれません。
こうした学歴フィルターによる説明会の予約枠の操作は、就職ナビサイト側としてもナビサイト掲載のオプションとして販売しているサービスであり、一部の大企業が費用を払って導入しているようです。
(信じられない方は、学歴に格差のあるご友人と同じタイミングで人気企業の説明会予約をウェブ予約してみてください。)
学歴フィルターが用いられるタイミング:リクルーター制度
学歴フィルターの代名詞ともいえるのが、リクルーター制度です。
リクルーターからのコンタクトがない学生にとっては、学歴格差を痛感するタイミングです。
企業側が望む大学の学生にのみ、非公式に社員(多くの場合大学OB)がコンタクトし、「相談会」などの名前を付けるカムフラージュを施した上で行われる、裏ルートの選考試験です。例えば、何人かの先輩社員に会った上で及第点に達した学生は、本社で最終面接を受けられるといったルートが一般的です。
以上、学歴フィルターが用いられるタイミングを見てきましたが、いかがでしたでしょうか。
このような「学歴差別」と捉えられる活動は、企業側がその存在を公言・認知することを控えていることから表には出てきていないだけで、残念ながら事実として存在します。
それでは、次の項で企業が学歴フィルターを利用する理由について見た上で、対処法を考えましょう。
学歴フィルターを利用する企業側の意図
学歴フィルターがなぜ存在するか、その理由を理解することが重要です。
その理由はシンプルなもので、採用活動を効率化したいからです。
詳しく見てみましょう。
高学歴による安心感
企業にとって高学歴である学生はその事実だけで安心感を得られるものです。
少なくとも受験というハードルを乗り越えてきており、最低限の継続した努力ができる人材であると信じているからです。
もちろん受験勉強ができれば仕事もできるというわけではないのですが、人の話に対する理解力、努力の継続力、数字に対する理解力など、受験と仕事はある程度の相関関係があることを企業は経験則で知っており、高学歴の学生をできるだけ多く採用したいと考えています。
採用活動にもコストがかかる
採用活動にはいうまでもなく多大なコストがかかっています。
ナビサイトに掲載するには百万円単位の資金が必要になりますし、説明会を開催するにも百万円単位の費用がかかります。
企業としてはせっかく説明会を開催するのであれば、自社が欲しいと思う人材になるべく話を聞いてもらいたいと考えます。
学歴フィルターは費用対効果を最大化したいと考える企業の当然の行動と言えます。
学歴に不安があるときの対処法
それでは、学歴に不安がある場合、どのような点に注意して取り組めばよいのでしょうか。
書類選考
ESは5秒で読める内容を意識しましょう。企業の人事担当は、採用活動の時期、多忙を極めています。
何千通ものESを真面目に読んでいる暇はありません。
確率論で、優秀な学生層の取りこぼしが極力ないよう、ES選考を行っています。
もし1万通のESに合否をつける場合、1通当たり5秒の時間しかかけなかったとしても14時間弱を要します。
いくら複数名で作業するといっても、相当な作業量には変わりありません。
5秒しか見ないというのも、決して大げさではないことが、ご想像いただけると思います。
短時間で不合格のらく印を押されないようなES、短時間で「面接に呼んでみようかな」と思わせるようなESづくりを心掛けましょう。
会社説明会予約
会社説明会の席が取れなかったときは、小まめにキャンセル待ちしていてもいいのですが、どうしても参加したいときは、直接会社に電話して、説明会に参加したいと伝えてみましょう。
メールで連絡するのもいいのですが、電話で伝えるほうが参加したいという熱意が伝わるでしょう。
企業側も会社説明会に参加したいという学生を邪険に扱うようなことはしません。
意欲のある学生には参加してほしいと思うものです。
企業によって対応も異なりますが、説明会の席を用意してくれたり、別の日の参加を勧めてくれたり、何からの対応をしてくれるところもあります。
参加させてもらえるときは、お礼を言って参加させてもらいましょう。
まとめ
以上、学歴格差の実態とその対処法をご紹介してきましたが、いかがでしょうか。
結局就職活動は受けてみなければ分かりませんし、誰に対しても門戸を開いています。
多くの企業が多少の学歴差別をしながらも大半の学生に対して門戸を開き、基準を満たすのであれば採用したいと考えています。
学歴が低ければ不利に立たされる場面は多いでしょう。しかし受けてみなければいつまでたっても可能性はゼロです。
それならば学歴差別があることをある程度前提に、大手企業だけを受けるのではなく中小企業もしっかりと受けることが就職活動を成功させる上では大切ではないでしょうか。
学歴差別を言い訳にして行動を起こさなければ何も変わりません。
いじけている状態から一歩踏み出すことで世界は大きく変わります。
学歴に自信がない学生ほど、学歴差別を前提として、しっかりと就職活動の戦略を立ててほしいと思います。