大量の仕事を目の前にして、何から手をつければいいのかわからなくなったという経験ありませんか?
自分にいくら 「落ち着け!」と言い聞かしても、まるで焼石に水の状態。
焦る気持ちがつのるばかりで、そのうち脳が思考停止をして仕事をしている手がとまってしまいますよね。
ここで気持ちを切り替えることが大切ですが、実際どうすればいいのかわからず困ってしまったという方もいるでしょう。
そんなときの解決策としておすすめなのが、思考を整理することです。
思考を整理することで、仕事をよりよく認識し、効果的に仕事を進められるようになります。
この授業では、仕事や時間に追われてもパニックにならない脳の思考整理術について解説します。
どんな状況に直面しても着実に仕事を進められる力を身に着けることができますよ。
言語化することの効果
思考を整理するために、頭の中にあることを書き出してみましょう。
思っているより大きな効果をもたらすはずです。
仕事編
突発的に膨大な量の仕事が入ったり、大仕事を抱えたりしているときなどは、焦燥感やプレッシャーを感じてしまうという人も少なくありません。
仕事を進めることより、焦りやプレッシャーが上回ると仕事は滞ってしまうばかりです。
心が混乱状態のままで進めようとしても、ミスを連発してその修正に追われたり、なかなか集中できずに完了できなかったりという状況が増えてしまうでしょう。
そんなときも、頭の中にあることを書き出すことでひとつひとつの仕事を確実にこなせるようになるのです。
感情編
仕事以外の気になることや心配ごとが頭から離れないというときもあります。
上司に叱られたり、大きな失敗をしてしまったりして、すっかり落ち込んでしまうこともあるでしょう。
お客様や取引先とのコミュニケーションの中で湧いた怒りの感情を引きずってしまうこともあるかもしれません。
感情のほうが優位になると、関係のない仕事でも冷静に取り組むことが難しくなります。
頭の中にあることを書き出すことで、落ち込んだ気持ちを引き上げ、興奮した感情を鎮め、平常心を取り戻して仕事を進められるようになるのです。
思考整理を促す書き方
単に頭の中にあることを書き出すだけでも心を落ち着かせる効果はあります。
さらに書き方を工夫することで、思考はより整理されていきます。
仕事を効率的に進めることに繋がる思考整理のための4つの書き出し方をご紹介します。
そのときの状況や仕事の種類によって、自分なりにカスタマイズして使い分けてみてください。
全部書く
まずは、頭の中にあることをすべて書き出してみましょう。どんな状況でも効果のある最初のステップです。
例えば、感情にとらわれているなと感じるなら、それをノートにすべて書いていきます。
仕事であれば、分かっているやるべきことを全部書き出してみましょう。
これ以上は思いつかない!というまで全部書き出すことがポイントです。
書き出すことは目に見えない頭の中にあることを、目に見える状態にすることです。
書き出す前まで脳の中にあったことを全部出すと、脳にスペースができるのです。
基準を設けてグルーピング
大量の仕事に圧倒されて冷静さを失っているときというのは、頭の中に多数の仕事のひとつひとつの工程の断片が、散乱していることが多いようです。
心理的にも、早くこなしたいという焦りの気持ちが強くなりやすいのですが、その焦りを落ち着かせることにも役立ちます。
最初のグルーピングは本当に必要なことか、必要ではないものかの仕分けです。
そのあとに、必要なことを見渡して、同じ種類の作業や関連していることで括っていきます。
脳の中で効率化のための思考を巡らせることができるのです。
この思考を巡らせる力は、先ほどお伝えした書き出すことで生まれたスペースが源となっているのです。
順位付けして取り掛かる
順位付けの順番が判断できないことが、混乱を招いているケースはとても多いようです。
ひとつのタスクを行っている途中で、他のタスクに手を付けてしまい、さらに周りからの頼まれごと、お客様の対応などに追われるなど、結局、完結できないままの仕事が残り続けてしまうというような状況になりやすいのです。
書き出していれば、順序を考える余裕もできているはずです。順番を決めることが有効になる仕事はたくさんあるようです。
1番目の仕事が終わってから2番目に取り掛かる、これを繰り返せば、未完了の仕事を減らせるでしょう。
分解してさらに具体的に
仕事がなかなか進まないと感じたら、書き出した仕事を分解してみましょう。
例えば、得意先への大型案件のプレゼンテーションのためのスライド資料の作成が必要となったとき、単に資料作りをするのではなく、得意先の情報収集、資料の構成、資料に含めるコンテンツの収集、構成の各項目、編集、最終の仕上げなど細かなステップに分けてみましょう。
そうすることで、ステップに取り掛かるときに何をすればいいのかという具体的な方法がすぐにわかります。
資料作りが全体で5時間掛かるものだったとしても、各ステップのひとつひとつは、1時間や30分など、さらに細かい時間で組めるでしょう。
取り掛かる際の心理的負荷も低くすることができるのです。
大変だな、時間が掛かるなと思える仕事ほど、細かなステップに分けて書き出すようにしましょう。
書き出すことで思考力がアップする
ご紹介したことは、冷静なときに考えれば、とても単純なことに思えるかもしれません。
それでも実際の仕事で、感情や思考の混乱状態に直面しているときには気付きにくいことなのです。
なぜなら、その混乱自体が脳を占領しているからです。
混乱のままで何とか切り抜けられたとしても、余計に消耗するエネルギーは相当なものです。
書き出すことで、脳の中に散乱していることや漠然としていることを見える状態にすれば、思考の整理は簡単になるのです。
書く機会が減っている現代人にとって、書くことは面倒で時間が掛かるものと抵抗感を抱く人もいるでしょう。
しかし、はじめにいくらかの時間が掛かったとしても、その時間対効果は絶大です。
また、占領状態から脳が解放され余裕ができることで、それ以上のことも深く考えることができるようになるのです。
効果的な工夫、独創的なアイデア、必要なことの記憶、注意力キープによるミスの減少などたくさんの効果が期待できるのです。
まとめ
書き出して思考を整理する方法は、どんな仕事にも活用していくことができます。
混乱の真っただ中にあるときほど、書き出す効果を思い出して実践してみてください。
また、書くことは思考トレーニングにもなり、考える力がアップすれば仕事の質は底上げされるでしょう。
心や時間に余裕があるときでも、自分と仕事のレベルアップのために書き出すことを意識してみてください。
書き出すことによる脳機能を高める視覚的、心理的効果を有効に活用して、どんな状況でも冷静に着実に仕事を進められるビジネスパーソンを目指しましょう。