自己啓発というと、「怪しい」とか「押し付け」のようなイメージがあるのではないでしょうか。しかし本当の自己啓発とはやみくもに努力して自分を追い込む方法ではありません。
疑問に思ったことや悩みを、自分自身の力で理解し、より高いモチベーションを持つことが自己啓発なのです。
ベストセラーの「7つの習慣」に代表されるような自己啓発本やビジネス書、セミナーで語られるように、自己啓発には3つの原則があります。「願望の達成をしっかりイメージする」「ポジティブシンキングを保つ」「自分の心に従ってやりたいことをやる」。
自己啓発は、上から目線で価値観の押し付けがあるイメージを持つ人がいますがまったくの逆です。自ら行動を起こさない限り、それは自己啓発ではないからです。
「仕事で成功してお金持ちになりたい」「幸せで楽しい人生を送りたい」など、自分を高める願いは命に関わるような緊急のことではありません。だからつい理由を付けて後回しにして夢をかなえることができないままで終わってしまいます。
この記事では、諦めずに目標を達成する精神力を身につける自己啓発の仕方の基本を学びます。
そもそも自己啓発とは?
自己啓発とは何でしょうか? まずは言葉の意味から考えてみます。
「自己」とは自分、おのれ、自身のことです。ここでは「客観的に見た自分」のことを指します。
「啓発」とは、孔子の論語「憤(ふん)せずんば啓(けい)せず、悱(ひ)せずんば発(はっ)せず」という教えからきています。
意味は「自分で苦しみ、悩み考えない者には、導き助けることはできない」です。
自ら疑問を持ち、自ら知りたいという意欲があり、自ら答えを求めようとする者でなければ、何を教えても意味がないということです。
やる気のない人に、いくら親身になって教えても身になりません。やる気のある人なら、すぐに吸収し実行するでしょう。
義務的にやらされるものではなく、主体的に動いて挑戦していくということです。
自己啓発を総括すると「自分で疑問に思ったことや、悩みを、自分自身の力で理解に導き、より高い知見や意識を求める行為」となります。
自己啓発って何をするの?
自己啓発の具体的行動として、読書、勉強、セミナーへの参加、資格を習得する、体を鍛える、精神を鍛える、マインドフルネスなどです。
TVをボーっと眺める、惰眠を貪る、ネットサーフィンをするなど自分を向上させないものは、自己啓発ではありません。
仕事も考え方によっては、自己啓発そのものです。
自分を向上させ、成長させるものはもちろんのこと、自ら学ぼうとしたものは、すべて自己啓発と言えるのです。
もっとも売れた自己啓発書
自己啓発をする上で、欠かせないのが「読書」です。
自己啓発書は自分を高める上でもっとも効率のいい手段です。コストパフォーマンス最強と言っても過言ではありません。
そんな自己啓発書ですが、怪しい、騙されそうというイメージがあります。
しかし、それはごく一部です。自己啓発書の中には、100年も前から未だに売れ続け、人々に読まれている本があります。
つまり信憑性があり、効果があり、信頼されている証なのです。
そんな自己啓発書でロングセラー&ベストセラーの本を紹介します。
ジェームズ・アレン著「原因と結果の法則」1902年発行 国内発行部数60万部 デール・カーネギー著「人を動かす」1936年発行 発行部数1500万部 ナポレオン・ヒル著「思考は現実化する」1937年発行 発行部数7000万部 スティーブン・R・コヴィー著「7つの習慣」1989年発行 発行部数3000万部 リチャード・カールソン著「小さいことにくよくよするな!」1997年発行 発行部数4000万部 |
注目したいのは、100年も前から読まれ続け、自己啓発書のルーツとも呼ばれている、ジェームズ・アレン著「原因と結果の法則」です。
現在ある自己啓発書はこの「原因と結果の法則」をアレンジし、表現しているだけです。
「原因と結果の法則」がすべての自己啓発書のベースなっているともいえます。
この教えはいたってシンプルです。「今、目の前に起こっていること(結果)は、自ら(原因)が創り出したもの」だということです。
いいことも、悪いことも、すべては自分が原因なのです。
この法則に則れば、自分の「思い方」次第で目標達成ができ、結果を創り出すことができるといいます。
多くの人がやってしまうのは、その結果ばかりを変えようとして、原因を変えようとしない。だからいい結果は得られないのです。
もっとも支持されている本の根源がこの考え方であるといえます。
自己啓発書に共通する3つの原則
ロングセラー&ベストセラー自己啓発書には、共通する方法がありました。
共通するということは、もはや原則といってもいいでしょう。
その原則は3つあります。
第1原則 願望達成を鮮明にイメージする
願望を達成した自分を強くイメージすることで願望を実現します。
そこには「潜在意識」が関係しています。人間には「顕在意識」と呼ばれる意識と「潜在意識」と呼ばれる無意識があります。
顕在意識の割合が3~4%に対して、潜在意識は90%以上あります。
この潜在意識に自分の目標を刷り込ませることによって意識全体が、目標実現に向かいます。
これが様々な自己啓発書にもっとも共通する方法です。
第2原則 楽天主義、プラス発想、ポジティブシンキングを保つ
なぜプラス発想でいるのかというと、目標達成する為には、様々な弊害がつきものだからです。
何か起こった時、一喜一憂するのではなく、どんなことでも目標達成のためのプロセスだとプラスに考えることで、あきらめずに目標へ向かえるのです。
「プラス発想でいる」という覚悟がブレない精神をつくりあげます。
第3の原則 自分の心に従う
自分の心に従うとは、自分自身に素直になるということです。
建て前や世間体ではなく、本音でやりたいことをやるというのが、目標達成には欠かせません。
自分の好きなことで成功しなければ、本物の成功とはいえません。
好きならどんな障害も乗り越え、自ら率先して勉強にも励み、前進できます。
好きだからやる、やるから結果が出て、ますますやりたくなるという、プラスのサイクルになります。
まとめ
自己啓発の食わず嫌いのイメージとして「上から目線に感じる」や「やりなさいという価値観の押しつけ」があげられます。
しかし、まったく逆で、自ら行動を起こさない限り、それは自己啓発とは言えません。
自己啓発とは誰かにやらされるものではなく、自らやるものだからです。なぜやらされるものだと感じてしまうのでしょうか?
そこには、大きな落とし穴がありました。それは自己啓発が「緊急ではないが、重要なこと」だからです。
勉強や読書など自己啓発であげられるものは、すべて緊急なものではありません。
やらなくても生きていけるし、命に関わるものでもないからです。それゆえ、やらされるものだと勘違いしてしまうのです。
しかし、自分をより高めたい人や、より幸せな人生を送りたいと思っている人には、この「緊急ではないが、重要なこと」を実践しなければなりません。
日々の忙しさに、後回しにされがちな自己啓発をいかに人生の中心に持ってくるかが、成功への分かれ道となるのです。
そのためには戦略的に、計画的に自分をコントロールすることから始めましょう。