PowerPoint(パワーポイント)は、会議やプレゼンテーションの資料作成には欠かせないツールです。
しかし、残業までしてプレゼン資料を作成しても、
「見にくい」
「分かりにくい」
「全体的にダサい」
などと言われてしまってはせっかくの努力も水の泡になってしまいます。
そこで今回は、誰にでも見やすく伝わりやすい資料を作るための、ビジネスに役立つPowerPointでの資料作成のコツをご紹介します。
初めに知っておきたいこと
まずは細かなコツの前に、全体を通して注意したいポイントを知っておきましょう。
いきなり書き出さず、全体の構成を考えてから作成を始める
PowerPointの資料作成では、いきなり書き出してしまうと全体の流れが分かりづらくなってしまうことがあります。
まずは資料のストーリーを構成してから、各ページの内容を考えていきましょう。
資料だけを見てもメッセージが伝わるよう、分かりやすく書くことがポイントです。
ひとつひとつの要点をなるべく分かりやすく、簡潔な文章で表現する
その場にいない人が見てもメッセージを誤解することがないように、まずは伝えたい内容と順番を整理しておくのが大切です。
まず、スライドを5つに分けてみましょう。
- タイトル
スライドのタイトルの内容、テーマなどを考えましょう。タイトルは、そのスライドが何について書かれているかのトピックスとなるように書きます。
- メッセージ
メッセージはタイトルに対する結論です。短く簡潔な文章で、そのスライドで言いたいことの結論を入れます。また、1枚のスライドにつき、結論となるメッセージはひとつになるようにしましょう。ひとつのスライドに主張することが複数あると相手が混乱してしまいます。
- ボディ
スライドのメッセージの詳細や、裏付けとなる根拠や事実などを入れるようにしましょう。より具体的であるほど相手に伝わりやすくなります。
- 補足
メッセージの補足については、次のスライドへのつなぎを意識するようにしましょう。前後のスライドのつながりが薄いとバラバラのページを集めただけの印象になってしまいます。
- その他
データなどを引用している場合は出典を必ず入れるようにしましょう。出典がなければ、根拠づけも薄く、信ぴょう性を問われることにもなりかねません。
PowerPointでの資料作成のポイント
ここからは、資料を作成する上で大切なポイントを具体的に解説していきます。
表紙はシンプルにする
表紙は、色をつけたり、イラストや画像を使ってあまり凝ってしまったりしてしまうと、主題となる内容の印象が薄くなってしまう可能性があります。
インパクトが強すぎると先入観を持たれてしまうこともあるため、できるだけシンプルにしましょう。
目次をつける
目次をつけることで構成が相手にも分かりやすくなります。
「どんな構成で話を進めていくのか」をあらかじめ伝えた上でプレゼンを進めることができるので、相手もひとつひとつの内容を理解しやすくなります。
スライドの数が多い資料などは、テーマが変わるごとに目次ページを差し込むとさらにいいでしょう。
スライドの背景はシンプルにする
スライドの背景も、表紙と同じく色をつけたり、イラストや画像を使いすぎたりしないようにしましょう。
注意がイラストや画像に向いてしまい本当に相手に伝えたいメッセージが伝わりづらくなってしまいます。
また、背景に画像を使ってしまうと文章も見えづらくなってしまう恐れがあります。
レイアウトを統一する
プレゼン資料のタイトルやメッセージの位置、文字のサイズなどがバラバラだと、見づらくなり、相手もいい印象を抱かないことが多いでしょう。
図形の大きさや位置、形や幅やレイアウトは必ず、統一、整列させてください。
文字について
・文字のサイズ、フォント
文字のサイズは必ず統一してください。
フォントもできれば1種類にしましょう。どうしても複数使いたい場合は最低でも2種類に留めておきましょう。また、ゴシックと明朝を同じ資料内に使うのはやめましょう。
強調したい場合、目立たせたい場合はフォント以外で表現するようにしましょう。
プレゼン資料などにおいてはゴシック体が比較的見やすいので、MSPゴシックか、HGPゴシックを選びましょう。
メイリオなどもよく使われますのでこの中で選ぶのがおすすめです。
・文字の強調
PowerPointには装飾機能がありますので強調したり目立たせたりしたい部分に使うことができます。
- 太字―タイトルなど強調したい文字に使う
- 斜体―英文で強調したい文字に使う
- 下線―文中で強調したい文字に使う
- 影―ぼやけた感じになってしまうのであまり使わないほうがいい
色について
色使い、配色については、多くのカラーを使いすぎると、資料がごちゃごちゃした印象となってしまうため、できれば2色、多くても3色以内にする必要があります。
色の使い方においては自分なりにルールを決めて、それを徹底してください。
例えば、下記のように基本となる色を決め、そのルールに則って作っていくと見やすいでしょう。
①ベースカラー
背景など広い面積で使うため、グレートーンのカラーを選びます。
②メインカラー
特に注目させたり、強調させたり、重要な部分を目立たせたい時に使用します。
③サブカラー
全体のテーマとなり基本となるカラー。プレゼンする相手の好みそうなカラーにする、または、ブルー系などの落ち着いたカラーを選びます。
図表やグラフ
図などの情報は表で整理することで見やすくなります。イメージを伝えたい場合は図やグラフなどを活用するといいでしょう。
多数の情報を一度に見せる場合は、箇条書きにするよりも表に整理して一覧にすると分かりやすくなります。
また、数値はできるだけ図やグラフで表現するようにしましょう。数値は瞬間的に意味や傾向をつかむのには向いていません。
例えば、「時系列などのデータ」は縦棒グラフか折れ線グラフにする、「割合やシェアのデータ」は円グラフか積み上げ棒グラフにするなど、伝えたい内容によって工夫が必要です。
データの一部を強調したい場合は、目立たせたいデータの色を変えるとより目立つでしょう。
図形と線
図形に文章を入れることで、狙った部分に注目させることができます。
ただ、図形の線は、太くする、二重線を使う、などで強調しすぎると逆に読みづらくなってしまうので注意しましょう。
補足ですが、イラストや写真は必要がなければ使わなくても問題ありません。イラストや写真のイメージが強いと、一番伝えたいメッセージがきちんと伝わらなくなってしまう可能性もあります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
PowerPointをうまく使いこなせば、会議などで使用するプレゼン資料の作成や発表を効率化することにつながります。
相手に伝えたいことを的確に伝えられるようになれば、社外、社内でのコミュニケーションにおける大きな武器になります。
残業時間の削減のキーにもなるかもしれません。
見やすいプレゼン資料を作ることは、自分の考えをしっかりと相手に伝え、ビジネスパーソンとして成功することにもつながっていきます。
上記のポイントをしっかりと踏まえ、質の高い資料作りを目指しましょう。