近年、スマートフォンの普及と通信インフラが整備されたことより、動画が誰でも、気軽に、快適に楽しめるようになりました。
それにともない、動画配信プラットフォームや、Facebook、TwitterなどSNSを活用した動画広告市場が拡大しています。
なぜなら、動画は静止画やテキストに比べて情報量が多く、印象に残りやすいというメリットがあるからです。
そのため、消費者の興味をより喚起し、「自分も体験してみたい」といった共感を得やすいと考えられます。
動画マーケティングは今後、企業や人々の間でさらなる広がりを見せるにちがいありません。
ところが、動画マーケティングの発展にともなって、さまざまな動画配信プラットフォームや機能が登場しました。
企業の広告・マーケティング担当者の多くの方が、どのサービスを利用すればいいのか、どんな機能があるのかわからない、といった悩みを抱えているのではないでしょうか?
動画マーケティングをはじめられるのであれば、まず「YouTube」の活用を強くおすすめします。
YouTubeは、世界で最も人気のある動画共有サービスで、1日の動画再生時間はなんと10億時間以上にも上ります。
さらに、YouTubeには動画を効果的に運用するための機能がさまざま備わっています。
この記事では、動画マーケティングでYouTubeを効果的に活用するために知っておきたい、さまざまなお役立ち情報をご紹介します。
YouTubeの特徴や機能をしっかりと理解して、マーケティングの目的に応じた利用をしていきましょう。
YouTubeとは
YouTubeは、世界で最も人気のある動画共有サービスの一つで、1日の動画再生時間は10億時間以上にも上ります。
これは、年に換算すると10万年以上です。
再生時間だけではなく再生回数も非常に多く、一度ネット上でその動画が注目を集めると、億単位の再生回数になるものもあります。
PPAPで話題になったピコ太郎さんなどは、関連動画を含めて4億回以上の再生回数を記録しています。
そのため、YouTubeをマーケティングに取り入れることで、情報を拡散したりや集客をサポートしたりできます。
ちなみにYouTubeは、日本国内での1日あたりのパソコンからのアクセスが1,923万人なのに対して、スマートフォンからの1日あたりのアクセスは3,580万人となっています。
パソコンと比較して倍近い数のユーザーが、スマートフォンからYouTubeを利用しているということが分かります。
YouTubeアプリを利用している人のデータを分析すると、最も利用率が高いのは20時から22時という夜の時間帯ですが、次に利用者が多いのは朝の7時台から8時台という通勤の時間帯です。
この結果から推察すると、通勤途中の人たちはYouTubeを音声として聴いている可能性があり、①音声だけでも内容が分かる、②動画を見ることでさらに詳しい情報が分かる、といった内容にする方が、より多くの人に情報がリーチできるということになります。
また、動画はユーザーに伝える情報量が圧倒的に多く、1分間の動画が伝える情報量は、テキストに直すと約180万語に匹敵するそうです。
ウェブページに直すと3600ページ分です。
さらに、動画で説明された内容に対する理解度は、テキストで説明された内容に対する理解度と比較して74%アップするといわれています。
(参考サイト:動画マーケティングの威力が伝わる統計と動画作成5つのポイント | freshtrax | デザイン会社 btrax ブログ)
実際にそのことを分かっているためか、ユーザーの中には、初めからGoogle検索を使用せずに、知りたいことがあるとYouTube内の検索を利用する人も多いです。
これは、何か気になる情報がある時に「テキストではなく動画で説明を見てみたい」と考えているためです。
また、SEOの観点から言えば、GoogleもYouTube内の動画をSEO上で有利に設定しており、テキストだけのウェブページよりも、YouTubeの動画ページの方が上位表示されやすくなっています。
マーケティングに活用できるYouTubeの機能
YouTubeには、動画に特化したサービスという強みから、特徴的な機能が幾つもあります。
FacebookやTwitterなどのSNSとは全く違う特徴なので、この部分を理解すれば、一般的なSNSを利用したマーケティングとは違った切り口で、サービスや商品の告知、ブランディングなどが可能になるでしょう。
動画内にリンクを貼ることができる
YouTubeの大きな特徴は、動画の画面内部にボタンを設置できる点です。
パターンは、自社サイトへのリンクであったり、チャンネル登録であったり、その他のSNSとの共有であったりします。
YouTubeにアップした動画は、他のSNSで拡散されるケースが多く見られますが、YouTubeのこうした機能がそれに一役買っていることは間違いありません。
FacebookやTwitter、Instagramなどの投稿で動画を使用しても、このようなボタンを入れる使い方はできません。
チャンネル登録
YouTube独自のシステムに「チャンネル登録」というものがあります。
チャンネルとは、動画をアップロードした投稿主のアカウントのようなものだと考えてください。
そのアカウントに新たな動画が投稿されると、チャンネル登録をしている人に通知が届きます。
また、ホーム画面では、チャンネル登録をしている人の動画の中から人気のものや新しいものが表示されますので、再生してもらいやすくなります。
いわば、Facebookの友達登録やTwitterのフォローのようなものだと考えると、分かりやすいと思います。
チャンネル登録者数を増やすことによって、新たな動画をアップロードした時の再生回数の伸び方が変わってきます。
関連動画
YouTubeでは投稿する動画ごとに、タグやカテゴリー、メタデータなどが設定できます。
これらは、もちろんSEO上でも役に立つのですが、それだけでなくYouTube独自のアルゴリズムで関連性が高いと思われる動画とひも付けされることがあります。
ひも付けがされると、相手側の動画が再生された際、関連動画として自分の動画のサムネイルがその動画の右側に表示されます。
関連動画を見ているユーザーは、その情報に興味を持っているホットなユーザーなので、併せて再生してくれる可能性が高くなります。
後ほどお伝えする「YouTubeアナリティクス」を利用すれば分かりますが、この関連動画から流入してくるユーザーの数はかなり多いです。
YouTube広告
YouTubeには、広告機能が備え付けられています。
皆さんもYouTubeで動画を再生した際に、随所に挟まれる広告を目にしたことがあるのではないでしょうか。
このYouTube広告に関しては、次の2つの考え方ができます。
YouTube広告を再生させることで収入を得る
投稿した動画が再生され、それによってユーザーがあなたの動画に挟まれた広告を見ることで、報酬が発生します。
1回や2回の再生では、その報酬は微々たるものですが、何千回、何万回と再生されるようになれば、再生回数に比例して収入が見込めるようになります。
自分がYouTube広告を出稿する
自分が提供するサービスなどを動画広告にして、YouTubeに広告を出稿することもできます。
YouTube広告は、FacebookやTwitterの動画広告のようにタイムラインで流れるわけではなく、その人が見たいと思っている動画の間に挟まれるので、しっかりと見てもらえる割合が高いです。
さらに、その他のSNSの動画広告は、基本的に音声がOFFの状態で再生されますが、YouTube広告は音声付きで再生されます。
本格的な動画広告を、ユーザーにしっかりと見せてマーケティングをしたいという場合には、最適だといえます。
ただしその弱点として、ユーザーは広告の後に再生される本編の動画を見たいという欲求を持っていますので、動画広告の中でリンク先を設置しても、そこから移動してくれるユーザーはほとんどいないでしょう。
そのような特性を考えると、YouTube広告は、自社サイトへの流入を目的とするよりは、ブランディングを目的とすると考えた方がよいかもしれません。
こうした特徴から、YouTube広告は、個人よりも多くの人が名前を知っている大企業がブランディング目的で出稿するケースが多いです。
YouTubeの分析機能
YouTubeには、「YouTubeアナリティクス」という分析ツールがあります。
これは、YouTubeのアカウントを持っていて動画を投稿していれば、誰でも見られるツールです。
動画全体の再生時間や平均視聴時間、視聴回数、ユーザー情報などを把握できます。
また、個別の動画ごとに、何をきっかけにしてその動画にたどり着いたかという流入経路も把握できます。
これには検索ワードも含まれるので、今後の動画投稿の際のタグ付けや、説明文記入の際にとても参考になります。
まとめ
このようにYouTubeには、その他のSNSとは違い、動画共有サービスだからこそ発揮できるメリットがあります。
その一方で、気軽に友達とやりとりできる本来のSNSのような使い方ができないので、その他のSNSのマーケティング方法と並行する形で利用するとよいでしょう。
また、投稿する動画は、最低限の編集をする必要がありますので、動画の編集技術についても勉強しなければいけません。
簡易のものであれば、YouTubeのブラウザ上でも編集できますので、一度試してはいかがでしょうか。