「企画職として活躍していきたい」そう思っていても、企画職という仕事はとても意味が広く、そのすべてを理解している人は意外と多くないでしょう。
なんとなくは分かっている、でも詳しくは分からない。
就活や転職の際にも人気職種である「企画職」。
一体どんな仕事で、どんな能力が必要とされるのでしょうか。
また、会社のなかでの役割はどのようなものなのでしょう。
今回は、企画職の仕事内容やその会社内での役割について解説していきます。
企画職の仕事内容
消費者に求められるものを考え、アイデアを提案し、商品やサービスに反映させることが企画職の仕事です。
消費者はどんなものを求めているのか、どんな問題を抱えていて、それに対してどうすれば解決に導くことができるのか、ということを考え、それから売れる商品やサービスが誕生していきます。
顧客の抱えている問題や市場の動向に対するリサーチを怠らず、課題解決を目指すという考え方は多くの職種において必要とされますが、企画職の場合はその考え方がとくに重要だと言えるでしょう。
消費者の課題とその解決策、どのように商品に反映したら消費者は魅力を感じるのか。
ただ自分の想像だけで答えを出そうとするのではなく、小売店に足を運ぶなどして、さまざまな角度からリサーチしていきます。
その後社内でプレゼンを行い、企画が通ったあとも議論を重ねてアイデアを練り直していきます。
企画職に必要なスキルと資質
実は、一般的に多くの人が思い浮かべる「商品企画」以外にも、企画職には「宣伝企画」「広報企画」など、さまざまな種類が存在します。
そんな企画職として活躍するためには、どのようなスキルや資質が必要とされるのでしょうか。
ここからは、企画職に求められるいくつかのスキルをご紹介します。
課題の本質への理解
企画という仕事でまず重要なことは、消費者やサービスの抱える現状の課題を明らかにすることです。その課題に対する解決策を企画にどう盛り込むかが重要なのです。
課題への理解がなければ、魅力的な企画を生み出すことはできません。
そのため、企画職には消費者の課題や自社サービスの弱点など、さまざまな意味での「課題」を正確に把握することが求められます。
例えば「シルバー世代に向けた広告の企画をする」という場合には、シルバー世代を対象に、これまで行ってきた広告や、売れていた商品について整理することが現状把握のために重要です。
そのほかにも、シルバー世代に対する自社製品の浸透度や認知度を調べることなど、知っておかなければいけない内容はさまざまで、自社サービスを取り巻く多くの事柄を徹底的に調査し、把握すること、そこから解決策を見出していく能力が求められるのです。
企画を分かりやすくまとめるスキル
現状の課題が正確に把握でき、解決策が見えてきたら、次はその解決策や企画を周囲の人にも分かるように伝えなければいけません。
これはプレゼンだけでなく、技術者とのコミュニケーションなどの際にも求められることで、周囲に理解される企画を立案するためには、
「意識の共有」
「シンプルで説得力のある説明」
上記の2点が大切です。
企画を立案する際の課題や解決策は、周囲の人も納得できるものでなければいけません。
「こんな課題を解決できます」というアピールをしたとしても、その課題を周囲が重要視していない場合はその企画の魅力は半減してしまうでしょう。
まずは社内で課題の共有をしっかりと行い、それから企画を考えていくようにしましょう。
また、プレゼンなどの際には、シンプルに分かりやすくまとめる、ということが非常に重要です。
例えば、プレゼンの基本構成のひとつに「PREP(プレップ)」と呼ばれるものがあります。
これは「Point(結論)、Reason(理由)、Example(事例)、Point(結論)」の略で、これはシンプルなだけでなく、プレゼンに説得力を持たせたい時などにも意識したい考え方のひとつです。
まずは結論から述べ、その理由を説明し、その後具体的な事例を挙げ、最後にもう一度結論を述べる、というストーリーを重視した構成になっていて、より聞き手の共感を得ながらプレゼンを進めることも可能です。
「プレゼンをしよう」「いい企画を立てよう」と漠然と考えるのではなく、前提となる課題の共有や、プレゼンの基本構成を意識することによって、周囲から理解を得られる企画も作りやすくなってくるでしょう。
企画職の社内での位置づけと役割
次に企画職の社内での位置づけと役割を見ていきましょう。
企画が通るかは経営陣次第
企画職は社運を左右する重要な部門です。企画したものがどんな評判を呼びどんな利益が見込めるかは、その会社全体に大きな影響を与えます。
その分、会社に大きな影響を与える企画ほど、部内だけでなく、経営陣も含めた多くの人の賛同が必要になる場合もあります。
画期的なアイデアを盛り込んだ斬新な企画を立案しても、経営陣が保守的だったため通らなかった……。
企画職として活躍している人のなかには、こんなことがあった人も少なくないのではないでしょうか。
憧れの花形部門
経営陣によって企画が左右されることはあるものの、企業内の社員からは、花形の職種だと思われていることも多い「企画職」。
その理由としては、やはり業務においてクリエイティブな力を発揮できるイメージが強いことや、商品企画などにおいては「商品=企業の顔」などのイメージから、やりがいのある印象を受けることなども挙げられるでしょう。
しかし、その分プレッシャーが大きく、多くの能力を要求される仕事であることも事実です。
企画職が企業内で果たす役割とは
企画職は、商品を発表して経済的な貢献をすることはもちろん、ブランドに対する共感や信頼などを通じて顧客にとっての価値を高めていく、重要な役割を持った職種でもあります。
企業イメージを刷新したい時などにも企画職は役に立つことになるでしょう。
予算内で、多くの人に魅力を感じてもらえる企画を打ち出し、売り上げも伸ばさないといけない……、企画職は非常に大変な仕事ですが、成功したときの喜びはひとしおです。
企画職は、課題の発見やプレゼンなどを含め「相手の立場に立って考える」ということが強く求められる仕事です。それにより新しいアイデアが生まれて、いい企画も生まれてくるでしょう。
常にアンテナを張り、どういったものを社内や社外の人々が求めているのかを探求しなければいけません。
もちろん多くの企画を生み出すなかで、周囲の人からの理解を得られないこともあるでしょう。すべての企画が受け入れられ、多くの利益を生み出す、というわけではないのです。
ただ、会社や社会に大きな影響を与えることができる企画職という仕事は、その大変さや難しさの分、やりがいも非常に大きい仕事です。
消費者や自社サービスの抱える課題を考え、新たなものを生み出していく。
会社にとって企画職とは、一発逆転のきっかけにも、大きな失敗の原因にもなる、とても影響力の大きな仕事なのです。