営業職では、多くの契約を獲得すれば、インセンティブやボーナスで高収入を目指すことができます。
業界・業種は多岐にわたり、さまざまな営業職があるなかで、証券営業は注目の高い業種のひとつです。
証券営業は給与が高いイメージがあったり、実力次第で大きなインセンティブを得られるイメージがあったりするため、就活生から転職を考えている人まで、多くの人が目指している業界でしょう。
では、具体的に証券営業はどのくらいの年収を目指すことができるのでしょうか。
今回は、証券会社の年収について、その特徴や年代別の相場を解説していきます。
証券営業の給与の特徴と平均年収
証券会社は、企業・業態によって給与体系や年収が大きく異なることが特徴です。
「日系」や「外資系」などさまざまな企業があり、インセンティブや給与体系もそれぞれの特徴があります。
強みにしている分野も違うため、それにともなったスキルや知識が必要とされるでしょう。
また、担当する部門においては、「ホールセール業務」なのか「リテール営業」なのかによっても給与相場は異なります。
大手人材サービス「DODA」の調査によると、証券営業などの金融専門職の場合、
ホールセール業務の平均年収は605万円。
リテール営業の平均年収は422万円。
※参照:https://doda.jp/guide/heikin/2011/
このように、大きな平均年収の差があるのが分かります。
また、給与体系は大きく「ノルマ制」と「歩合制」の2つに分類され、ノルマ制では基本給が高く設定されている分、毎月のノルマを達成させる働きをより意識しなければなりません。
時間外手当などの保障も手厚いことが多いため、安定性はありますが、歩合制に比べややインセンティブが低い傾向にあります。
一方「歩合制」の場合は、一般的にノルマ制に比べインセンティブが高く、給与が自分の働きと成果に大きく左右されるため、契約を獲得すればするほどインセンティブをもらうことができ、給与アップにつながりやすい傾向があります。
年齢別証券営業の年収
どの業種においても言えることですが、営業職も年齢を重ねるごとに年収が比例してアップするという傾向にあります。
証券営業においてもそれは同様で、大手求人サイト「DODA」によると、証券営業の年代別平均年収は、
- 20代415万円
- 30代719万円
- 40代824万円
- 50代969万円
※参照:https://doda.jp/guide/heikin/syokusyu/
となっています。
ここからは、年齢別の年収について、それぞれの特徴を解説していきましょう。
証券営業の20代の年収について
20代では、新卒から入社した社会人が多くを占めます。
営業パーソンは、清潔感があることがとても大切です。身だしなみを整えるために、スーツや靴、時計、ネクタイなどのビジネス用品に費用がかかります。
証券営業の初任給は20万円から25万円程度、インセンティブやボーナスを含めると上記の平均415万円となり、最初のうちは、出費が多く経済的に負担となることも多々あるでしょう。
そのため、同世代のビジネスパーソンより高い年収を目指すためには、業務を覚えることと合わせて少しでも多くのインセンティブを獲得することが重要です。
証券営業の30代の年収について
新卒を含めた20代では、自分を磨いてビジネスパーソンとして成長することが重要で、それには当然費用的な負担もあるでしょう。
そのため、なかなか「満足できる給与をもらっている」と実感している人は少ないかもしれません。
仕事を続けて30代を迎えると、その状況もいい方向へ変わる可能性があります。
証券営業に就いている30代の平均年収は719万円となっています。
一気に年収が上がっているように見えますが、これは基本給のアップだけでなく、仕事のノウハウが身につき、効率のいい案件の獲得方法も覚え、インセンティブが多く獲得できるようになったことが影響しているようです。
証券営業においては「歩合制」と「ノルマ制」のどちらの体系でも年次によって給与はアップしていく傾向があるため、勤続することによって給与面でのメリットを享受できる業界とも言えるでしょう。
また、企業によっては30代で1,000万円~1,200万円の年収を稼いでいる人も多く、活躍次第では大幅な年収アップを目指すことができます。
30代において自分のスキルを磨き、いい成績を出しておくことは、今後の出世につながるメリットもあり、更なる年収アップの可能性も上げてくれるでしょう。
20代に比べて、30代は同じ企業のなかでも同年代で年収に幅ができるような年代でもあるため、20代~30代の努力によってその後のビジネスパーソンとしての将来が変わってくると言っても過言ではありません。
証券営業の40代、50代の年収について
証券会社での40代の仕事は、プレイヤーとしての活躍というよりも、役職者などの管理者としての役割がメインとなり、人を動かしていく側の人間へと変化していくでしょう。
平均年収では40代が824万円、50代が969万円となり、20代~30代に比べると年収の伸びは少ないですが、重要なポジションで落ち着いた仕事ができるのが魅力と言えるでしょう。
役職に就いて管理側に回るのではなく、あくまで営業パーソンとしてキャリアアップを考えているビジネスパーソンは、ステップアップとして転職や独立をして、更なる年収アップを目指す方法もあるかもしれません。
証券営業においてはインセンティブが重要
証券営業の初めのうちは、ほとんどが新規顧客の開拓営業となります。
商品の案内をするにはまず、アポイントを取らなければいけません。この「アポイントの獲得」というのはとても難しく、ここでつまずいてしまう証券営業パーソンは数多くいます。
また、その後の商談のためにも、自社商品の知識を深めるだけでなく、経済の動向や世界情勢など、常に最新の情報をキャッチしておく必要があり、多くのことを学ぶ必要があります。
このように多くのことを実践しながら営業活動をするため、ひとつのことに集中できなくなり、なかなか契約が取れなくて悩んでしまう営業パーソンも多いでしょう。
証券営業は契約が取れなければインセンティブも稼げないため、そうなると満足のいく給与をもらうことは難しいと思います。
契約を多く獲得するということは、インセンティブを得て20代などの基本給が低いうちの助けになるほか、30代や40代の昇進・昇格や転職を考えた時に重要となる、自分の価値を高めることにもつながっていくのです。
証券営業はコミュニケーションを磨こう
証券会社における営業パーソンは、業界のスペシャリストとして営業活動を行います。
金融商品は市場や経済の動向など、外的環境に左右されることが前提の商品なので、顧客側には「専門家に頼りたい」という気持ちがとくに強い傾向にあるようです。
そのため営業パーソンには専門的な知識などが求められるのは大前提で、日々の付き合いのなかで受けた相談に対する返答やアドバイスが、その後の大きな取引につながることも考えられます。
営業パーソンはだれしも「売りたい!」と心に決めて営業活動を行っていると思いますが、気持ちだけで成果を出すことは難しいでしょう。
顧客が何を考え、何をしたくて、何を望んでいるかということを理解し、親身になって対応できるかがとても重要なポイントです。
このポイントを押さえるには、相手の話を聞く、自分の話をうまく伝えるというようなコミュニケーションが大切になってきます。顧客とのコミュニケーションを大切にし、どの年代においても輝けるビジネスパーソンであることを目指していきましょう。