不動産営業の年収とインセンティブについて
不動産の営業をするならば、インセンティブを多く手に入れ、年収を上げたい。
そう思いますよね。
一般的な営業職のなかでも不動産営業は、インセンティブが高い業界と考えられています。
不動産営業のなかでも特に、不動産投資に関わるマンションやアパートのインセンティブは高くなっています。
しかしこのインセンティブが高い分、年収は安定しないという声も聞かれ、他業界の営業職と比べて営業スキル、そして結果に左右されやすいのも事実です。
不動産営業の平均年収はどれくらい?
まずは不動産業界の年収を見ていきたいと思います。
大手人材サービスDODAの調査「平均年収ランキング2017」によると建設/プラント/不動産業界の平均年収は419万円となっています。生涯賃金は、1億8334万円です。
しかし同じ不動産関連の業界でも、職種によって年収に開きがあります。
例えば、1番高い不動産金融業界は平均年収496万円・2億7115万円なのに対して、不動産仲介は394万円・1億7187万円となっています。
つまりどのような職種に就くかで、年収は大きく変化しやすくなります。
そして必要になる知識量の違いもあります。
例えば先ほど一番高かった不動産金融は、その扱う規模や金額はもちろんのこと、さまざまな会社や個人と連携して証券を作っていくため、不動産の知識だけでなく金融に関する知識も必要になります。
また不動産仲介のなかでも、賃貸仲介営業(リーシング営業)・売買仲介営業・不動産売買営業(ディベロッパー営業)の3つに分かれます。
賃貸仲介(リーシング)業界の平均年収は350万円。売買仲介業界は550万円。不動産売買(ディベロッパー)業界は、20代でも700万~800万円とここでも大きな違いが生まれています。
売買仲介・不動産売買(ディベロッパー)の新規営業は、テレアポや飛び込み営業などがメインになります。それに対して、賃貸仲介は店舗への来店顧客へのフォローや案内が中心になります。
新規の営業活動をプッシュ型で行う場合は、新規の顧客獲得は難しく、営業スキルと直結するため、インセンティブが高くなっていきます。
それに対して、店舗来店などを中心にしたプル型は、プロモーション活動や店舗立地などの力も利用することができるためインセンティブは低くなります。
しかしプル型の営業手法の場合は、大きな外部変化がなければ安定した集客が可能なため、給与自体は安定しやすい特徴があります。
今度は、不動産業界の平均年収を年代別に見ていきましょう。
まず新卒~3年目と言われる20代前半の不動産営業の平均年収は、246万円となっており、日本の平均年収は263万円のため若干低くなります。
そして25歳から29歳の平均年収も320.5万円となっており、日本の平均年収343.3万円よりも低くなっています。
ここまで見ていくと、不動産営業の給与は全体的には低いと思われるかもしれません。
しかし実際には、年収1000万円を超える人も多くいます。それは給与に対してインセンティブの占める割合が大きくなっているためです。
この傾向は、不動産業界に限らず営業職全体に見られるものではあります。
それでは不動産業界のインセンティブについて見ていきましょう。
不動産営業のインセンティブはどれくらい?
投資用物件などを扱う不動産営業をしている人のなかには、1軒売るごとのインセンティブが数百万円という人もいるようです。
一回の契約で数百万というインセンティブが入ると考えると、営業職としては大変魅力的かつ、夢のある業界と言えるでしょう。
インセンティブ額は、高くなると売り上げに対して10%を超える会社もあります。例えば不動産売買の営業においては、マンション1軒でも数千万は売り上げが立つため、1軒売れば数百万のインセンティブが入ってきます。
しかしインセンティブだけで就職先・転職先を選ぶと失敗する可能性もあります。
不動産営業のなかには、インセンティブが高い分、営業成績が悪くなってしまうと毎月減給になっていく会社もあります。
そのため、長い間悪い成績が続くと初任給と変わらない給与額になってしまったり、ほぼ基本給しかない、などという状態になってしまう場合もあります。
不動産営業でインセンティブを稼ぐコツ
実際にインセンティブが稼げるようになるためには、どのような営業スキルを身につければいいのでしょうか。
賃貸仲介、売買仲介、ディベロッパーで共通して重要なスキルは、
- アフターフォロー力
だと言えます。
法人、個人を問わず、コミュニケーションをしっかりと取れることは、顧客からの信頼につながります。
不動産は、生活においては欠かすことのできないものであり、売買ともなれば売る側にとっても買う側にとっても決して安くはない金額が動く取引です。
そのような重大な取引をするということで考えると、信頼できる人に任せたいと思うのは当然のことです。
また、
例えば物件の購入を考えている男性が来店したとします。
男性の要望が「3人で余裕を持って暮らせる」などのあいまいなものだけだった場合、その情報だけで顧客を満足させる提案をすることは難しいでしょう。
「3人」というのが、「夫婦と夫の母親」なのか、「夫婦とその子供」なのか。
そのどちらかの場合「母親や子供が現在何歳なのか」。
などのさまざまな要素によって、学校や病院など、近くにあったほうがいい施設も変わってくる上、同居人が高齢だった場合などは、付近に階段が少ないほうがいい、などの顧客自身も見落としがちなポイントも重要になるでしょう。
不動産営業における提案では、顧客が現在どういう状況で、本当はどういうことを物件に求めているのかを理解し、真に顧客のニーズに応えることが大切なのです。
また、一度できたお客さまとの関係を途切れさせないアフターフォロー力も重要です。
とくに不動産投資などの場合は、紹介でつながっていくこともあります。顧客は年収や職種など、似た属性のつながりを持っていることも多く、似たニーズを持っている可能性も高いでしょう。
それらの人々は顧客になってくれる可能性も高く、紹介された側も安心して営業の話を聞くことができます。
ただ、顧客に信頼してもらい紹介案件を獲得するためには、定期的な連絡や問い合わせに対する丁寧な対応などのアフターフォローが非常に大切です。
少しでも多くの案件を獲得し、インセンティブを多く得ることを考えるのであれば、新規の営業だけでなく丁寧なアフターフォローを心がけましょう。
不動産取引は、多くの顧客にとって生活に深く関わる重大なものです。
単価も大きくなる傾向があり、営業にとっても契約の獲得は簡単なことではないでしょう。
しかし、「住宅」というニーズはなくなるものではないため、ほかの営業と少し差をつけることで契約を取りやすくなることも考えられます。
まずは
- ニーズをくみ取るためのコミュニケーション力
- 顧客ごとのニーズにしっかりと応えることができる提案力
- 顧客からの紹介を増やすアフターフォロー力
これらを磨いていくことで、インセンティブを稼げる不動産営業を目指しましょう。