営業にとって、生命線となる営業リストの作成。
会社によっては、営業リスト作成の専任担当がいる場合もあるほど、営業活動において重要な役割を持っています。
しかし、営業の仕事をしている方のなかにも、「営業という仕事は話すことがメインであり、リストはあくまで、やらなければいけない業務≒タスクである」と認識していて、作るのがおっくうになっている方は多いのではないでしょうか?
もちろん、何も考えずに営業リストの作成だけに時間をかけ、営業活動の時間が大幅に減ってしまうようでは本末転倒です。
営業リスト作成の際は、営業戦略やマーケティングとの連携を考えた上で、いかに作成作業を効率的に行うかが肝です。
今回は、あなたの営業リストをレベルアップさせる考え方や、作り方についてお伝えしていきます。
営業リストの使い方
営業リスト作成をする上で、何も考えずに無作為にただリストアップをするだけ、というのは絶対にいけません。しっかりとした準備が大切です。
まず、「どのようにリストアップをするか」ではなく、営業リストに「どのような項目を入れるか」を考えていきましょう。
営業リストは、営業活動に対するPDCAを行うための重要な情報です。
見込み客とのやりとりや、新規の営業活動の結果を分かりやすく記載し、自分だけでなく、複数人で共有できるようなテンプレートを作りましょう。
メモ帳に、
「〇時に〇〇株式会社に行った」
という記録だけが残されていても、本人の記憶が薄れてしまうと具体的な内容が分からない上、チームで共有し、ミーティングをしようと考えたときに役立ちません。
できる限り詳細な情報を記載するようにしましょう。
そうすることにより、営業先を考える際のフィードバックだけでなく、トークスクリプトの修正や改善をしていく上でも役立つようになります。
- 受付に断られている割合はどれくらいか
- 提案まで進めたのはどれくらいか
- 申し込みまで進めたのはどれくらいか
などの割合や数値が分かりやすくなることで、「このトークをした時はこうだった」という振り返りに活用できるのです。
これらをしっかりと記録しておかないと、うまくいっている、うまくいっていない、という判断は、結果である売り上げと、本人の主観のみになってしまいます。
これでは、売れるリストの作成も売れるトークスクリプトの作成もできません。
このようなことを防ぐためにも、どのような内容を記載するか、というテンプレートが必要です。
営業リストに入れるべき項目は、顧客が個人か法人でも異なりますが、まずは、管理がしやすいものをまとめていきます。
【必須情報】
- 会社名:営業先の会社名は絶対に記載しておくようにしましょう。
- 決裁者:決済者=社長とは限りません、誰と話すべきかを明確にする重要な情報です。
- 担当者:決済者以外と商談をするケースも多くあります。人の名前をしっかりと覚えていることは、信頼にもつながります。
- 連絡先:先方の連絡先についてはスマホでの管理も可能ですが、データ紛失などに備え入れておきましょう。
- URL :法人の場合はサイトのURLも入れましょう。会社の情報が詰まっており、商談の際や社内での引き継ぎの際に役立ちます。
【営業に役立つ情報】
- 提案開始日と結論日:提案をした日と結論を出すタイミングを記載することで、クライアントの意思決定スピードを、ある程度把握できるようになります。
- 受注金額 :請求書や顧客管理表での管理はされているはずですが、営業リスト内で確認できると、再提案などの際の目安になります。
【補足情報:〇×でつけていきます】
- 営業活動可否
- 担当者商談
- 決裁者商談
- 受注
こういった情報を、Excelなどにまとめていきましょう。
最近では、クラウド型のGoogleスプレッドシートを活用し、メンバー全員での情報共有や同時編集などの効率化をするケースもあります。
また、Excelやスプレッドシート以外にも、CRMと呼ばれる顧客管理ソフトを活用する場合もあります。
こういったものを使えば、先ほど挙げたテンプレートの項目が元から用意されていたり、その情報を自動でグラフ化できたりするため、営業活動に大変役立つツールになります。
しかし、社内全体での導入が必要なことも多いため、個人判断での導入は難しい可能性もあります。
営業活動を効率化するリストアップ法
次に、リストアップの方法について考えていきましょう。
以前までは、タウンページなど電話帳を元に上から下まで営業する、という物量勝負をしている会社も多くありました。
しかし、何も考えずに物量だけで営業をしてしまうと、効率が悪くなってしまいます。
営業活動においては、「誰に」「何を」提案するのかが大切なポイントです。
そのためまずは、営業先の特性と、取り扱っているサービスの特性を組み合わせて考えていきます。
【顧客の特性】
項目 | 顧客が法人の場合 | 顧客が個人の場合 |
---|---|---|
1 年齢 | 設立からの年数 | ターゲットの年齢 |
2 構成 | 会社の規模 | 家族構成 |
3 お金 | 売り上げ | 年収 |
個人顧客であれば、インターネットでも地域別平均年収や世帯数などの情報を調べることが可能です。やみくもに動き回るよりも、効率的に営業地域の選定ができ、効率良く営業ができます。
営業地域さえ決めてしまえば、タウンページなどからその地域の情報を一括で取得するツールもあるため、さらにリスト作成を効率化することが可能です。
顧客が法人の場合は、Webサイトを持っていることがほとんどのため、さらに質の高いリストを作ることができます。
GoogleやYahoo!の検索結果に備わっている「検索条件」の設定をしてリストを抽出するのです。
通常の検索結果は、ロボットが自動的にランキング化し、検索語句との関連度が高いと思われる順番に表示されます。
しかし、検索条件を設定することで、そのなかから特定の条件にマッチしたサイトを見つけ出すことができるのです。
例えば、東京にある「歯科」かつ「2017年にオープンした」ことを条件としましょう。
その場合は、
東京 intitle:歯科 intext:2017 開院
このように検索すると、サイトのタイトルに「歯科」が含まれており、ページ内に「2017」「開院」という単語がある、という条件ができあがります。
つまり、
サイトタイトル:新宿区の〇〇歯科
ページ内:2017年に開院しました。
といった内容のサイトをリスト化することができます。
このように、インターネット上に情報が多くある現在では、非常に効率的にリスト作成をすることが可能です。
大切なのは、自分が取り扱っているサービスに合ったターゲットを絞り込むことです。
それができれば、検索での条件指定や、リストアップツールを活用することで、狙った営業先をリスト化することができるのです。
効率的なリスト作成をし、「売れる」営業を目指していきましょう。