すでに内定が決まっている方もいると思いますが、なかにはまだまだこれから就職活動をしていかなければならない人もいるでしょう。
就職活動をする際、必ずと言っていいほど経験しなければならないもののひとつに、「面接」が挙げられます。
面接では、自己PR、志望動機や、エントリーシートをもとにした質疑応答など、自分自身について伝えなければならない機会が多くあります。
そんな時、自分のことがしっかりと分かっていなければ、うまくアピールはできないでしょう。
面接において、「自己分析」とは、非常に重要なものなのです。
就活生の多くが、自己PRの内容については丁寧に考えていると思いますが、自己分析についてはどうでしょうか?
自己PRを簡潔にまとめるためには、自己分析が欠かせません。
自己分析がうまくできていなければ、自己PRの内容が薄くなってしまう可能性が高いのです。
では、自己分析をする時には、どのようなことに注意しなければいけないのでしょうか?
ここから、5回に分けて就職活動に向けた自己分析のやり方やその準備、何に注目すればいいのか、というポイントについて紹介していきます。
今回は、第1回として自己分析とは何か、そしておすすめの方法とやる意味をテーマにお話ししていきます。
自己分析をする時は文字に起こすことが大事
「さあ、今から自己分析をしよう!」
と思っても、まず何をすればいいのか分からない人も多いでしょう。
自己分析するときに頭のなかだけで考えていると、内容が明確にならず、自分のなかだけで「なんとなく分かっている」という状態になりがちです。
この「なんとなく分かっている」という状態のままでは、自己分析の質が低くなってしまう可能性があり、最終的に自己PRの内容を考えてもうまくいかないことが多いのです。
きちんとした自己分析をするためには、自分の目に見えるような形にすることが大切です。
頭のなかで整理をして終わりにするのではなく、「自己分析した結果を文字に起こす」ようにしましょう。
ノートやメモ帳などの紙でも、スマホ・パソコンでも問題ありません。
とにかく自己分析した結果を文字に起こし、自分の目に見えるような形にしていきましょう。
頭のなかのイメージを文章にするということは、非常に難しい作業です。あなたも過去に、頭のなかでは分かっているつもりだったのに、いざ言葉にしようとするとうまくできなかった、という経験はありませんか?
とくに自己分析に関しては、その内容を自分で決めてしまえるため、ゴールを明確に設定しづらいという問題があります。
中途半端に自己分析をしても意味がありません。なるべく正確に自己分析をするためにも、頭のなかだけで考えるのではなく、一度文字にすることが大切なのです。
自己を分析してくれるWebツールを使ってみる
自己分析を自分だけで行う場合、すべての決定権は自分にあります。
なぜならば、自己分析をするための設問も、自分で決めることになるからです。
自分のことを客観的に見ることができる人であれば、正確に自己分析をすることができるように思えるかもしれませんが、実際はそう簡単にはいきません。
そんな時に便利なのが、自己分析ツールです。
自己分析ツールとは、いくつかの質問に答えることで、あなたの強み(性格や考え方など)やどのような職業に向いているのかを客観的に診断してくれるものです。
パソコンはもちろんのこと、最近ではスマートフォンのアプリでも自己分析ツールが多く開発され、誰でも簡単に利用することができます。
(無料のツールがほとんどですが、ユーザー登録が必要な場合もあります)
まずは自己分析ツールを使い、おおまかに、自分がどんなことを考えているのかを客観的に知ることが自己分析において大切になります。
自己分析とはあなただけの強みを探すための作業
そもそもなぜ自己分析をしなければいけないのでしょうか?
自己分析をすることにはさまざまな理由がありますが、そのなかでも大きな理由のひとつに“自分だけの強みを探す”ことが挙げられます。
まず、面接官の気持ちを考えてみましょう。
面接官は、数多くの学生たちと面接を行っています。
あなたは、その学生たちのなかから選ばれるような“何か”を持っていなければならないのです。
それをきちんと提示しなければ、あなたは面接官にとって「他にも似たような人がいたな」という程度の学生になってしまいます。
つまり「あなたじゃないとダメ」な部分を面接官に伝えることが重要です。
自己分析が正確にできていないと、本当はあなたにしかできないことや特徴があるにもかかわらず、そのことに気づいてもらえないことが多いのです。
内に秘めたすごいものを持っていても、それを秘めたままでは意味がなく、きちんと相手に伝わるような形で提示しなければいけないのです。
短所を話す場合は「エピソード」にしよう
自己PRと聞くと、自分の長所だけを話せばいいと思っている人もいるかもしれませんが、それは間違いです。
自己分析では、長所と短所の両方を分析するようにしましょう。
短所も、長所と同じように「あなたの特徴」であることをしっかりと意識しましょう。
もちろん、単純に短所を伝えればいい、というわけではありません。
例えば、「私は時間にルーズです」と言っただけでは、面接官にはマイナスのイメージしか与えません。社会人としての信頼度も低くなるため、自己PRの時に伝えてはいけない内容です。
短所を話す場合は、その短所を改善することができるかどうかが重要です。とくに、短所を克服したエピソードを話すことは自己PRにおいて、大きな力を発揮します。
ビジネス書や自己啓発書では━━。
「昔は○○が苦手だったが、今は改善し、それが武器になっている」
「初対面の人と話すのが苦手な私は、今でも営業する時に緊張する。だが、苦手だからこそひとつひとつのことを丁寧にこなすことで、社内でトップの営業成績を出すことができた」
「高校一年生の時に不良で勉強嫌いだった私は、授業をサボってばかりだった。でも、あることがきっかけで勉強が好きになり、無事難関校に合格することができた」
自分史のなかで、短所を克服して何かを成し遂げたことがある、というエピソードは人の心にとても響きやすいものです。
多くの書物がこの手法を使っており、面接時の自己PRでもこのようなエピソードがあるかどうかで、面接官の印象が大きく変わります。
「私は短所を克服したエピソードがないから、何も話さないことにしようかな」
と、短所を話さないことが一番いいと思っている人もいるかもしれません。
しかし、短所が全くないというのは面接官に対して、かえって悪い印象を与える可能性があります。
世の中に、短所がひとつもない人がいるでしょうか? どんな人でも、何かしらの短所を持っています。
つまり、短所があるのは“当たり前”のことなのです。
にもかかわらず、面接官から「あなたは何か短所がありますか?」と質問されて「私は短所がありません!」と答えるとどうでしょう。
面接官は「この人は平気でウソをつくような人なのかもしれない」と思うかもしれません。
面接官は、これまでに何千・何百という学生さんたちを見てきているので、人を見抜く力に長けています。
へたに自分を誇張するような表現をしてしまうと、簡単にあなたの本性は見抜かれてしまうでしょう。
正直に自分のことを伝えた上で、強みを理解してもらうためにも、短所を分析することは重要なのです。
次回は、自分史をもとにした過去の体験の掘り起こしなど、自己分析の方法について、具体例を挙げながらさらに踏み込んでお伝えしていきます。